不倫の謝罪文の書き方:した側が書くときに入れること・避けること
不倫の謝罪文は、許してもらうための文章ではなく、自分がしたことと、相手を深く傷つけたことを、言い訳をせずに認める文章です。入れるのは、①したことを具体的に認める、②相手が受けた傷を自分の言葉で書く、③不倫相手との関係を終わらせたことと、その方法、④これからの行動、⑤返事を急がせない一文、の5つです。「寂しかったから」「あなたにも原因がある」といった言い訳や、「傷つけたならごめん」という条件付きの謝罪、不倫相手をかばう・悪く言う表現は、それだけで謝罪全体を台無しにします。
不倫の謝罪文に入れる5つの要素
謝罪文の中身は、長さより順番と具体さで決まります。5つの要素ごとに、書く例と書かない例を並べました。
| 要素 | 書く例 | 書かない例 |
|---|---|---|
| ①したことを認める | 「○年○月から○月まで、職場の人と不倫関係にありました」 | 「いろいろあって」「軽い気持ちで」 |
| ②相手の傷を書く | 「あなたの信頼を裏切り、眠れない夜を過ごさせました」 | 「つらい思いをさせたかもしれない」 |
| ③関係を終わらせた | 「○月○日に別れを伝え、連絡先をすべて消しました」 | 「もう終わったから大丈夫」 |
| ④これからの行動 | 「帰りが遅くなる日は、理由と帰る時間を先に伝えます」 | 「二度としないから信じて」 |
| ⑤返事を急がせない | 「許してほしいとは言いません。答えはいつでもかまいません」 | 「これで許してくれるよね」 |
①では、何を、いつからいつまでしたのかを、自分の側から書きます。相手にすでに知られていることだけを認め、ほかは伏せる書き方は、後で別の事実が出てきたときに、謝罪文そのものが嘘だったことになります。一方で、性的な場面の描写は書きません。②では、相手がどう感じたかを推し量って「かもしれない」とぼかさず、自分が何を壊したのかを言い切ります。④は、守れる具体的な行動に絞ります。守れない約束を並べると、一つ破ったときに残りの言葉もすべて信用を失います。
謝罪文の例文(配偶者に宛てる全文)
次の例は、夫が妻に宛てて書く形です。妻から夫へ書く場合も、呼び方と出来事を入れ替えれば同じ組み立てで書けます。自分の出来事と言葉に置き換えて使ってください。
○○へ
私は、○年10月から○年3月まで、職場の同僚と不倫関係にありました。残業や出張と言って帰らなかった日の多くは、その人と会っていました。あなたに嘘をつき続け、家族として積み重ねてきた信頼を、私が自分で壊しました。
あなたが事実を知った夜から、眠れずに過ごしていることを知っています。子どもの前で普段どおりにふるまおうとしてくれていることも、私が背負わせた負担です。本当に申し訳ありません。
その人には、3月20日に、もう二人では会わないこと、私的な連絡はしないことを伝え、連絡先を消しました。職場で顔を合わせるので、仕事の連絡は会社のメールだけにし、二人きりにならないようにします。もし向こうから連絡があれば、隠さずにあなたに伝えます。
これからは、帰りが遅くなる日は理由と帰る時間を先に伝え、休日の予定もあなたと共有します。私の言葉をすぐに信じてもらえるとは思っていません。行動で示していくしかないと考えています。
許してほしいとは言いません。この先どうするかは、あなたが決めてください。答えを急ぐつもりはありません。話したいと思ったときは、いつでも時間をつくります。
○年○月○日 △△
例文の3段落目のように、不倫相手との関係を「どう終わらせたか」を具体的に書くと、相手が自分で確かめられる事実になります。別れの伝え方そのものに迷っているなら、不倫相手との別れ方:連絡の断ち方と別れ話でもめないための注意を先に読んでください。
避けたい表現と書き直し例
書いた本人に悪気がなくても、受け取る側には言い訳や責任のすり替えに読める表現があります。下書きを読み返して、次の表に当てはまる文がないか確かめてください。
| 避けたい表現 | 受け取る側にどう読めるか | 書き直しの例 |
|---|---|---|
| 「傷つけたなら、ごめん」 | 傷つけたかどうかを相手に確かめさせている | 「あなたを深く傷つけました。ごめんなさい」 |
| 「魔が差した」「一度だけの過ち」 | したことを小さく見せようとしている | 「○か月にわたって関係を続けました」 |
| 「家に居場所がなかった」「寂しかった」 | 原因を相手や家庭に押しつけている | 理由は書かず、したことと責任だけを書く |
| 「向こうから誘われた」 | 責任を不倫相手に移している | 「断らずに関係を続けたのは私です」 |
| 「あの人は悪い人じゃない」 | 不倫相手をかばい、相手の気持ちより優先している | 不倫相手の人柄には触れない |
| 「もう二度としないから、許して」 | 許すことを求め、返事を迫っている | 「許してほしいとは言いません」 |
| 「全部話したから、もう聞かないで」 | 相手が知りたいことを封じている | 「聞きたいことがあれば、答えます」 |
ほかにも、自分がどれだけ苦しんだかを長く書く、不倫相手との思い出や気持ちを細かく書く、謝罪文の最後で今後の夫婦の話し合いの条件を出す、といった書き方は、相手が謝罪として読めなくなる原因になります。下書きを書いたら、一晩置いてから、相手の立場で読み直してください。
渡し方・タイミングと、渡した後のこと
謝罪文は、渡し方で受け取られ方が変わります。
- タイミング:発覚の直後に、相手が怒りの中にいるときに手紙を押しつけると、読まれないまま終わることがあります。最初は口で謝り、手紙は「書いたので、読める時に読んでほしい」と伝えて渡します。
- 目の前で読ませない:読んでいる間に横で反応を待つと、相手は自分の気持ちを整理できません。渡したらその場を離れます。
- 返事を求めない:読んだかどうか、どう思ったかを何度も聞かないようにします。
- 子どもの目に触れないようにする:手紙を家の中に置きっぱなしにせず、相手に直接渡します。
謝罪文に、慰謝料の額や離婚の条件、財産の分け方を書き込むのは避けてください。本人の署名か押印がある私文書は、本人が作ったものと推定されるので(民事訴訟法228条4項)、謝罪のつもりで書いた金額が、後で約束として扱われることがあります。支払いの義務を認める文は、時効の「承認」(民法152条)として扱われることもあります。お金や離婚の取り決めは、話し合いを経て別の書面にし、必要なら弁護士に相談してから決めます。相手から誓約書を求められたときは、浮気・不倫の誓約書の書き方で項目を確かめ、内容に迷う場合は不倫の誓約書や念書を書かされたときも参考にしてください。
謝罪文は、出発点にすぎません。手紙を受け取った後も相手の怒りや悲しみが続くのは自然なことで、謝罪の言葉と行動が一致しているかを、相手は時間をかけて見ていきます。受け取る側がどう感じるかは浮気の謝罪を受け入れられないとき:謝罪の言葉と行動を分けて見るで扱っています。誓約書を書いた後にまた約束を破ってしまった場合の重さは、浮気の誓約書に違反されたらを読むと、された側から見た状況が分かります。バレた直後に何から手をつけるかは不倫がバレたときにすること:謝罪・事実の整理・相談の順番にまとめています。
よくある質問
Q. 不倫の謝罪文は手書きでないといけませんか?
決まりはありません。手書きは時間をかけて書いたことが伝わりやすい一方、字の乱れや書き直しの跡が気になる人もいます。大事なのは、相手が落ち着いて読める形で、自分の言葉で書かれていることです。メッセージアプリで送るなら、長文を一度に送りつけず、「手紙を書いたので、読める時に読んでほしい」と先に伝えてから渡すほうが相手の負担が少なくなります。
Q. 謝罪文を何度書き直しても、受け取ってもらえないときはどうすればいいですか?
受け取らないこと自体が、今の相手の答えだと考えてください。書き直した手紙を何度も渡すと、謝罪より自分が許されたい気持ちが前に出てしまいます。手紙はいったん自分で保管し、連絡を断つ、約束を守るといった行動を続けながら、相手が読めると言う時を待ちます。相手の受け止め方については、謝罪を受け入れられない側の記事も参考になります。
Q. 謝罪文を書くと、慰謝料を請求されたときに不利になりますか?
本人の署名か押印がある私文書は、本人が作ったものと推定されるので(民事訴訟法228条4項)、謝罪文は、不倫の事実を認めた書面として扱われることがあります。ただ、事実を隠したまま謝っても謝罪にはなりません。気をつけたいのは、謝罪文の中に金額や離婚の条件を書き込まないことで、そうした取り決めは別の書面にし、必要なら弁護士に相談してから決めてください。
出典・参考にした公的な情報
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。