浮気・不倫の誓約書の書き方:入れる項目・文例・作るときの注意
この記事のもくじ
不倫の誓約書は、浮気をした配偶者が事実を認め、これからの約束を本人の署名で残す書面です。入れる項目は、①事実の確認、②謝罪、③不倫相手との関係を断つ約束、④再発を防ぐ具体的な約束、⑤約束を破ったときの取り決め、⑥日付と署名、の6つが基本の型になります。一方で、高額の違約金や「次に浮気したら離婚する」という約束、相手の自由を大きく縛る約束は、効力が問題になりやすい条項です。この記事では、そのまま写せる文例と、作るときの注意を示します。
不倫の誓約書に入れる6つの項目
誓約書に決まった書式はありません。何を入れるかは夫婦の自由ですが、後で読み返したときに「何を認め、何を約束したのか」が誰にでも分かる形にしておくことが大切です。
| 項目 | 書く内容 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| ①事実の確認 | 誰と、いつ頃から、どのような関係だったか | 本人が認めた範囲で書く。推測を足さない |
| ②謝罪 | 配偶者を傷つけたことへの謝罪 | 短くてよい。言い訳や相手を責める文を入れない |
| ③関係を断つ約束 | 不倫相手と会わない・連絡しない | 仕事などで避けられない接触の扱いも決めておく |
| ④再発防止の約束 | 帰宅・連絡・お金・スマホなどのルール | 守れたか確かめられる行動の形で書く |
| ⑤破ったときの取り決め | 話し合いの場を持つ、違約金を払う など | 違約金の額や離婚の約束は効力が問題になりやすい |
| ⑥日付・署名 | 作成日、本人の自筆の署名 | 受け取る側の署名欄も設けると、双方が内容を確認した形になる |
④の再発防止の約束は、夫婦の話し合いで決めたルールをそのまま書くのが自然です。話し合いの記録の残し方は浮気後の夫婦の話し合いシート:議題・決めたこと・次回を書く型で扱っています。
誓約書の文例(配偶者に書いてもらう場合)
次は、夫婦の間で、浮気をした側が書く誓約書の一般的な形の例です。○の部分を書き換え、自分たちの約束に合わない項目は削って使ってください。テンプレートとして無料で写してかまいません。
誓約書
私(○○○○)は、妻(夫)○○○○に対し、次のとおり誓約します。
第1条(事実の確認)私は、○年○月頃から○年○月頃までの間、○○○○さんと交際し、不貞な関係を持ったことを認めます。
第2条(謝罪)私は、この行為によって妻(夫)を深く傷つけたことを心から謝罪します。
第3条(関係の解消)私は、今後、○○○○さんと私的に会うこと、電話・メール・SNSなどで連絡を取ることをしません。業務上やむを得ず連絡を取る必要が生じたときは、その内容を妻(夫)に伝えます。
第4条(再発の防止)私は、次のことを守ります。(1)帰宅が午後○時を過ぎる日は、前日までに予定を伝えます。(2)○○○○さんから連絡があった場合は、その日のうちに妻(夫)に伝えます。(3)○○○○。
第5条(違反したとき)私がこの誓約に違反したときは、妻(夫)からの求めに応じて、今後の夫婦関係について話し合う場を持ちます。
○年○月○日 誓約者 住所 ○○○○ 氏名(自署)○○○○ 上記の内容を確認しました。 氏名(自署)○○○○
第5条は、違約金ではなく「話し合いの場を持つ」形にしています。違約金を入れたい場合の考え方は次の章で説明します。浮気相手に書いてもらう誓約書は、立場も項目も違うので浮気相手に誓約書を書いてもらうとき:接触禁止などの項目と無理強いの危うさを見てください。
効力が問題になりやすい条項:違約金・離婚の約束・自由を縛る約束
誓約書に何を書いてもよいわけではありません。次の3種類は、後で争いになったときに効力が問題になりやすい条項です。
- 違約金の条項:民法420条により、損害賠償の額を予定しておくこと自体は認められています。ただし民法90条があるため、相手の収入や事情に比べて極端に高い額は、内容によって無効とされるおそれがあります。入れるなら、額は弁護士に相談してから決めてください。
- 「次に浮気したら離婚する」という約束:協議離婚は届出で効力を生じるため(民法764条で739条を準用)、誓約書に書いただけでは離婚は成立しません。署名済みの離婚届を預かっても、相手は不受理申出ができます(戸籍法27条の2第3項)。破られたときに話し合う材料と考えるのが現実的です。
- 相手の自由を大きく縛る約束:「仕事を辞める」「給与の全額を渡す」などは、守り続けにくいうえ、民法90条との関係で効力が問題になります。公証人は法令に違反する事項について公正証書を作れないため(公証人法26条)、断られることもあります。
それぞれの効力の整理は浮気の誓約書に効力はある?違約金や離婚の約束が問題になる場面が正本です。このページでは、書き方を言い換える例だけを示します。
| 問題になりやすい形 | 言い換えた形の例 |
|---|---|
| 「違反したら1回につき○千万円を支払う」 | 「違反したら、妻(夫)からの求めに応じて話し合う。金額の取り決めは別に協議する」 |
| 「次に浮気したら離婚届を提出する」 | 「違反したときは、離婚を含めて今後の関係を話し合う」 |
| 「スマホを毎日すべて見せる」 | 「○か月間、求められたときは連絡の履歴を一緒に確認する。期間の終わりに見直す」 |
夫婦間の契約を取り消せるとしていた旧民法754条は、2026年4月1日施行の改正で削除されました。古い解説の読み方は浮気の誓約書に効力はある?にあります。
書いてもらうときの注意:無理強いしない・自筆で・保管する
誓約書は、本人が納得して書くことに意味があります。怒りが強い発覚直後に、夜通し問い詰めて書かせたり、「書かないなら会社にばらす」と迫ったりするのは避けてください。民法96条は強迫による意思表示を取り消せると定めており、害を加える旨を告げて脅し、義務のないことを行わせる行為は刑法223条(強要)が禁じています。脅して書かせた誓約書は、効力が争われるうえ、書かせた側が責任を問われる心配まで生じます。
書いてもらうときの手順は次のとおりです。
- 内容は話し合いで決めてから書く:その場で文案を突きつけるより、何回かの話し合いで決めた約束を書面にするほうが、守られやすくなります。
- 本文は印字でもよいが、日付と署名は自筆にする:誰が書いたかが後で争いにならないようにします。
- 受け取る側も確認の署名をする:双方が内容を読んだことを残せます。
- 原本は受け取る側が保管し、コピーを相手に渡す:原本は、相手の目に触れず、なくさない場所に置きます。写真やスキャンで控えも残します。
誓約書は、浮気の事実を本人が書面で認めた記録として、後で慰謝料や離婚を考えるときの資料の一つにもなります。そのため、事実の部分は推測で膨らませず、本人が認めた範囲にとどめることが大切です。
公正証書にしたいとき・約束を破られたとき
誓約書を公証役場で公正証書にすることも考えられます。日本公証人連合会の説明では、一定額の金銭を支払う合意と、払わないときは強制執行に服する旨の陳述が書かれていれば、裁判をしなくても強制執行ができます。一方で、接触しない約束のような金銭以外の約束は、公正証書にしても直接は強制執行できません。何を公正証書にできるかは浮気の誓約書を公正証書にできる?公証役場でできること・できないことで扱います。
約束が破られたときは、感情のままに動く前に、違反の事実を日付つきで記録し、違約金・慰謝料・離婚のどれを考えるのかを整理します。整理の順番は浮気の誓約書に違反されたら:違約金や離婚を考える前の整理で、念書との呼び方の違いは浮気の念書と誓約書の違いで説明しています。発覚から誓約書までの全体の流れは浮気が発覚したらどうする?当日・1週間・1か月の順番を見てください。
よくある質問
Q. 誓約書はパソコンで作ってもよいですか?
本文は印字でもかまいません。ただ、後で「自分が書いたものではない」「内容を読まずに署名させられた」と言われないよう、日付と署名は本人の自筆にし、できれば最後の一文(「以上を誓約します」など)も本人に手書きしてもらうと、本人の意思で書いたことが伝わりやすくなります。
Q. 誓約書を書いてもらうと、あとで慰謝料を請求できなくなりますか?
誓約書に「慰謝料は請求しない」「これですべて解決とする」といった文言を入れると、その内容によっては後で請求しにくくなるおそれがあります。再構築のための約束と、お金の精算とは分けて考え、精算の文言を入れるかどうかは弁護士に書面を見せて相談してから決めてください。
Q. 2026年4月より前は、夫婦間の約束は取り消せると聞きました。今はどうですか?
以前の民法754条は、夫婦間でした契約は婚姻中いつでも夫婦の一方から取り消せると定めていましたが、この条文は2026年4月1日施行の改正(令和6年法律第33号)で削除されました。ただ、誓約書の個々の約束がどう扱われるかは内容しだいなので、効力が気になる条項は[浮気の誓約書に効力はある?](/seiyakusho-kouryoku/)も参考にしてください。
出典・参考にした公的な情報
- 民法 第90条・第96条・第420条・第739条・第764条、および第754条(2026年4月1日施行の改正で削除。現行条文に存在しない)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)について(2026年4月1日施行)(法務省)
- 刑法 第223条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 戸籍法 第27条の2(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 公証人法 第26条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 離婚(公正証書)Q&A(日本公証人連合会)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。