浮気・不倫が原因の離婚 / Q&A

離婚の公正証書の費用:公証人手数料の決まり方と必要書類

この記事のもくじ
  1. 離婚の公正証書の費用:3つの合計で決まる
  2. 手数料の表(2025年10月1日改定後)
  3. 養育費は5年分で数える:離婚特有の決まり
  4. 計算例:養育費と慰謝料を入れた場合
  5. 必要書類とその取得費
  6. 費用を見積もる手順

離婚の公正証書の費用は、公証人手数料が数千円から数万円、これに戸籍謄本などの書類の取得費が加わります。手数料は、養育費・慰謝料・財産分与の金額(目的の価額)から表で決まり、養育費は最長でも5年分で数える決まりがあります。2025年10月1日に表が改定されたので、古いサイトの金額をそのまま使わないでください。この記事で、手数料の決まり方と計算の手順を示します。

離婚の公正証書の費用:3つの合計で決まる

費用は次の3つを足したものです。

費用 内容 根拠
基本の手数料 取り決めの金額に応じて表で決まる。法律行為ごとに計算して合計 手数料令9条・別表、23条
枚数による加算 証書が一定の枚数を超えると、超えた1枚ごとに300円 手数料令25条
正本・謄本の交付 紙は1枚300円、電子データは1件2,500円 手数料令40条・40条の2

このほか、強制執行に進むときは、執行文の付与(2,000円)、執行証書の正本の送達(1,600円)、送達証明(300円)がかかります。送達に要する郵便料は実費です。強制執行まで進まなければ、これらは不要です。手順の全体は離婚公正証書の作り方:公証役場での流れと強制執行できる条項で読めます。

手数料の表(2025年10月1日改定後)

2025年10月1日以降の嘱託に適用される、基本の手数料です(公証人手数料令9条・別表、日本公証人連合会「手数料」)。

表:法律行為の目的の価額と手数料
目的の価額 手数料
50万円以下 3,000円
50万円超〜100万円以下 5,000円
100万円超〜200万円以下 7,000円
200万円超〜500万円以下 13,000円
500万円超〜1,000万円以下 20,000円
1,000万円超〜3,000万円以下 26,000円
3,000万円超〜5,000万円以下 33,000円
5,000万円超〜1億円以下 49,000円

1億円を超える部分の加算もありますが、離婚の取り決めで届く金額はまれなので省きます。2025年9月以前の表は、100万円以下が5,000円、500万円以下が11,000円など、いまと金額が違います。民間のサイトには旧表が残っているため、表を見たときは改定後の日付があるかを確かめてください。

養育費は5年分で数える:離婚特有の決まり

離婚の公正証書で迷いやすいのが、「取り決めの金額」の数え方です。

  • 養育費:毎月払う定期の給付なので、全期間の総額で数えますが、「子の監護に要する費用の分担についての定め」は5年分を超えないことになっています(手数料令13条)。10年払う約束でも、5年分で数えます。
  • 慰謝料・財産分与:養育費とは別の法律行為として数え、合計します(日本公証人連合会)。
  • 附帯する違約金・損害賠償:主な約束に付随するものは、目的の価額に入れません(手数料令15条)。

月額ごとの早見表です(子の年齢が低く、5年を超えて払う約束の場合。筆者の計算)。

養育費の月額 5年分(60か月) 基本の手数料
8,000円 48万円 3,000円
1万円 60万円 5,000円
2万円 120万円 7,000円
3万円 180万円 7,000円
4万円 240万円 13,000円
5万円 300万円 13,000円
8万円 480万円 13,000円
9万円 540万円 20,000円

子が高校生で、あと3年で支払いが終わる場合は、5年分でなく実際の総額(月5万円なら36か月で180万円)で数え、手数料は7,000円になります。

計算例:養育費と慰謝料を入れた場合

次は、筆者の計算による例です。最終の金額は、公証役場の見積もりで確かめてください。

条件:養育費は月4万円で子が20歳になるまで(5年を超える)。浮気の慰謝料150万円を一括で支払う約束。

項目 計算 金額
養育費 4万円×60か月=240万円(200万円超500万円以下) 13,000円
慰謝料 150万円(100万円超200万円以下) 7,000円
基本の手数料の合計 20,000円
枚数加算 出力が6枚だった場合、3枚を超える3枚分×300円 900円
正本(紙)の交付 6枚×300円を、夫と妻で各1通受け取る場合(2通分) 3,600円
合計の目安 24,500円

慰謝料と財産分与を同じ書面に入れる場合の数え方は、事案で変わるので、このような例に並べていません。公証役場に条項の案を見せて、見積もりを出してもらうのがいちばん確かめやすい方法です。電子データで受け取れば、正本の費用は1件2,500円になります。

必要書類とその取得費

離婚給付契約の公正証書で、日本公証人連合会が示している主な書類は次のとおりです。

  • 戸籍謄本(離婚前は現在の戸籍、離婚後は双方の離婚後の戸籍)
  • 財産分与で不動産を渡す場合は、登記簿謄本と、固定資産税の納税通知書または評価証明書
  • 年金分割を入れる場合は、年金番号が分かる書類
  • 本人確認の書類(印鑑登録証明書と実印、運転免許証と認印、マイナンバーカードと認印など)

戸籍謄本や印鑑登録証明書の発行手数料は市区町村ごとに違うため、金額はここに書きません。印鑑登録証明書は発行後3か月以内のものに限られます。代理人が行く場合は、委任状(白紙は不可)などが加わります。書類は役場によって追加を求められることがあります。

費用を見積もる手順

  1. 養育費の月額と期間、慰謝料、財産分与の金額の案を作る。
  2. 上の表で手数料を概算し、書面の枚数の見込みを加える。
  3. 公証役場に連絡し、条項の案を示して見積もりを依頼する(相談は無料)。
  4. 協議書の案を専門家に整えてもらう場合は、別に費用がかかる。行政書士に頼むか弁護士に頼むかで頼める範囲が違うため、離婚協議書は行政書士と弁護士のどちらに頼む?できることの違いを読んでから料金表で比べてください。

公証人手数料は離婚届の提出に関する費用ではありません。離婚届の出し方は離婚届の書き方と出し方:証人・親権の欄で注意することにあります。

よくある質問

Q. 公証役場に相談するだけで費用はかかりますか?

公証業務の相談は無料と日本公証人連合会が案内しています。手数料がかかるのは、公正証書を作成した後です。公証人手数料令4条は、公証人は事務を完了した後でなければ手数料の支払いを請求できないと定めています(嘱託人の請求で取りやめた場合などを除く)。概算額の予納を求められることもあるので、予約の際に聞いてください。

Q. 手数料は夫と妻のどちらが払いますか?

公証役場に対しては、嘱託人が2人以上なら連帯して払う義務を負います(手数料令2条)。夫婦のどちらが負担するか、折半にするかは、夫婦の間で決めてよく、離婚協議書の案に書いておくと作成の日にもめません。慰謝料を払う側が負担する、といった決め方もあります。

Q. 費用が払えないときは、猶予してもらえますか?

市町村長の証明書などで支払いの資力がないことを示せるときは、手数料の全部または一部の支払いを猶予できる定めがあります(手数料令5条)。実際に使えるかは公証人の判断になるので、事前に公証役場に相談してください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

離婚公正証書の作り方:公証役場での流れと強制執行できる条項

離婚協議書の書き方:浮気の慰謝料・養育費・財産分与の条項の例

離婚届の書き方と出し方:証人・親権の欄で注意すること