探偵・浮気調査の選び方と費用 / Q&A

浮気調査のクーリングオフと解約:解約料でもめたときの相談先

この記事のもくじ
  1. 浮気調査はクーリング・オフできる?契約のしかたで分かれます
  2. クーリング・オフが使えるときは、どう通知すればいい?
  3. クーリング・オフが使えないとき、解約料はどう考える?
  4. 解約料でもめたときは、どこに相談すればいい?

浮気調査の契約でクーリング・オフが使えるのは、業者の側から訪問や電話で勧誘されて契約した場合が中心です。自分でサイトを見て電話やフォームで申し込んだ契約や、自分から探偵事務所に出向いて結んだ契約では、使えないことが多くなります。使えない場合でも、解約料のうち事業者に生じる平均的な損害を超える部分は無効とする消費者契約法9条1項1号や、うその説明による契約の取消しがあります。どれに当たるか迷ったら、消費者ホットライン188に相談してください。

浮気調査はクーリング・オフできる?契約のしかたで分かれます

探偵業法には、クーリング・オフや解約料の上限の決まりがありません。そのため、特定商取引法(特商法)と消費者契約法で考えます。浮気調査の契約がどの形に当たるかで、答えが変わります。

契約のしかた クーリング・オフ 根拠
業者から勧誘されて、自宅・職場などで契約した 使える(書面を受け取った日から8日) 特商法2条1項1号・9条
喫茶店・ホテルのロビーなどで会って契約した 勧誘の経緯で変わる。契約書面を持って188で確かめる 特商法2条1項1号
業者から電話で勧誘され、電話・郵便・FAXなどで契約した 使える(書面を受け取った日から8日) 特商法2条3項・24条
自分から「契約したいので自宅に来てほしい」と頼んで契約した 原則として使えない 特商法26条6項1号
自分でサイトを見て、電話・メール・フォームで申し込んだ 使えない(通信販売。返品の決まりも調査のような役務には当てはまらない) 特商法2条2項・15条の3
自分で探偵事務所(営業所)に出向いて契約した 原則として使えない(営業所での契約は訪問販売に当たらない) 特商法2条1項1号

国民生活センターは「通信販売にクーリング・オフ制度はありません」と案内しています。浮気調査は、ネットの広告を見て自分から問い合わせ、事務所や喫茶店で面談して契約する流れが多いので、どこで・どちらから声をかけて契約したかを、まず書き出してください。喫茶店での契約や、見積もりのつもりで自宅に呼んだ場合の扱いは事情で変わるので、188で相談するときにその経緯を伝えます。

会社の経営者が会社の名前で依頼したなど、営業のための契約は、クーリング・オフの対象から外れます(特商法26条1項1号)。

クーリング・オフが使えるときは、どう通知すればいい?

使える契約なら、契約書面などを受け取った日を1日目として8日以内に、書面か電磁的記録(メールなど)で通知します。通知は出した時点で効力が生じるので、8日以内に発信していれば間に合います。国民生活センターの案内によると、2022年6月1日からメールなどでの通知もできるようになりました。

  1. 通知の文を書く:契約日、契約の内容、金額、業者名を書き、契約を解除すると書きます。
  2. 送り方を選ぶ:はがきなら両面をコピーしてから、特定記録郵便か簡易書留で業者の代表者あてに送ります。メールなら送信した画面を保存します。
  3. クレジット払いなら、カード会社にも通知する:支払いにクレジット契約を使っていれば、同じ時期にカード会社にも知らせます。
  4. 控えを保管する:通知の写しや記録は、少なくとも5年は保管しておくよう国民生活センターはすすめています。

文例(はがき・メール):「契約解除通知 次の契約を解除します。契約年月日:○年○月○日、契約内容:浮気調査、契約金額:○円、事業者名:○○、担当者:○○。支払った金額○円を返金してください。○年○月○日 氏名」

クーリング・オフをすると、業者は解約料や損害賠償を請求できず、すでに調査を始めていても、その対価は請求できません。受け取ったお金は速やかに返すことになっています(特商法9条・24条)。業者がうその説明や脅しでクーリング・オフを妨げ、期間が過ぎてしまった場合は、改めて書面を受け取ってから8日を過ぎるまで通知できます。

解約したいときの分かれ道
  1. 業者から訪問・電話で勧誘されて契約した → 書面を受け取って8日以内ならクーリング・オフの通知
  2. 自分から申し込んだ・事務所で契約した → 契約書面の解除の定めを読む
  3. 解約料が高いと感じる → 算定の根拠を書面で求める(消費者契約法9条)
  4. うその説明・帰してもらえない勧誘があった → 取消しを検討(消費者契約法4条)
  5. どれか分からない・業者が応じない → 消費者ホットライン188 → 弁護士

クーリング・オフが使えないとき、解約料はどう考える?

まず、契約書面の「契約の解除に関する定め」と、契約前に受け取った重要事項説明書の「契約の解除に関する事項」を並べて読みます。どちらも探偵業法8条で業者が書面に書くことになっている項目です。書面の見方は探偵と契約する前のチェックリストにまとめています。

そのうえで、解約料が高すぎると感じたときに関係するのが、消費者契約法の次の決まりです。

  • 平均的な損害を超える部分は無効(9条1項1号):解約料や違約金のうち、同じ種類の契約が解約されたときにその事業者に生じる平均的な損害の額を超える部分は無効です。無効になるのは超えた部分だけで、解約料がゼロになるわけではありません。
  • 平均的な損害はその事業者の数字:消費者庁の逐条解説は、業界の相場ではなく、その事業者の同種の契約での平均と説明しています。解約の時期によって判断が変わることもあり、着手の前か後かは大きな分かれ目になります。
  • 根拠の説明を求められる(9条2項):事業者は、消費者から求められたら、解約料の算定の根拠の概要を説明するよう努めることになっています。努力義務ですが、説明を求めること自体が交渉の出発点になります。
  • 立証の負担は消費者側に寄りやすい:逐条解説によると、最高裁(平成18年11月27日判決、大学の学納金の事件)は、平均的な損害を超えることの立証責任は基本的に消費者側にあるとしました。法律上は無効と言える部分があっても、取り戻すには話し合いやあっせん、裁判が要るのが実際です。
  • 一方的に不利な条項(10条):「どんな理由でも途中解約できない」のように、消費者の利益を一方的に害する条項は無効になりうるとされています。

解約料の根拠を求めるときは、次のように書面かメールで聞きます。

文例:「○年○月○日に契約した浮気調査を解約します。ご請求の解約料○円について、算定の根拠の概要をご説明ください。着手前・着手後の区分と、すでに行った調査の日時・時間もあわせてお示しください。」

勧誘の仕方に問題があった場合は、契約そのものを取り消せる可能性もあります。うその説明(4条1項1号)、成功を言い切るような断定的な説明(同項2号)、帰ってほしいと言っても帰らない・帰してくれない勧誘(4条3項)などです。取消しは、誤解や困惑に気づいた時から1年、契約から5年までにする必要があります(7条)。契約前に気づける勧誘のサインは悪徳な探偵を避けるにはで一覧にしています。

解約料でもめたときは、どこに相談すればいい?

相談先は、話の大きさに合わせて次の順番で考えると、無駄が少なくなります。

順番 相談先 できること 使う場面
1 消費者ホットライン188 郵便番号などを入れると、近くの消費生活センターなどを案内 何から始めればよいか分からないとき
2 消費生活センター 助言と、事業者との間に入るあっせん(無料) クーリング・オフや解約料の当てはめを聞きたい、業者と話がかみ合わない
3 弁護士(費用が心配なら法テラスも) 代理での交渉、裁判 金額が大きい、業者が応じない、訴えると言われた

188は相談は無料ですが、窓口につながった時点から通話料がかかります。話し中でつながらないときは、国民生活センターの平日バックアップ相談(03-3446-0999、平日10時〜16時)も使えます。近くのセンターを自分で探すなら、国民生活センターの「全国の消費生活センター等」の一覧が使えます。法テラスや弁護士会の窓口の番号は浮気・不倫の相談先一覧にまとめています。

請求額が140万円以下の民事の争いなら、簡易裁判所での代理などの認定を受けた司法書士(認定司法書士)が代理できる場合もあります(司法書士法3条、裁判所法33条)。一方で、解約や返金の交渉を、弁護士でない業者に報酬を払って頼むのは避けてください。調査の結果が出なかったときの費用の扱いは浮気調査で証拠が取れないときはで、探偵と弁護士のどちらに何を頼むかは次の浮気調査は探偵と弁護士のどちらに先に相談する?で扱っています。

よくある質問

Q. 調査がもう始まっていても、クーリング・オフできますか?

クーリング・オフが使える契約(業者からの訪問や電話の勧誘による契約)なら、期間内であれば調査が始まっていても契約を解除でき、業者はすでに行った調査の対価も請求できないと特定商取引法に定められています。使えない契約の場合は、契約書面の解除の定めと消費者契約法9条で考えることになります。

Q. 解約料を払わないと「訴える」と言われました。

支払いを止める前に、契約書面、見積もり、やり取りの記録をそろえて、消費者ホットライン188に相談してください。消費生活センターは事業者との間に入るあっせんをしてくれることがあります。相手が裁判を起こすと言っている、金額が大きいといった場合は、弁護士に相談して対応を決めます。

Q. 解約料について、ほかの探偵業者が「取り戻してあげる」と言ってきました。

弁護士でない者が報酬を得る目的で返金や解約の交渉を引き受けることは、弁護士法72条との関係で問題になります。国民生活センターも2016年の注意喚起(アダルトサイト関連の探偵業者についてのもの)で、弁護士などの資格がなければ返金の交渉はできないと呼びかけています。交渉が要るなら、相談先は消費生活センターか弁護士です。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

悪徳な探偵を避けるには:契約を急がせる・書面がないなどの注意サイン

探偵と契約する前のチェックリスト:重要事項説明の書面で見る全項目

浮気調査は探偵と弁護士のどちらに先に相談する?役割の違いと順番

浮気調査で証拠が取れないときは:費用の扱い・次の調査・考え直すこと