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弁護士・司法書士・行政書士の違い:浮気・離婚で頼めることの範囲

この記事のもくじ
  1. 早見表:頼みたいことごとに、誰が何をできるか
  2. 弁護士:交渉と、裁判所の代理ができる
  3. 司法書士:書類の作成と、認定司法書士の140万円
  4. 行政書士:合意した内容を書面にするところまで
  5. 場面別の選び方

浮気や離婚で専門家に頼むとき、相手と交渉する・家庭裁判所の調停で代理人になるのは、弁護士の仕事です。司法書士は、裁判所に出す書類の作成を担い、「認定司法書士」なら争いの額が140万円以下の民事の交渉と簡易裁判所の手続を代理できます。行政書士は、離婚協議書や示談書のように、合意した内容を書面にする仕事までです。この記事では、法律の条文に沿って、頼める範囲の違いを表にします。

早見表:頼みたいことごとに、誰が何をできるか

条文から読み取れる範囲を、場面ごとにまとめます。表は「できる」「できない」の線を示すもので、個別の事案で頼めるかどうかの判断ではありません。

早見表:弁護士・司法書士・行政書士の業務範囲(浮気・離婚の場面)
頼みたいこと 弁護士 司法書士 行政書士
相手と慰謝料・離婚条件を交渉する(代理) できる 認定司法書士のみ。争いの額が140万円以下の民事紛争 できない(弁護士法72条の側)
離婚協議書・示談書を作る できる 3条1項に挙がっている書類は、法務局と裁判所・検察庁に出すもの。当事者間の協議書は挙がっていない(頼む前に扱うか確かめる) できる(権利義務の書類の作成)
離婚調停の申立書を作る できる できる(裁判所に出す書類の作成) できない
家庭裁判所の調停・審判で代理人になる できる できない できない
地方裁判所・簡易裁判所の訴訟で代理人になる できる 認定司法書士のみ、簡易裁判所の140万円以下 できない
財産分与で不動産の名義を変える(登記) できる できる(登記の代理) できない
相談に応じる できる 司法書士法3条1項5号の範囲 作成できる書類についての相談

表の根拠は次の節で示します。「できる」でも、その事務所が離婚や浮気の問題を扱っているかは別の話なので、依頼の前に確かめます。

弁護士:交渉と、裁判所の代理ができる

弁護士は、弁護士法3条により、訴訟事件・非訟事件など「その他一般の法律事務」を職務とします。浮気・離婚の場面では、次の2つが弁護士の中心です。

  • 相手との交渉の代理:慰謝料や離婚条件について、配偶者や不倫相手と話し合う
  • 家庭裁判所・地方裁判所の手続の代理:家事事件手続法22条は、弁護士でなければ手続代理人になれないと定めます(家庭裁判所の許可を得て弁護士でない人が代理人になる例外はありますが、一般的な選択肢ではありません)

弁護士法72条は、弁護士でない人が、報酬を得る目的で法律事件の交渉や代理を業とすることを禁じています。違反には2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の定めがあります。探偵や民間のカウンセラー、離婚サポートをうたう業者に交渉を頼むときは、相手が弁護士かどうかを先に確かめてください。個別の業者が違反かどうかは、このサイトでは判断できません。

司法書士:書類の作成と、認定司法書士の140万円

司法書士は、司法書士法3条1項により、登記・供託の手続の代理、法務局に出す書類の作成、裁判所・検察庁に出す書類の作成、それらについての相談を業とします。

離婚の場面で、司法書士にできることは次のとおりです。

  • 離婚調停の申立書など、家庭裁判所に出す書類の作成(4号)。作成であって、調停での代理ではありません。司法書士法73条は、司法書士でない人が3条1項1〜5号の業務をすることを禁じています(弁護士など別の法律に定めがある場合を除く)。行政書士が裁判所に出す書類の作成を業とできないのは、この規定があるためです
  • 財産分与で不動産の名義を変える登記の代理(1号)
  • 認定司法書士は、争いの額(紛争の目的の価額)が140万円以下の民事紛争について、相談に応じ、裁判外の和解(示談の交渉)を代理できます(7号)。簡易裁判所での訴訟の代理もできます(6号)

認定司法書士になるには、法務大臣が指定する研修を修了し、法務大臣の認定を受ける必要があります(2項)。認定の有無は、日本司法書士会連合会の「司法書士検索」で、簡裁代理権の有無として確かめられます。

140万円は、裁判所法33条が定める簡易裁判所の扱う額の線であり、慰謝料の目安や相場ではありません。請求する額(請求された額)が140万円を超えるなら弁護士に、迷うなら最初の相談で範囲を聞くのが安全な進め方です。離婚の話とからめて家庭裁判所で進める手続は、この範囲には入りません。不倫相手への慰謝料の請求や減額の場面は慰謝料請求は司法書士や行政書士にも頼める?で扱っています。

行政書士:合意した内容を書面にするところまで

行政書士は、行政書士法1条の3により、官公署に出す書類や、権利義務・事実証明に関する書類の作成を業とします。1条の4には、契約その他の書類を代理人として作成することや、作成できる書類の相談も挙げられています。離婚協議書、示談書、内容証明郵便の文面は、この「権利義務に関する書類」にあたります。

一方で、行政書士法は、他の法律で制限されている業務はできないと定めています(1条の3第2項)。弁護士法72条にあたる交渉や争いの調整は、その制限の側です。2026年1月1日施行の改正で、行政書士でない人が、報酬を得て行政書士の業務を行うことを禁じる規定(19条)に、「いかなる名目によるかを問わず」という言葉が加わりました。サポート料や会費などの名目で書類を作ってもらうときは、その書類が誰の名前で、どの資格者によって作られるのかを確かめてください。

行政書士を探すときは、日本行政書士会連合会の会員検索で、氏名や事務所の所在地、主な取扱い業務から探せます。取扱い業務の選択肢に「離婚」はなく、離婚協議書は「権利義務・事実証明」の書類にあたります。検索で絞ったあとは、その事務所が離婚協議書の作成を扱っているかを、事務所に直接確かめます。離婚協議書の頼み分けは離婚協議書は行政書士と弁護士のどちらに頼む?で具体的に比べています。

場面別の選び方

次の流れで、まず誰に聞くかを決められます。

  1. 相手と条件が決まっていて、書面にしたい → 行政書士、または弁護士
  2. 相手と交渉する必要がある、相手に弁護士がついている → 弁護士
  3. 請求する額が140万円以下で、訴訟まで見据える → 認定司法書士、または弁護士
  4. 離婚調停に進みそうで、代理人もほしい → 弁護士。書類だけなら司法書士、本人が自分で進める道もあります
  5. 家をどうするか、名義を変えたい → 登記は司法書士か弁護士

どれに当たるか迷うときは、弁護士会や法テラスの窓口で、どの専門家が合うかを聞くところから始められます。弁護士との相談の準備は弁護士に相談する前の準備に、家庭裁判所で手続の説明を受ける方法は家庭裁判所の手続案内とはにあります。窓口の番号は浮気・不倫の相談先一覧にまとめています。

よくある質問

Q. 行政書士に頼めば、相手との話し合いもしてもらえますか?

行政書士ができるのは、書類の作成と、官公署に出す手続の代理などです。相手と慰謝料や離婚の条件を交渉して争いを調整することは、弁護士法72条の側にあたり、行政書士法も弁護士法72条の事務に当たるものは除いています。合意できた内容を離婚協議書や示談書にするところから頼む、という使い方になります。

Q. 司法書士は離婚の調停にも付き添ってくれますか?

離婚調停の申立書など、家庭裁判所に出す書類を作ることは、司法書士法3条1項4号の業務です。ただし、調停での代理人になれるのは原則として弁護士で、司法書士の簡易裁判所での代理権は家庭裁判所には及びません。調停の当日に本人の代わりに話してもらうことは、司法書士にはできません。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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