離婚カウンセラーとは?資格の有無・弁護士との違い・頼めること
離婚カウンセラーは国家資格ではありません。 名乗るのに国の試験や登録は要らず、心理職の資格を持つ人もいれば、民間の講座や認定だけの人もいて、背景はさまざまです。離婚するか迷う気持ちの整理や、離婚までに決めることの洗い出しには向いていますが、相手との慰謝料・離婚条件の交渉や、調停の代理は弁護士の仕事です。このページでは、離婚カウンセラーに頼めること・頼めないことを弁護士と比べ、相談前に確かめる点を示します。
離婚カウンセラーは資格がなくても名乗れる
「離婚カウンセラー」「夫婦カウンセラー」という呼び名を規制する法律はなく、名乗るのに国の資格は要りません。法律で名称が守られている心理職の資格は公認心理師だけで、公認心理師でない人が「公認心理師」や名称の中に「心理師」の文字を使うことは禁じられています(公認心理師法44条)。公認心理師・臨床心理士との違いと、肩書きの見分け方は夫婦カウンセラーの資格の見方:公認心理師・臨床心理士などの違いで扱っています。
資格がないから信用できない、ということではありません。肩書きより、何を学び、何件くらい相談を受け、何をしない方針なのかを本人に聞いて確かめます。
離婚カウンセラーと弁護士の違い
いちばん大きな違いは、法律事務を扱えるかどうかです。弁護士法72条は、弁護士でない人が報酬を得る目的で、法律事件について代理・和解などの法律事務を取り扱ったり、その周旋をしたりすることを業とするのを禁じています。違反には2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が定められています(同法77条3号)。
さらに、家庭裁判所の調停や審判で本人に代わって手続をする手続代理人には、原則として弁護士しかなれません(家事事件手続法22条1項)。家庭裁判所の許可を得た場合の例外はありますが、離婚カウンセラーが当然に調停の代理をできる立場ではありません。
| 項目 | 離婚カウンセラー | 弁護士 |
|---|---|---|
| 気持ちの整理・迷いの相談 | できる(主な仕事) | 相談の中で聞いてもらえるが、主な仕事ではない |
| 離婚までに決めることの洗い出し | できる | できる |
| 慰謝料・財産分与が認められるかの見通し | できない | できる |
| 相手や不倫相手との交渉 | 代わりにはできない | 代理人としてできる |
| 調停・裁判の代理 | できない(家事事件手続法22条) | できる |
| 費用 | 各相談先の料金表 | 相談料・着手金・報酬金など。事務所ごとに違う |
気持ちと決めたいことを先に整理しておけば、限られた弁護士の相談時間を法律の論点に使えます。二つは役割がぶつかるのではなく、順番と使い分けの問題と考えると選びやすくなります。弁護士・司法書士・行政書士の違いは弁護士・司法書士・行政書士の違いにまとめています。
離婚カウンセラーに頼めること・頼めないこと
浮気が分かって離婚が頭に浮かんだとき、離婚カウンセラーに相談して役立つのは次のような場面です。
- 離婚するか、続けるかで揺れている:怒り・悲しみと、生活・子ども・お金の不安を分けて整理する。
- 離婚までに決めることを一覧にしたい:親権、養育費、親子交流(面会交流)、財産分与、住まい、仕事など、決める項目と順番を書き出す。
- 配偶者に切り出す前に考えをまとめたい:伝える順番や、言ってしまいそうな言葉を事前に練習する。
- 子どもにどう伝えるか悩んでいる:年齢に合わせた伝え方を一緒に考える。
一方、次のことは離婚カウンセラーに求めないでください。
- 「この証拠で慰謝料はいくら取れるか」「離婚は認められるか」の判断
- 配偶者や不倫相手に代わって連絡し、条件をまとめてもらうこと
- 調停の申立書や答弁の中身を、自分の事情に合わせて作ってもらうこと
- 配偶者の行動を尾行・張込みで調べてもらうこと(調査は探偵業法の届出をした探偵業者の業務)
相談の場で「相手と話をつけておきます」「慰謝料の請求も任せてください」と言われたら、その対応を弁護士がするのかを確かめます。サービスが法律に反するかどうかを自分で判断する必要はなく、交渉や代理を頼む相手は弁護士かどうかを確かめれば足ります。
相談する前に確かめること
離婚カウンセラーを選ぶときは、問い合わせの段階で次を聞いておきます。
- 資格と経歴:持っている資格名と発行団体、心理職の資格の有無、離婚や夫婦の相談を何年くらい受けているか。
- 相談の方針:離婚を前提にした相談か、続けるか迷っている段階でも受けるか。夫婦で受けられるか。
- 料金:1回の時間と料金、初回料金、延長料、継続コースの前払いと返金の条件。
- 秘密の扱い:相談内容の記録をどう保管し、誰にも話さないことをどう約束しているか。
- 弁護士との関係:法律の話になったときどうするか。弁護士を紹介する場合、紹介料などのお金のやり取りがあるか。
文例:「浮気が分かり、離婚するか迷っています。担当の方の資格と発行団体、離婚を決めていない段階でも相談できるか、1回の時間と料金、法律の話になったときの対応を教えてください。」
離婚の相談先全体の比べ方は離婚の相談先の選び方:無料で使える窓口と弁護士の違い、大阪で夫婦の相談先を探すなら大阪で夫婦カウンセリングを探すも参考になります。
先に弁護士へ相談したほうがよい場面
次のどれかに当たるときは、離婚カウンセラーより先に弁護士に相談します。期限や手続の判断がからみ、気持ちの整理を待っていられないことがあるためです。
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| 家庭裁判所から調停の書類が届いた | 期日までに準備することがある |
| 相手の弁護士から通知が届いた | 返事の内容によって後の交渉に影響しうる |
| 慰謝料を請求したい・請求された | 法律上の判断と時効の確認が要る |
| 別居中の生活費(婚姻費用)が払われない | 調停などの手続を考える段階 |
| 暴力や脅しがある | 安全の確保と保護命令などの手続が先 |
カウンセラーと弁護士を両方使うなら、次の順番が一つの目安です。
- カウンセラーで、迷いと決めたいことを書き出す:離婚するかどうか、子どもと住まいをどうするか、何を一番守りたいか。
- 経緯のメモを日付つきでそろえる:発覚した日、相手の説明、再構築中の約束を時系列に並べる。
- 弁護士の相談に、メモと質問のリストを持って行く:相談時間を法律の判断に使える。
- 手続の判断は弁護士、気持ちの整理はカウンセラーと分けて、並行して続ける。
暴力や脅しがある場合は、弁護士より先に警察や配偶者暴力相談支援センターなどに相談してください。窓口は浮気・不倫の相談先一覧:悩み別の窓口と番号・受付時間の早見表にまとめています。離婚を決める前に、続ける道も含めて考えたい人は浮気からの再構築:やり直すと決める前の確認と、続けるための約束も読んでみてください。
よくある質問
Q. 離婚カウンセラーに相談した内容は、裁判や調停で使えますか?
カウンセリングは気持ちや考えを整理する場で、証拠を集める場ではありません。調停や裁判で何を出すかは、手続を進める本人か依頼した弁護士が判断します。カウンセリングの中で作った経緯のメモや、決めたいことのリストは、弁護士に相談するときの資料として役立ちます。
Q. 離婚カウンセラーと弁護士、どちらに先に相談すべきですか?
相手から調停の書類や弁護士からの通知が届いた、慰謝料を請求したい・請求されたといった場面では、期限や法律の判断がからむので弁護士への相談が先です。離婚するかどうか自体を迷っている、気持ちが混乱して考えがまとまらない段階なら、カウンセラーで整理してから弁護士に行く順番も考えられます。
Q. 離婚カウンセラーに再構築の相談をしてもよいですか?
離婚カウンセラーと名乗っていても、離婚を前提にせず、続けるか別れるかを一緒に考える相談先もあります。再構築も視野に入れているなら、初回の問い合わせで「離婚するか迷っている段階でも相談できるか」「夫婦で受けられるか」を聞いておきます。
出典・参考にした公的な情報
- 弁護士法 第3条・第72条・第77条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 家事事件手続法 第22条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 公認心理師法 第2条・第44条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 家事事件Q&A(裁判所)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。