別居 / Q&A

別居中に保育園を申し込むとき:申込みの手続きと保育料の扱い

この記事のもくじ
  1. 申込みと認定を行うのは居住地の市町村
  2. 保育を必要とする事由:別居で働き方が変わるとき
  3. 保育料は市町村が決める:世帯の市町村民税所得割で区分される
  4. 申込みの流れと、決まるまでの準備

別居中でも、保育園はいま子どもと暮らしている住所の市町村に申し込めます。保育園を使うには、まず市町村から保育の必要性の認定を受ける必要があり、この認定は保護者の居住地の市町村が行います。申込みの手続きは別居していても変わりません。違いが出るのは、保育料の算定で「別居中の配偶者の所得をどう扱うか」と、申込みの時点で仕事の事由をどう示すかの二点です。この記事では、その二点を中心に手順をたどります。

申込みと認定を行うのは居住地の市町村

子ども・子育て支援法20条は、保育を受けたい保護者が、市町村に認定を申請すると定めています。認定を行うのは、保護者の居住地の市町村です(居住地がない、または明らかでないときは現在地の市町村)。住民票がどこにあるかではなく、実際に暮らしているところが基準の言葉になっています。

別居で引っ越した場合の注意が一つあります。法24条は、認定を受けた保護者が、認定した市町村以外の市町村に居住地を持つようになったと認められるときは、市町村が認定を取り消すことができると定めています。つまり、別居先が前と別の市町村なら、前の市町村で受けていた認定を引き継ぐのではなく、新しい居住地の市町村で改めて申し込む流れになります。

住民票の扱いが決まっていない段階では、窓口で次の二つを先に聞いてください。

  • 住民票を移す前でも、新しい住所で申込みを受け付けてもらえるか
  • 住民票の代わりに求められる書類(賃貸契約書、公共料金の領収書など)は何か

住民票を移す・移さないの判断は、手当や学校も絡むので別居で住民票を移す?移さない?手当・学校・安全で変わる判断で整理しています。児童手当の受給者の変更は別居中の児童手当・児童扶養手当:受け取る人の変更と申請に書きました。

保育を必要とする事由:別居で働き方が変わるとき

保育園に入るには、家庭で必要な保育を受けることが難しい事由が要ります。子ども・子育て支援法施行規則1条の5は、その事由を次のように挙げています。

事由 内容の要点
就労 月48時間から64時間までの範囲で市町村が定める時間以上、働くことが常態であること
妊娠・出産 妊娠中か、出産後間がないこと
疾病・障害 病気やけが、障害があること
介護・看護 同居の親族を常時介護・看護していること
求職活動 起業の準備を含む求職活動を継続的に行っていること
就学・職業訓練 学校に在学、または職業訓練を受けていること
虐待・DV 児童虐待のおそれがある、またはDVにより保育を行うことが困難と認められること

別居で収入が必要になった人にとって、とくに関係するのは「就労」と「求職活動」です。仕事がまだ決まっていなくても、求職活動を継続的に行っている段階であれば、事由に当てはまる可能性があります。ただし、認められる期間(求職の場合は何か月まで入園できるか)や、提出する書類は市町村ごとに異なります。窓口で「別居をきっかけに仕事を探していて、保育園を使いたい」と伝え、自分の場合の事由と期限を確認してください。

この条文は、事由に当てはまることを「保護者のいずれもが」の要件として書いています。別居中でまだ離婚していない場合に、もう一方の親を保護者としてどう数えるかは、市町村の窓口で決まる部分です。配偶者が働いているかどうかの扱いも含めて、別居中であることを伝えたうえで聞くのが近道です。

DVが理由の別居では、「虐待・DV」の事由が使えます。この場合は住所を相手に知られないための支援措置(総務省の制度)が関わるので、窓口で先に相談してください。危険が迫っているときは、保育の手続より先に、警察や配偶者暴力相談支援センターなどの窓口が優先です。

保育料は市町村が決める:世帯の市町村民税所得割で区分される

保育料(利用者負担額)の仕組みは、国が上限額を決め、その範囲で市町村が実際の額を決める形です。子ども・子育て支援法施行令4条は、国が定める上限額を、保護者と同一の世帯に属する人の市町村民税所得割の合算額(市町村民税所得割合算額)で区分しています。3歳未満の子どもについての上限額の区分を、いくつか示します。

別居で気になるのは、この「同一の世帯に属する人」に、別居中の配偶者が入るかどうかです。法令の言葉は世帯ですが、住民票上の世帯で見るのか、実際の生計で見るのかは、市町村によって運用が違います。年度の途中で別居した場合に、いつの時点から保育料の算定を切り替えるかも、窓口で決まります。国の施行令が決めるのは上限額の区分までなので、読者に関わるこの点は、次の質問を申込みの前に保育課で聞いて確かめます。

  1. 別居中で離婚が成立していない場合、保育料の算定に配偶者の所得は含まれるか
  2. 含まれない扱いにするために、別居を示す書類(賃貸契約書、住民票、別居の経緯を書いた申立書など)は何が必要か
  3. 離婚が成立したら、保育料はいつの月から見直されるか
  4. 養育費や婚姻費用を受け取っている場合、保育料の算定に影響するか
早見表:3歳未満の保育料の国の上限額(施行令4条2項、標準時間の例)
市町村民税所得割合算額 国の上限額(月額)
39万7千円以上 104,000円
30万1千円以上39万7千円未満 80,000円
16万9千円以上30万1千円未満 61,000円
9万7千円以上16万9千円未満 44,500円
それより低い区分 30,000円以下

これは国が定める上限で、実際に払う保育料は、市町村が上限の範囲内で決めます。保育短時間の認定を受けた場合は、各区分の上限が少し低く定められています。この表が当てはまるのは、3歳になった後の最初の3月31日までの子どもです。それより上の年齢(3歳になった後の最初の4月以降)の子どもは、施行令4条で国の上限額が0円と定められています。給食費など保育料以外の費用の扱いは、市町村の案内で確かめてください。

申込みの流れと、決まるまでの準備

実際の申込みは、次の順番になります。受付の時期や締切は市町村ごとに決まっているので、入園したい月から逆算して、早めに保育課へ問い合わせてください。

  1. 住む場所を決める(居住地の市町村が決まる)
  2. 市町村の保育課に、別居中であることと入園したい時期を伝える
  3. 保育の必要性の認定(支給認定)の申請書と、事由を示す書類を出す
  4. 市町村が希望の園と調整して、入園先が決まる
  5. 保育料の通知を受け取る

提出書類は、仕事の事由なら就労証明書、求職なら求職活動を示す書類が中心で、市町村の様式があります。選考の点数の付け方は市町村ごとに違うので、別居中の自分の状況がどう扱われるかも聞いてください。

別居を始める前の段階で、引っ越しの費用と時期を考えるなら別居のための部屋探しと引越し:収入が少ないときの手段が先に役立ちます。子どもが学齢期なら、離婚・別居で子供が転校するとき:手続きと学校への伝え方が手続の参考になります。別居の期間や、やり直しを考えながら暮らす場合の生活設計は、別居からの再構築:期間と会い方を決めてやり直すときの注意で扱います。

よくある質問

Q. 住民票を前の住所に置いたまま、別居先の近くの保育園に申し込めますか?

保育の認定を行うのは、保護者の居住地の市町村と法律で決まっています。住民票の住所と実際に暮らしている場所が違うときの扱いは、市町村ごとに書類の求め方が異なります。別居先の市町村の保育課に、住民票がまだ移っていないことを伝えて、必要な書類を聞いてください。

Q. 仕事を探している最中でも、保育園に申し込めますか?

国の施行規則は、保育を必要とする事由の一つに、求職活動(起業の準備を含む)を継続的に行っていることを挙げています。別居で収入を自分で確保する必要が出た人は、この事由で申し込める可能性があります。認められる期間や提出書類は市町村が定めるので、保育課で聞いてください。

Q. 別居中の配偶者の収入は、保育料に入りますか?

国が定める上限額の区分は、保護者と同一の世帯に属する人の市町村民税所得割を合算して決まります。別居中の配偶者がこの「世帯」に入るかどうかの扱いは、市町村によって運用が異なります。別居していることを申込みの前に伝えて、保育料の算定でどう扱うかを書面や窓口で聞いておくと安心です。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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