探偵に話した個人情報は守られる?秘密保持の決まりと確かめ方
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探偵に話した相談内容は、探偵業法10条1項で「業務上知り得た人の秘密」として、正当な理由なく漏らすことが禁じられています。業者で働く人が辞めた後も同じです。さらに10条2項は、調査で作った・手に入れた書類や写真、データの不正・不当な利用を防ぐ措置を業者に義務づけ、個人情報保護法も、業者が顧客の情報を名簿やデータベースで管理していれば安全管理や第三者への提供の制限を求めています。ただし、秘密を漏らしたこと自体への罰則は探偵業法にはなく、行政の処分で正される仕組みです。だからこそ、扱いを契約前の書面で確かめておくことが大切になります。
探偵に話した情報を守る決まりは2つの法律にある
探偵に渡す情報には、自分のこと(名前・連絡先・家庭の事情)と、配偶者や不倫相手と思われる人のこと(名前・写真・行動の傾向)の両方が含まれます。これを守る決まりは、探偵業法と個人情報保護法の2本立てです。
| 決まり | 中身 | 依頼者が確かめる場所 |
|---|---|---|
| 探偵業法10条1項 | 業者で働く人は、業務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らさない。辞めた後も同じ | 契約前の書面の「秘密の保持等」の説明(8条1項4号) |
| 探偵業法10条2項 | 調査の書類・写真・電子データの不正・不当な利用を防ぐ措置をとる | 同上。保管の方法を口頭でも聞く |
| 探偵業法8条1項3号 | 個人情報保護法などの法令を守ることを書面で説明する | 契約前の書面 |
| 探偵業法8条1項9号・2項8号 | 資料の処分に関することを説明し、定めがあれば契約書面に書く | 契約前・契約後の書面の「資料の処分」 |
| 探偵業法9条2項・8条1項6号 | 調査を任せる相手は探偵業者に限る。委託の有無を説明する | 契約前の書面の「委託に関する事項」 |
| 個人情報保護法21条2項 | 書面で本人の情報を受け取るとき、前もって利用目的を明示する | 相談フォーム・申込書の利用目的の表示 |
| 個人情報保護法23条・27条 | 漏えいなどを防ぐ安全管理措置をとる。本人の同意なく第三者に渡さない(法令に基づく場合などを除く) | プライバシーポリシー |
| 個人情報保護法33条・35条 | 本人は自分の保有個人データの開示や、違反がある場合の利用停止・消去を求められる | 問い合わせ窓口の案内(32条で本人が知りうる状態にする事項) |
個人情報保護法の対象になる「個人情報取扱事業者」は、個人情報を検索できるように整理した集まり(個人情報データベース等)を事業に使っている者です(16条2項)。顧客の情報をパソコンで管理している業者であれば、規模にかかわらずこの決まりの対象と考えてよいでしょう。
守秘義務の範囲と限界:罰則・処分・委託先
探偵業法10条1項に違反して秘密を漏らしても、探偵業法の罰則(17条から21条)には、この違反をそのまま罰する規定がありません。代わりに、法律違反があって業務の適正な運営が害されるおそれがあるときは、公安委員会が必要な措置を指示でき(14条)、著しく害されるおそれがあるときや指示に従わないときは、営業所ごとに6か月以内の営業停止を命じられます(15条)。警察庁によると、一定の行政処分を受けた業者は、各都道府県警察や公安委員会のサイトで処分の日から3年間公表されます。
「漏らせば刑事罰がある」と思い込まず、行政の監督と契約の中身の両方で守る仕組みだと理解しておくと、確かめるべき点が見えてきます。秘密が漏れて損害を受けた場合に賠償を求めるかどうかは民事の話になるので、その段階では弁護士に相談してください。
もう一つの限界は、情報が業者の外に出る場面です。調査を別の業者に任せる場合、その相手にもこちらの情報が渡ります。探偵業法9条2項は、探偵業務を探偵業者以外に委託することを禁じていますが、委託そのものは禁じていません。契約前の書面の「委託に関する事項」で、委託があるかどうか、あればどこに何を任せるのかを確かめてください。
契約前に確かめる5つのこと
秘密の扱いは、口頭の「大丈夫です」ではなく、書面と具体的な答えで確かめます。
- 秘密保持の説明:契約前の書面に、10条の秘密の保持等の説明があるか
- 委託の有無:調査を他の業者に任せることがあるか。あれば委託先が探偵業者か、何の情報を渡すのか
- 資料の処分:報告の後、写真・動画・メモ・こちらが渡した資料を返すのか消すのか、いつまでに、どう知らせるのか
- 個人情報の利用目的と問い合わせ先:相談で渡した情報を何に使うのか、営業の連絡に使わないか、開示や削除を求める窓口はどこか
- 連絡と郵送の方法:自宅に封書や請求書が届かないか、電話をかけてよい時間、報告書の受け取り方
文例(契約前の質問):「家族に知られたくないので、連絡はこの携帯のメールだけにしてください。郵送物は送らないでください。報告書を受け取った後、こちらが渡した写真と調査の写真・動画は、何日以内に、どう処分していただけますか。処分したことは書面で知らせてもらえますか。」
資料の処分の決め方は探偵の調査資料は調査後どうなるか:写真などの処分を契約で決めておくで詳しく扱っています。名前を出す前の段階でできることは探偵に名前を出さずに相談できるか:匿名相談で伝えること・伏せることを、業者を比べるときの基準は浮気調査のおすすめの探偵を選ぶ基準:ランキングに頼らない比べ方を見てください。
報告書を受け取った後は、依頼者が情報を守る側になる
調査が終わって報告書を受け取ると、そこには配偶者や不倫相手と思われる人の行動、写真、場所が細かく書かれています。探偵業法10条2項は業者の義務なので、受け取った後の扱いは依頼者自身の責任です。
- 見せる相手は、弁護士など、目的に必要な人に絞る
- 家族のパソコンや共用のクラウドに保存しない。保存の方法は浮気の証拠の保管方法:配偶者に見つからず消えない残し方を参考にする
- 職場やSNSに出さない
不倫相手の職場やSNSに事実を知らせると、その内容が本当であっても名誉毀損の問題になりえます(刑法230条は「その事実の有無にかかわらず」と定めています)。せっかくの報告書が、自分が責任を問われる材料にならないように、集めた後の線は浮気の証拠集めで違法になりうることで確かめておいてください。
漏れたかもしれないときの相談先
探偵に話したことが外に漏れたのではないかと感じたら、次の順番で動きます。
- 業者に書面で事実を確かめる:いつ、誰に、何が伝わった可能性があるのかを、メールなど記録が残る方法で問い合わせる
- 自分の情報の開示を求める:個人情報保護法33条により、業者が持っている自分の保有個人データの開示を請求できる。違反がある場合は利用停止や消去を求められる(35条)
- 個人情報保護委員会の「個人情報保護法相談ダイヤル」に相談する:03-6457-9849(受付は9時30分〜17時30分、土日祝日と年末年始を除く)。ガイドラインやQ&Aに沿った助言をする窓口で、違法かどうかの判断はしない、と案内されている
- 探偵業法の違反が疑われるとき:公安委員会には業者への報告の求め・立入検査・指示の権限がある(13条・14条)。営業所のある都道府県の警察の探偵業の担当に事情を伝えることを考える
- 損害の賠償を求めたいとき、契約を解約したいとき:賠償は弁護士へ。解約や返金でもめたら消費者ホットライン(188)で消費生活センターにつないでもらう。解約の考え方は浮気調査のクーリングオフと解約:解約料でもめたときの相談先にある
探偵の仕組み全体と、選ぶときの確認点は浮気調査とは:探偵に頼む流れ・費用の仕組み・選ぶときの確認点で見渡せます。自分で調べるか探偵に頼むかを迷っている場合は、次の浮気調査は自分でやるか探偵に頼むか:費用・リスク・証拠の質の比較へ進んでください。
よくある質問
Q. 探偵が、調べている配偶者に依頼者のことを話してしまうことはありませんか?
探偵業法10条1項は、業者で働く人が業務上知り得た人の秘密を、正当な理由なく漏らすことを禁じています。依頼者の名前や相談の中身はこの秘密にあたると考えられます。そのうえで、調査中に相手に接触するかどうか、気づかれたときにどう動くかを、契約前に業者に聞いておくと安心です。
Q. 調査が終わったら、話した内容や写真のデータは消してもらえますか?
探偵業法は、資料を消す時期を一律には決めていません。その代わり、資料の処分に関することを契約前の書面で説明し、契約後の書面にも定めがあれば書くよう求めています。消してほしいなら、契約の段階で「報告後に何日以内に消すか」「消したことをどう知らせるか」を決めておくのが確かです。
Q. 小さな探偵事務所でも、個人情報保護法の決まりは守らないといけませんか?
個人情報保護法は、個人情報を検索できるように整理した名簿やデータベースを事業に使っている者を「個人情報取扱事業者」としており、事業の規模で外す定めは置いていません。顧客の情報をパソコンなどで管理している事務所は、規模にかかわらず安全管理措置や第三者提供の制限の対象と考えてよいでしょう。
出典・参考にした公的な情報
- 探偵業の業務の適正化に関する法律 第8条・第9条・第10条・第14条・第15条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 探偵業について(探偵業の業務の適正化に関する法律の概要)(警察庁)
- 個人情報の保護に関する法律 第16条・第21条・第23条・第26条・第27条・第32条・第33条・第35条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 個人情報保護法相談ダイヤル(個人情報保護委員会)
- 刑法 第230条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。