親の浮気に子供が気づいたとき:その場の対応と年齢別の説明の仕方
この記事のもくじ
子どもが親の浮気に気づいたとき、親が最初にすることは、責めずに受け止めること、そして「あなたのせいではない」を伝えることです。浮気の中身を説明する必要はなく、子どもに「どちらが悪いか」の判断をさせるのも避けます。この記事では、気づいた場面ごとの対応、年齢に合わせた説明の例、気持ちを受け止めるときの注意、そして子ども自身が使える相談窓口をまとめます。
子どもが気づく場面と、その場の対応
気づくきっかけは様々ですが、親の最初の反応が、そのあとの子どもの話しやすさを左右します。
| 場面 | その場でしないこと | その場でしたいこと |
|---|---|---|
| 親のスマホの画面やメッセージを見てしまった | 取り上げる、怒る、「見るな」と叱る | 「見てしまってびっくりしたよね」と受け止め、あとで落ち着いて話す時間を約束する |
| 親が不倫相手と会っているのを見た | 「あれは友だち」とごまかす | 「見たんだね。そのことは大人の問題で、いま話し合っている」と短く答える |
| 夫婦の言い争いを聞いてしまった | 子どもに「どう思う?」と聞く | 「聞こえて怖かったよね」と気持ちを受け止め、あなたのせいではないと伝える |
| 一方の親が子どもに話した | 否定して反論する | 子どもの前で言い返さず、気持ちの確認だけをする(言い返すと子どもを争いに巻き込む) |
| 親戚・周りの大人から聞いた | 相手を責める | 子どもが聞いた内容を、責めずに聞く |
どの場面でも共通するのは、子どもに隠すことより、子どもを守ることを優先する、という考え方です。裁判所の資料は、子どもにとって父母が争っている姿を見るのはつらいものだとして、見せない・聞かせないことの大切さを述べています。気づいてしまった後でも、これ以上見せない・聞かせない工夫は続けられます。
年齢に合わせた説明:どこまで話すか
説明の深さは、年齢と、子どもが何を知っているかで変えます。年代ごとの特徴は離婚が子供に与える影響は?年齢別の様子の目安と親が気をつけたいことに、年齢別の文例の全体は離婚を子供にどう伝える?年齢別の伝え方の例と避けたい言葉にまとめています。ここでは、気づいてしまった場面に絞ります。
- 幼児〜小学校低学年:細部を説明しても理解しきれず、混乱しやすい年代です。短く、安心できる言葉で。
「見たこと、びっくりしたね。パパとママは、いま大事な話し合いをしてるの。〇〇のせいじゃないよ」
- 小学校高学年以上:意味や背景がある程度わかるため、ごまかすと不信につながりやすい年代です。事実を否定せず、詳細は話さない。
「気づいたんだね。いま大人の間でうまくいっていないことがあるの。くわしい理由は話さないけれど、〇〇のせいではないよ」
中学生以上の文例や、離婚を伝えるときの言い方は離婚を子供にどう伝える?年齢別の伝え方の例と避けたい言葉に譲ります。
どの年齢でも、浮気の相手、回数、証拠、お金の話は伝えません。子どもに話すと、親の問題を子どもが抱えることになります。裁判所の資料も、夫婦の問題を子どもに相談することは子どもを争いに巻き込む行為としています。
子どもの気持ちを受け止めるときの注意
子どもが示す反応は、怒り、悲しみ、無関心、親への嫌悪感、「自分のせいかも」という不安など、人によって違います。受け止めるときの注意点は次のとおりです。
- 感情に名前をつけて返す:「悲しい? 腹が立つ? 怖い?」と、選べる言葉を出すと、気持ちを言葉にしにくい子も答えやすくなります。
- 評価を加えない:「そんなふうに思ってはいけない」「あの人はひどいね」のどちらも避けます。前者は気持ちを閉ざし、後者は子どもを一方の親の味方につけます。
- 秘密を共有させない:「ママには言わないでね」「パパには内緒」は、子どもに秘密を持たせ、板挟みを作ります。
- 無理に仲直りの役をさせない:小学校低学年頃には、よい子にしていれば仲直りするかもと期待して無理をする子がいると、資料は述べています。「あなたが頑張らなくていい」と伝えます。
- 相手の親の悪口を重ねない:子どもが一方の親を責めても、同調はしません。高学年頃は、複雑な状況から抜け出すために一方の親に極端な嫌悪感を示す子もいる、と資料にあります。
法務省のQ&Aは、民法817条の12の「子の人格を尊重する」に、子の意見や意向の尊重が含まれるとしています。気づいた子どもが「パパ(ママ)とは会いたくない」と言い出した場合も、まず理由を聞くことが大切です。親子交流をどうするかは、親子交流(面会交流)を拒否したい・拒否されたとき:考え方と調停で扱います。
気づいた子どもに親ができる行動のチェックリスト
- 責めずに「見たんだね/聞いたんだね」と受け止めた
- 「あなたのせいではない」を言葉にした
- 浮気の詳細(相手・証拠・お金)は話していない
- 一方の親の悪口を言っていない、同調もしていない
- 「秘密にして」と頼んでいない
- 子どもの話を聞く時間を、あとで取ると約束した
- 学校の担任や養護教諭など、子どもが話せる大人を確かめた
浮気をした側の親は、子どもの前で謝る場面に迷うことがあります。謝る内容は、「子どもに見せてしまった、聞かせてしまったこと」への謝罪にとどめ、浮気の弁明や相手への批判を子どもにしないのが、資料の考え方に沿います。
子ども自身が使える相談窓口と、親が相談できる窓口
子どもが家族の中で話しづらいとき、外の窓口があります。
24時間こどもSOSダイヤル(文部科学省)は0120-0-78310(通話無料、24時間)です。ほかの子ども向けの窓口と受付時間は、浮気・不倫の相談先一覧:悩み別の窓口と番号・受付時間の早見表にまとめています。
家庭の中で暴力や暴言が子どもに向いている、または子どもの前で続いている場合は、子供の前での夫婦喧嘩が続くとき:子供を守るための相談先に、児童相談所虐待対応ダイヤル189などの窓口を載せています。親自身がつらくて子どもの話を聞く余裕がないときは、同じ一覧から自分の相談先を選んで構いません。
浮気が発覚したあとに親が子どもに対してできることの全体像は、浮気と子供:影響を小さくするために親ができることと決めることにまとめています。
よくある質問
Q. 子供が親の浮気に気づいたとき、その場でごまかしてもよいですか?
その場で全部を説明する必要はありませんが、「何もない」と言い切ると、子どもが見たものと食い違い、親への信頼が揺れることがあります。「気づいたんだね。いま大人どうしで話し合っていることがある。あなたのせいではないよ」のように、受け止めたうえで細部は話さない形が、裁判所の資料の考え方に沿います。
Q. 子供が浮気をした親を責めたり、避けたりします。どうすればよいですか?
子どもが怒りや嫌悪感を示すのは、気持ちの整理の途中という面があります。裁判所の資料は、高学年頃には、どちらかの味方につくことで複雑な状況から抜け出そうとする子もいると述べています。同調して悪口を重ねず、「そう感じたんだね」と気持ちだけを受け止め、無理に仲直りさせようとしない形が基本です。
Q. 子供の様子が落ち込んだまま変わりません。どこに相談できますか?
学校の担任や養護教諭のほか、24時間こどもSOSダイヤル(0120-0-78310)のように、子ども自身が話せる窓口があります。家庭の中で暴力や暴言が続いている場合は、189(児童相談所虐待対応ダイヤル)に相談できます。
出典・参考にした公的な情報
- 「子どもにとって望ましい話し合いとなるために」概要資料(令和8年3月31日)(裁判所)
- 父母の離婚後の子の養育に関する民法等改正Q&A(民法編)(法務省)
- 子どもの人権110番(法務省)
- 24時間こどもSOSダイヤル(文部科学省)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。