身に覚えのない不倫の慰謝料請求が来たら:詐欺を疑うときの確かめ方
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身に覚えのない不倫の慰謝料請求が届いたら、書面に書かれた電話番号やLINEには連絡せず、支払いも約束せずに、書面を保管して消費者ホットライン188か警察相談専用電話の#9110、あるいは弁護士に相談するのが基本です。ただし、身に覚えがないと感じても、実は本物の請求で、差出人が人違いをしているだけの場合や、不倫が実際にあった場合があり、詐欺と決めつけて放置すると不利になることもあります。この記事では、詐欺を疑うときの確かめ方と、払う前に相談する先を整理します。
まず確かめる6点:差出人・連絡先・支払い方法・期限・内容・形式
請求が届いたら、中身に反応する前に、形から確かめます。次の表で、疑わしい点を数えます。
| 確かめる点 | 確かめ方 | 詐欺を疑う点 |
|---|---|---|
| 差出人 | 氏名、事務所名、住所が書かれているか。弁護士なら日弁連の弁護士検索で照合する | 名前や肩書きだけで、事務所の所在地がない |
| 連絡先 | 書面とは別に、自分で調べた公式の連絡先で確かめられるか | 書面の携帯電話番号やSNSにだけ連絡させる |
| 支払い方法 | 振込先の名義が、差出人の名乗りと合っているか | コンビニで電子マネーを買わせて番号を伝えさせる |
| 期限 | 期限の理由が書かれているか | 「今日中」「数時間以内」などの極端な期限 |
| 内容 | 関係の時期、相手、金額の内訳が書かれているか | 何についての請求か分からない |
| 形式 | 内容証明郵便や書面で、送付元が分かるか | 「訴訟最終告知」などの題で、書かれた電話番号へ連絡させるはがき |
特に支払い方法は、判断の決め手になります。国民生活センターは、コンビニなどで電子マネーを購入させて番号を教えさせる方法は、すべて詐欺だと明記しています。裁判所も、職員が電話で金銭の支払いを指示することはないと案内しています。
表で疑わしい点が1つでもあれば、その場で払うのは避けます。逆に、疑わしい点がなくても、身に覚えがあれば、詐欺ではなく本物の請求の可能性があります。その場合は不倫の慰謝料を請求されたらすること:無視しない・すぐ払わない理由と順番の順に進めます。
連絡してはいけない理由と、確かめる方法
国民生活センターは、名簿を入手した悪質業者が根拠のない請求を大量に送っているとみています。連絡すると、電話でのやり取りの末に支払わされたり、個人情報を知られて別の手段で請求されたりするおそれがあります。利用した覚えがなければ、連絡しないのが基本です。
差出人を確かめる方法は、書面の連絡先を使わないことが原則です。
- 弁護士を名乗る場合: 日弁連の弁護士検索で、氏名が登録されているかを照合します。検索は、現在登録されているすべての弁護士の基本情報を見られるものです。氏名が見つかっても、書面の電話番号ではなく、検索で出た事務所の連絡先に自分で問い合わせて、その弁護士が本当に送ったかを確かめます。
- SNSで連絡が来た場合: 日弁連は、実在する弁護士になりすまし、偽造の身分証の画像を示して信用させる詐欺があると注意しています。画像は加工が容易で、SNS上のやり取りだけで本人と判断するのは危険です。
- 会社名・団体名を名乗る場合: 名称を自分で検索して、公式の連絡先に問い合わせます。
確かめた結果、本物の弁護士からの通知だと分かったら、無視せずに対応を相談します。内容証明郵便の読み方は不倫の内容証明が届いたら:中身の確かめ方と返事をする前の準備にあります。
裁判所を名乗る書類が届いたとき:放置してはいけない場合
ここが最も判断に迷うところです。裁判所は、支払督促や少額訴訟といった裁判所の手続を悪用し、架空の請求について申立てが行われる例があると案内しています。支払督促は、申立ての要件を満たせば、相手の言い分を聞かずに発せられ、異議が出て初めて請求の当否が審理されるため、申立ての段階では裁判所も架空かどうかを判断できません。
その結果、身に覚えがないからと放置すると、架空の請求について判決などが出て、強制執行を受けるおそれがあります。支払督促には、督促異議の申立てという対抗手段があります(民事訴訟法386条2項)。支払督促の送達を受けた日から2週間以内に異議を出さないと、債権者の申立てで仮執行の宣言がされます(同法391条1項)。仮執行宣言つきの支払督促が送達されてから2週間を過ぎると、もう異議を申し立てられず(393条)、異議がないまま確定すると確定判決と同じ効力になります(396条)。つまり、異議を出せる機会は2回あり、どちらも期間が短いのです。
本物かどうかが分からない書類は、次のように扱います。
- 書面に書かれた電話番号にはかけず、電話帳や裁判所のサイトで調べた番号で、裁判所に直接問い合わせます。書面を裁判所に持参することもできます。
- 国民生活センターは、「訴訟最終告知」のようなはがきに書かれた電話番号へ連絡すると、訴訟の取り下げ費用などと称して料金を請求される例があると注意しています。裁判所の名称を勝手に使った請求書が送られる例も、裁判所は挙げています。
- 判断がつかないうちは、消費生活センターに相談します。国民生活センターも、「支払督促」や「少額訴訟の呼出状」と思われる書類は、真偽の判断が難しいため放置せず、すぐ相談するよう呼びかけています。
届いた書類が本物の訴状だった場合の対応は、不倫で訴えられて訴状が届いたら:答弁書の期限と弁護士への相談に整理しています。
払う前に相談する先:188・#9110・弁護士
相談先は、状況で選びます。
| 状況 | 相談先 | 補足 |
|---|---|---|
| 詐欺かどうか分からない、支払いを迫られている | 消費者ホットライン188 | 近くの消費生活センターなどにつながる。相談は無料、通話料は利用者の負担 |
| 脅されている、押しかけられた、取り立てが続く | 警察相談専用電話#9110(急迫した危険は110番) | 受付時間は都道府県警察ごとに異なる |
| 不倫が事実で、本物の請求かもしれない | 弁護士、弁護士会の法律相談センター、法テラス | 期限があれば、早めに予約する |
番号の受付時間や、そのほかの窓口は浮気・不倫の相談先一覧:悩み別の窓口と番号・受付時間の早見表にまとめています。不倫の事実を職場や家族に知らせると言って脅される場合は、請求の真偽とは別に安全の問題です。不倫で脅迫されたとき:110番と#9110の使い分けと最初にすることを先に確認してください。
相談の前に、封筒、書面、メッセージの画面、電話の日時を保管します。国民生活センターも、請求のはがき、封書、電子メールなどは、今後の対応のために保管するよう勧めています。そして、新たな個人情報は伝えず、認める発言や支払いの約束もしません。
払う前に一度立ち止まって相談することが、詐欺でも本物でも、自分を守る最初の手になります。
よくある質問
Q. 書面に書かれた電話番号に、人違いだと伝えるために電話してもよいですか?
国民生活センターは、利用した覚えのない請求には連絡しないことが基本で、書面や電子メールに書かれた連絡先にはかけないよう呼びかけています。連絡すると個人情報を知られ、別の手段で請求されるおそれがあります。人違いだと伝える必要があるかは、消費生活センターや弁護士に相談してから決めます。
Q. 不倫の事実を知られていて、金額も具体的です。それでも詐欺の可能性はありますか?
具体的な内容が書かれていても、真偽は別です。国民生活センターは、名簿を入手した業者が根拠のない請求を大量に送っているとみています。一方で、不倫が事実で、本物の請求であることもあります。どちらか分からないうちは払わず、書面を保管して相談します。
Q. 「今日中に払わないと裁判にする」と言われたら、従うべきですか?
期限を極端に短く切って考える時間を与えない迫り方は、冷静な判断を妨げます。本物の請求であっても、払う前に額と根拠を確かめることができます。その場で払う・認めると言わず、書面で送ってもらい、相談してから返事をします。
出典・参考にした公的な情報
- 「利用した覚えのない請求(架空請求)」が横行しています(国民生活センター)
- 覚えのない未納料金を請求する詐欺に注意!(2024年4月24日公表)(国民生活センター)
- 裁判所の手続を悪用した架空請求等にご注意ください。(裁判所)
- 実在する弁護士をかたる詐欺にご注意ください(日本弁護士連合会)
- 弁護士検索・ひまわりサーチ(日本弁護士連合会)
- 消費者ホットライン188(消費者庁)
- 犯罪被害者白書 資料9 相談窓口(警察相談専用電話#9110)(警察庁)
- 民事訴訟法 第386条・第391条・第393条・第396条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。