弁護士費用が払えないとき:法テラスの立替えと分割の相談
この記事のもくじ
弁護士費用が払えないときは、法テラスの立替え、弁護士費用保険、事務所への支払い方の相談、依頼の範囲を絞るという4つの道があります。どれも「お金がないから弁護士は無理」とあきらめる前に確かめられるもので、組み合わせて使うこともできます。このページでは、それぞれの条件と、相談するときの言い方を示します。費用の項目の意味そのものは弁護士費用の仕組みで先に確かめておくと、話が早くなります。
法テラスの立替え:条件は正本で確かめ、ここでは使い方だけ
法テラスの立替えは、収入と資産の基準を満たし、勝訴の見込みがないとはいえないなど3つの条件を満たした人に、弁護士や司法書士に払う報酬と実費を一時的に立て替える制度です。贈与ではなく、分割で返します。条件の全文、基準額の表、無料法律相談(1回30分、同じ問題で3回まで)との違いは、法テラスの条件と使い方に集めています。離婚の場面での使い方は法テラスで離婚の相談をするにはにあります。
この記事で押さえるのは、「立替えが使えるかどうか」より前の動き方です。
- 基準を超えていそうでも、先にサポートダイヤルで聞く。 家賃や住宅ローン、医療費などの事情があれば、満たす可能性があると法テラスは案内しています。サポートダイヤルの番号と受付時間は浮気・不倫の相談先一覧にあります。
- 立替えを使いたいと、最初の相談で弁護士に伝える。 事務所によって、法テラスの立替えに対応しているかが違います。予約の電話で「法テラスの立替えを使えますか」と聞いておくと、相談の日の無駄が減ります。
- 立替えと自分で払う分を、見積もりの段階で分けて聞く。 立替えは報酬と実費が対象です。調停の申立てに必要な収入印紙1,200円分と郵便切手が対象かどうかは、相談の場で確かめます。
弁護士費用保険(弁護士費用特約)を確かめる
自動車保険(共済)、火災保険、傷害保険などの特約に、弁護士費用保険(弁護士費用特約)があります。日弁連の説明では、特約に入っている人が、対象となる事故などの被害にあって弁護士に依頼すると、法律相談料や弁護士費用が保険会社や共済から支払われます。
浮気や離婚の問題が対象になるかは、契約の内容によります。日弁連の説明は「対象となる事故などの被害」と書いているので、契約が想定する場面に当たるかが分かれ目です。まず加入している保険証券や約款で特約の有無を見て、あれば保険会社の窓口に「この問題は対象か」を聞きます。弁護士に相談する前に、契約内容を確認するよう日弁連も案内しています。
保険会社に聞くときは、次の3点を書き出してからかけると、行き違いが減ります。
- 特約の対象が「被害事故」に限られるか、法律相談料だけが対象か
- 保険会社への連絡を、弁護士に依頼する前にする必要があるか
- 依頼できる弁護士を、保険会社の紹介に限るか、自分で選べるか
返事が「対象外」でも、ほかの3つの道は使えます。
事務所に支払い方を相談する:言い方と文例
弁護士費用の支払い時期は、事務所と依頼者の合意で決まります。日弁連の報酬規程は、委任契約書に報酬の種類、金額、算定方法、支払時期を書くよう定めています(5条4項)。つまり、「一度に全額」と決まっているわけではなく、支払い時期は契約の項目として話し合えます。
分割や、支払いの時期の調整に応じるかどうかは事務所によって違います。応じてもらえるかは、見積もりを受け取る段階で聞きます。
相談するときの言い方の例:「今すぐ全額を用意するのが難しい状況です。着手金を分けて払う、または報酬金を中心にする方法はありますか。法テラスの立替えを使う場合の流れも教えてください。」
聞くときは、次の点を書面にしてもらいます。
- 着手金・報酬金・実費の見込みと、支払い時期
- 分割にする場合の回数と、1回の額
- 途中で払えなくなったときの扱い
- 法テラスの立替えを使う場合、その事務所が対応しているか
依頼の範囲を絞って費用を抑える
弁護士に「全部」を頼むと費用がかさむので、頼む範囲を絞る方法があります。
| 絞り方 | 抑えられる項目 | 注意点 |
|---|---|---|
| 相談だけ受け、手続きは自分で進める | 着手金、報酬金 | 見通しは聞けるが、交渉は自分で行う |
| 合意済みの内容の書面の作成・点検だけを頼む | 着手金、報酬金(手数料型になる場合) | 交渉が必要になったら範囲外 |
| 交渉だけ頼み、調停・訴訟は頼まない | 調停・訴訟の着手金、日当 | 話がまとまらないと追加が必要になる |
| 離婚調停を自分で申し立てる | 弁護士の費用 | 申立ては収入印紙1,200円分と郵便切手。代理人は立てない |
離婚調停は、夫または妻が自分で申し立てられます。裁判所のページでも、弁護士への依頼は必須ではないと説明されています。申立ての方法を窓口で無料で聞く方法は、家庭裁判所の手続案内とはにあります。書類作成だけを司法書士に頼む選択肢もあります。誰に何を頼めるかは、弁護士・司法書士・行政書士の違いで比べられます。
払えないときほど先に使いたい窓口
お金の面でも、早めに窓口を使うほど選択肢が増えます。
- 条件なしで有料の相談をしたい:弁護士会の法律相談センターは、収入に関係なく使えます。使い方は弁護士会の法律相談センターの使い方で確かめられます
- 生活費に困っている:別居中なら、婚姻費用の分担を求めることを検討します。民法760条が、夫婦は資産・収入などの事情に応じて婚姻費用を分担すると定めているためです。弁護士費用を工面する前に、日々の生活費の側を確保しておくと、依頼の時期を急がずに選べます。調停の流れは婚姻費用の分担請求調停にまとめています
- 暴力や脅しがある:総合法律支援法30条1項5号は、配偶者からの暴力やストーカー行為を受けている疑いがある人の被害防止に関する法律相談を、法テラスの業務に挙げています。危険が迫っているときは、先に110番に通報してください
よくある質問
Q. 法テラスの立替えは、返さなくてよいお金ですか?
返すお金です。総合法律支援法30条は、代理人に払う報酬と実費の「立替え」を法テラスの業務と定めており、贈与ではありません。法テラスの案内では、立て替えた費用は分割で返し、利息等はありません。月々の返済額は事件の内容に応じて審査で決まり、返せない事情があるときの扱いは法テラスの説明を受けて確かめます。無料なのは、条件を満たした人の法律相談のほうです。
Q. お金がなくて、離婚の話し合いを何も進められません。まず何をすればよいですか?
弁護士に頼む前にできることが2つあります。1つは法テラス・サポートダイヤルに電話して、使える制度を聞くことです。もう1つは、別居中で生活費に困っているなら、配偶者に生活費(婚姻費用)を分担してもらうよう求める方法を調べることです。民法760条は、夫婦が資産・収入などの事情に応じて婚姻費用を分担すると定めています。
出典・参考にした公的な情報
- 総合法律支援法 第30条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 弁護士・司法書士費用等の立替制度のご利用の流れ(立替えの条件・返済)(法テラス)
- 無料法律相談のご利用の流れ(対象者・回数・予約)(法テラス)
- 法テラス・サポートダイヤル(法務省)
- 弁護士費用保険制度とは(日本弁護士連合会)
- 弁護士の報酬に関する規程(会規第68号)(日本弁護士連合会)
- 夫婦関係調整調停(離婚)(裁判所)
- 裁判手続Q&A(家事事件)(裁判所)
- 民法 第760条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。