法テラスとは?浮気・離婚の相談で使える無料相談と費用の立替えの条件
法テラス(日本司法支援センター)は、法的なトラブルの解決に役立つ制度や窓口を案内し、一定の条件を満たす人には無料の法律相談と弁護士費用の立替えを行う機関です。浮気や不倫、離婚の悩みで使えるのは、主に無料の法律相談と、依頼したあとの費用の立替えです。ただし、すべての人が無料で使えるわけではなく、収入と資産の条件があります。この記事では、法テラスの役割、条件、使えない場面、予約の流れを、総合法律支援法と法務省の案内で整理します。番号は浮気・不倫の相談先一覧にもあります。
法テラスの4つの役割
総合法律支援法30条が、法テラスの業務を定めています。浮気や離婚の悩みに関わる部分を、次の4つに分けます。
| 役割 | 内容(総合法律支援法30条) | 浮気・離婚の悩みでの使いどころ |
|---|---|---|
| 情報提供 | 法による紛争解決の制度、弁護士・隣接する法律専門職の業務、弁護士会等の活動の情報提供 | 何から手をつけるか分からないとき |
| 法律相談 | 資力が乏しい人などへの、刑事を除く法律相談の実施 | 慰謝料、離婚、親権、養育費などの整理 |
| 費用の立替え | 代理人に支払う報酬と実費、裁判所に出す書類の作成費の立替え | 弁護士に依頼する着手金が用意できないとき |
| 被害防止の法律相談 | ストーカー行為、児童虐待、配偶者からの暴力を現に受けている疑いのある人の法律相談 | 暴力や脅しがあるとき |
初めて連絡する人は、法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、IP電話は03-6745-5600)が入口です。法務省は、オペレーターが内容に応じて案内すると説明しています。電話の受付は平日9時〜21時、土曜9時〜17時(祝日・年末年始を除く)です。ホームページのチャットとメールは24時間受け付けており、全国の地方事務所と支部の窓口では、平日9時〜17時に問い合わせを受け付けています。法テラスのページによると、オペレーターは個別の法律相談や法的判断を行わず、制度や手続の紹介と、法律相談の窓口の案内をします。利用料は0円ですが通話料がかかり、折り返しの電話はありません。自分の事情への法律の判断は、予約した無料法律相談で弁護士や司法書士に聞きます。
無料の法律相談が使える条件
法テラスのページは、無料法律相談を「経済的にお困りの方」が対象と説明し、予約のときに収入(手取りの平均月収。賞与を含む)と資産(現金・預貯金)を聞くとしています。条件を整理します。
- 収入と資産が基準以内であること。 基準は家族人数と住む地域で変わります。下の表は、2026年10月23日に法テラスのページで確かめた数字です。
- 収入と資産は、原則として本人と配偶者の合計で見る。 離婚のように配偶者が相手方となる事件では、本人の収入と資産だけで判断します。
- 1回30分、同一の問題について3回まで。 回数は問題ごとに数えます。1回で解決しなければ2回目を予約でき、別の弁護士に相談することもできます。
- 原則として事前の予約が必要。 電話のほか、相談場所によってはWebでも予約できます。初めての人は先にサポートダイヤルへ連絡します。
- 刑事事件の相談は対象外。 DVや児童虐待など犯罪の被害の相談は、法テラスの「犯罪の被害にあわれた方へ」のページから窓口を確かめます。
- 報復的な感情を満たすだけの場合や、権利濫用的な訴訟では使えない。(法務省広報誌「あかれんが」Vol.82の説明)
| 家族人数 | 収入(東京23区・大阪市など) | 収入(それ以外の地域) | 資産 |
|---|---|---|---|
| 1人 | 200,200円以下 | 182,000円以下 | 180万円以下 |
| 2人 | 276,100円以下 | 251,000円以下 | 250万円以下 |
| 3人 | 299,200円以下 | 272,000円以下 | 270万円以下 |
| 4人 | 328,900円以下 | 299,000円以下 | 300万円以下 |
5人以上の家族は、1人増えるごとに収入基準へ東京23区・大阪市などで33,000円、それ以外で30,000円が加わります。基準を超えていても、家賃や住宅ローン、医療費、教育費を払っているなどのやむを得ない事情があれば、基準を満たす可能性があると法テラスは説明しています。家賃・住宅ローンは、収入から人数ごとの限度額まで控除できます。たとえば2人家族で東京23区なら68,000円、それ以外の地域なら53,000円までです。
報復の条件は、浮気の悩みに関わります。「相手を懲らしめたい」という目的だけでは、対象になりません。一方、慰謝料や離婚の条件、親権、養育費など、自分の権利を実現する準備としての相談は、対象になりえます。使えるかどうかの判断は、法テラスが個別に行います。
費用の立替えの条件と、返すお金
弁護士や司法書士に依頼する段階の費用は、条件を満たすと法テラスが立て替えます。総合法律支援法30条1項2号は、民事裁判等手続で自己の権利を実現するための準備と追行に必要な費用を支払う資力がない人、または支払うことで生活に著しい支障が出る人を援助するため、次を立て替えると定めています。
- 代理人に支払う報酬と実費(民事裁判等手続に先立つ和解の交渉で、特に必要と認められるものを含む)
- 裁判所に提出する書類の作成を依頼して支払う報酬と実費
法テラスのページは、立替えを使える条件を3つ挙げています。
- 収入や資産が一定基準以下であること(無料法律相談と同じ表の基準です)
- 勝訴の見込みがないとはいえないこと(離婚等の請求なら、離婚が成立する見込みがあることなど)
- 民事法律扶助の趣旨に適すること(報復目的や自己宣伝、権利濫用的な訴訟、極端に訴額が少ない訴訟や回収の見込みがない場合は援助できない)
審査があり、事件の内容に応じて、立て替える金額と月々の返済額が決まります。立替えは贈与ではなく、返す必要があります。法テラスのページでは、分割払いで利息等はないとされています。「法テラスなら無料で弁護士に頼める」と考えると、依頼の段階で話がずれます。無料なのは条件を満たす人の法律相談、費用は立替え、と区別してください。
家庭裁判所の離婚調停で代理人になれるのは、原則として弁護士です(家事事件手続法22条)。調停の申立てには、収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手が別にかかります。これらが立替えの対象かどうかは、相談の場で聞きます。
使える場面と、向かない場面
| 場面 | 法テラスで使える部分 | 注意 |
|---|---|---|
| 離婚の条件(親権・養育費・財産分与)を整理したい | 無料の法律相談、弁護士費用の立替え | 収入と資産の基準がある |
| 不倫相手に慰謝料を請求したい | 法律相談。交渉の費用が立替えの対象かは個別の審査 | 「対象になる」とは言い切れない |
| 慰謝料を請求された | 法律相談を使えるか、予約の電話で聞く | 相談の趣旨が自分の権利を実現する準備かが見られる |
| 相手に仕返しをしたいだけ | 使えない | 報復的な感情を満たすだけの相談は対象外 |
| 暴力や脅しを受けている | 被害防止のための法律相談(30条1項5号) | 危険が迫っていれば110番が先 |
自分の収入が基準を超えていそうなときは、弁護士会の法律相談センターなど、条件を問わず有料で相談できる窓口もあります。無料で相談できる場の違いは弁護士の無料相談を使うにはで比べています。弁護士費用の払い方は弁護士費用が払えないときの選択肢にあります。
予約から相談までの流れと、電話で聞くこと
- サポートダイヤルかチャットで連絡し、悩みを一言で伝える
- 案内に従って、無料法律相談を予約する
- 相談の日に、弁護士や司法書士と話す(同一問題で3回まで)
- 依頼したいなら、立替えを希望すると伝え、条件の確認と審査を受ける
予約の電話で、次の4点を聞いておくと、相談の日に慌てません。
- 慰謝料の請求や請求された場合に、収入と資産を本人だけで見るのか、夫婦の合計で見るのか
- 離婚と慰謝料を、同じ問題として数えるのか
- 立替えの審査にかかる日数と、必要な書類
- 立て替えた費用の返し方と、返せない事情があるときの扱い
離婚に絞った流れは、別の記事の法テラスで離婚の相談をするにはで扱っています。相談の前に、時系列のメモを用意しておくと、限られた時間を使い切れます。
よくある質問
Q. 法テラスに相談すれば、法テラスの弁護士が味方になってくれるのですか?
法テラスは、法的トラブルの総合案内所です。総合法律支援法30条3項は、契約している弁護士や司法書士に取り扱わせる事務を、法テラス自身が取り扱えるものと解してはならないと定めています。相談や依頼を受けるのは、契約している個々の弁護士や司法書士で、あなたの事情の判断はその専門家が行います。
Q. 収入の基準は、いくらまでですか?
基準額は、家族の人数と住む地域で変わります。たとえば2人家族なら、収入は東京23区・大阪市などで276,100円以下、それ以外の地域で251,000円以下、資産は250万円以下です(2026年10月23日に法テラスのページで確認)。基準を超えていても、家賃や住宅ローンの控除があるので、予約の電話で世帯の人数と手取りの収入、預貯金を伝えて、対象になるかを聞くのが確実です。
出典・参考にした公的な情報
- 総合法律支援法 第30条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 法テラス・サポートダイヤル(法務省)
- 無料法律相談のご利用の流れ(対象者・収入と資産の基準・相談時間・回数)(法テラス)
- 弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ(条件・返済)(法テラス)
- お電話でのお問合せ(法テラス・サポートダイヤル)(法テラス)
- 法務省広報誌「あかれんが」Vol.82(法テラスの無料法律相談)(法務省)
- 法務省広報誌「あかれんが」Vol.91(法テラスの問い合わせ方法)(法務省)
- 家事事件手続法 第22条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 夫婦関係調整調停(離婚)(裁判所)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。