発覚後の話し合いと誓約書 / Q&A

夫婦の話し合いの仲介を頼むなら誰?親・友人・専門家の違い

この記事のもくじ
  1. 夫婦の話し合いの仲介役は「決めたいこと」で選ぶ
  2. 親・友人に入ってもらうとき
  3. カウンセラーに入ってもらうとき
  4. 弁護士・調停委員に入ってもらうとき
  5. 仲介を頼んだ後に話し合いを進めるときのこつ

夫婦の話し合いの仲介を誰に頼むかは、その話し合いで何を決めたいかで選ぶと迷いにくくなります。気持ちを落ち着けて話す場がほしいならカウンセラー、身近な支えがほしいなら親や友人、慰謝料や財産分与などの条件を相手と詰めたいなら弁護士、中立の場で合意を目指したいなら家庭裁判所の調停委員が向いています。ただし、それぞれできることに限りがあり、浮気の後は頼む相手を誤ると話がこじれることもあります。この記事では5つの仲介役を比べ、頼むときの注意と文例を示します。

夫婦の話し合いの仲介役は「決めたいこと」で選ぶ

仲介役は大きく、身近な人(親・友人)、専門職(カウンセラー・弁護士)、公的な場(家庭裁判所の調停委員)の3種類に分かれます。違いを一度に見られるように表にしました。

比較表:夫婦の話し合いの仲介役ごとの違い
仲介役 できること 向く場面 気をつける点
親・義両親 話を聞く、場を設ける、生活の手助け 子どもの世話や当面の住まいの相談も含めたいとき 自分の子の味方になりやすい。親族間の対立に広がりうる
共通の友人 進行役として同席する、冷静になる時間を作る 2人とも信頼している人がいて、対立がまだ小さいとき 中立を保つ負担が大きい。話が交友関係に広がりうる
カウンセラー 双方の話を順番に聞き、気持ちや関係を整理する やり直すか迷っている、話すと喧嘩になる 法律上の条件(慰謝料・財産分与)の判断や交渉はしない
弁護士 依頼者の代理人として条件を交渉する、書面を作る 離婚の条件や慰謝料を具体的に詰めたい 依頼した側の立場に立つ。費用がかかる
調停委員(家庭裁判所) 双方から事情を聞き、解決案の提示や助言をする 相手が2人では話さないが、公的な場なら出てくる見込みがある 相手が出席しないと進まない。申立書の写しは相手に送られる

浮気の後に起きやすいのは、親に入ってもらったのに、結局どちらかの肩を持つ形になる行き違いです。誰に頼むにしても、最初に仲介役の役割を言葉にして伝えることが、こじれを防ぐいちばんの手立てになります。

親・友人に入ってもらうとき

親や共通の友人は、頼みやすく、費用もかからず、生活の手助けまで含めて相談できるのが長所です。一方で、浮気をした側の親は子をかばい、された側の親は怒りを強めがちで、話し合いが「家と家の争い」に変わることがあります。

身近な人に頼むときは、次の3つを先に決めておきます。

  1. 役割は進行役に限る:どちらが悪いかを判定する役ではなく、話す順番を守らせ、熱くなったら止める役だと伝えます。
  2. 双方が納得した人を選ぶ:片方の親だけを呼ぶと、もう片方は最初から不利な場だと受け取ります。双方の親に同席してもらうか、2人とも信頼している友人を選びます。
  3. 話した内容を広めない約束をする:浮気相手の名前や証拠の中身は、仲介役にも必要な範囲だけ伝えます。

文例:「来週の日曜に夫婦で話し合いをしたいので、同席してもらえないかな。どちらが悪いかを決めてほしいのではなくて、話が言い合いになったら止めてほしいのと、話した内容を最後に一緒に確認してほしい。聞いた話はほかの人には話さないでほしい」

なお、弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を扱うことを業とすることを禁じる条文で、親や友人が無償で夫婦の話し合いに同席することまで禁じるものではありません。親にどう伝えるかの考え方は浮気を親や義両親に伝える?伝える前に考えたいことと伝え方も参考にしてください。

カウンセラーに入ってもらうとき

カウンセラーは、双方の話を順番に聞いて、何がすれ違っているのかを言葉にしていく役です。やり直すか迷っている段階や、話すと喧嘩になる夫婦に向いています。

選ぶときに見ておきたいのは資格と秘密の扱いです。公認心理師は国家資格で、心理に関する相談に応じるだけでなく、その人の「関係者」への相談・助言も業務に含まれます(公認心理師法2条)。名称独占の資格で、「心理師」という文字を使えるのは公認心理師だけです(44条)。ただし業務独占ではないので、民間資格のカウンセラーが夫婦の相談を受けることもできます。公認心理師には法律上の秘密保持義務がありますが(41条)、民間資格には同じ規定がないため、話した内容の扱いを最初に聞いておきます。

カウンセラーは、慰謝料や財産分与といった法律上の条件を判断したり、相手と交渉したりする役ではありません。条件の話になったら弁護士に渡す、と分けて考えます。受け方や料金の見方は夫婦カウンセリングとは?と夫婦カウンセラーの資格の見方で扱っています。

弁護士・調停委員に入ってもらうとき

弁護士は、当事者の依頼を受けて法律事務を行う職業で(弁護士法3条)、相手との条件の交渉を代理できます。離婚するかどうか、慰謝料をどうするかといった条件を詰める段階では頼りになりますが、依頼した側の代理人として相手と話すのが基本の形です。夫婦2人のために中立の立場で進行する仲介役とは役割が違う、と理解しておきましょう。家庭裁判所の調停や審判で代理人になれるのも、原則として弁護士です(家事事件手続法22条)。相談の前に用意するものは弁護士に相談する前の準備:時系列メモと持ち物・聞くことの一覧にまとめています。

家庭裁判所の調停委員は、公的な場で中立に話を聞いてもらえる選択肢です。調停は裁判官1人と民間から選ばれた調停委員2人以上による調停委員会が進め、話し合いでの合意を目指します。関係を回復したいなら夫婦関係調整調停(円満)、離婚の条件を話し合うなら夫婦関係調整調停(離婚)を申し立てます。費用は収入印紙1,200円分と郵便切手です。合意が調書に記載されると調停が成立し、その記載には確定判決などと同じ効力が認められます(家事事件手続法268条)。

調停は相手が出席しないと進まないので、「2人では話さないが、裁判所からの呼び出しなら来る」という見込みがあるときに向いています。円満調停の申立てと注意点は夫婦で話し合いができないとき:第三者を入れる方法と円満調停という選択肢で扱いました。

仲介を頼んだ後に話し合いを進めるときのこつ

誰に頼んだ場合でも、仲介役に任せきりにしないことが大切です。次の点を自分たちで用意しておくと、限られた時間を有効に使えます。

  • 議題を事前に紙1枚にまとめて渡す:「今日決めたいこと」と「今日は決めないこと」を分けて書きます。
  • 事実の経緯は日付つきで整理しておく:仲介役が状況をつかむまでの時間を短くできます。
  • 終わったら決まったことを全員で読み合わせる:仲介役にも確認してもらうと、後の食い違いが減ります。

離婚を視野に入れた条件の話し合いに進む場合は、話し合う順番と抜けやすい項目を離婚の話し合いの進め方:浮気が原因のときに抜けやすい項目と順番で確かめてください。弁護士・司法書士・行政書士の頼める範囲の違いは弁護士・司法書士・行政書士の違いで整理しています。

よくある質問

Q. 行政書士に夫婦の話し合いの仲介を頼めますか?

行政書士の業務は、権利義務や事実証明に関する書類の作成などです(行政書士法1条の3・1条の4)。夫婦で合意した内容を書面にする段階では頼む選択肢がありますが、争いのある条件を相手と交渉したり調整したりするのは弁護士の側の仕事とされています。頼む前に、どこまでしてもらえるのかを確かめてください。

Q. 仲介をお願いした親が、話の途中で自分の子どもの味方をし始めたら?

その日の話し合いはいったん区切り、「今日は事実の確認までにして、次は別の人に入ってもらいたい」と伝えるのが穏当です。親を責める言い方をすると、親族どうしの対立に広がります。次の回は、利害のないカウンセラーや家庭裁判所の調停など、立場の離れた人に替えることを考えてください。

Q. 仲介を頼む費用はどのくらいかかりますか?

親や友人なら費用はかかりませんが、お礼や交通費の扱いは先に話しておくと気まずさが残りません。カウンセラーと弁護士は料金の決め方が事務所ごとに違うので、1回の時間・料金・追加の費用を書面か画面で見せてもらいます。家庭裁判所の円満調停は、収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手が実費です。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

夫婦で話し合いができないとき:第三者を入れる方法と円満調停という選択肢

離婚の話し合いの進め方:浮気が原因のときに抜けやすい項目と順番

夫婦カウンセリングとは?受ける流れ・相談先の種類・選ぶときの確認点

弁護士・司法書士・行政書士の違い:浮気・離婚で頼めることの範囲