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婚姻費用の分担請求調停:申立ての方法・費用1,200円・必要書類と当日の流れ

この記事のもくじ
  1. 申立ての手順:6つのステップ
  2. 申立ての前後の起点:調停の申立日と、請求の記録
  3. 調停当日から成立・不成立まで

婚姻費用の分担請求調停は、別居中の生活費を話し合いで決められないときに、家庭裁判所へ申し立てる手続です。申立先は相手方の住所地の家庭裁判所(または合意した家庭裁判所)、費用は収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手で、申立書と夫婦の戸籍謄本、収入の資料などを出します。申立書は原則として相手に送られ、成立すると調停調書が作られます。この記事は、申立てから成立・不成立までを6つのステップで順に示します。

申立ての手順:6つのステップ

  1. 相手と金額の話し合いをし、記録を残す
  2. 申立先の家庭裁判所を調べる
  3. 申立書と添付書類を用意する
  4. 収入印紙と郵便切手(または郵便料の保管金)を納めて提出する
  5. 期日に出席し、調停委員会と話し合う
  6. 成立すれば調停調書、不成立なら審判へ

申立先と申立人

申立人は夫または妻です。申立先は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所か、当事者が合意で定める家庭裁判所です(家事事件手続法245条1項)。自分の住所地ではなく相手の住所地が原則なので、遠方の場合は不便が出ます。家庭裁判所は、事情に応じて、ウェブ会議を使った手続を認めることがあると案内しており、相手と同じ空間では安心して話せない場合や遠方で出向くのが困難な場合などが例に挙がっています。

費用

収入印紙1,200円分と、連絡用の郵便切手が必要です。郵便料は裁判所ごとに異なり、保管金として納めることも、電子納付もできると裁判所は案内しています。書類の取得費用(戸籍謄本の手数料など)は別にかかります。

必要書類

申立てに必要なもの(裁判所の案内より)
書類 内容・入手先
申立書とその写し1通 裁判所の書式と記載例を使う
夫婦の戸籍謄本 内縁関係の場合は不要
申立人の収入関係の資料 源泉徴収票、給与明細、確定申告書の写しなど
事情説明書(婚姻費用分担) 裁判所の書式
進行に関する照会回答書 裁判所の書式
送達場所等届出書 裁判所の書式

審理に必要なときは、追加の書類を求められることもあります。申立書には、別居の経緯、収入、子どもの人数と年齢、請求する額の希望などを書きます。算定表で目安を読んでおくと、希望額を書きやすくなります(婚姻費用算定表の見方)。

申立書は相手に送られる

家庭裁判所は、申立てがあると、申立書の写しを相手方に送るのが原則です(家事事件手続法256条1項。手続の円滑な進行を妨げるおそれがあるときは、申立てがあったことの通知で代えることがあります)。相手を責める言葉や、相手に知られたくない情報(避難先の住所など)は、申立書に書かないように注意してください。住所を伏せたい場合の秘匿制度は、裁判所が申立てを審査し、認められないこともあります。

申立ての前後の起点:調停の申立日と、請求の記録

「婚姻費用はいつの分から請求できるか」と気になる人は多いのですが、裁判所の分担請求調停のページ、家事事件Q&A、民法760条には、請求できる始期は書かれていません。始期の考え方は、このサイトでは示せません。書かれている起点と、備えは次のとおりです。

  • 調停が不成立になると、調停を申し立てたときに審判の申立てがあったものとみなされます(家事事件手続法272条4項)。手続上の起点は、調停の申立日です。
  • 申立ての前の期間の分をどう扱うかは、条文にも裁判所の案内にも書かれていません。家庭裁判所が事情を見て判断する部分です。

始期の不安への実際的な備えは、次の2つです。

  1. 請求の意思を示した日の記録を残す。 「生活費を分担してほしい」と伝えたメールやLINE、書面の日付を保存します。文面は事実と金額に絞ります。

文例:「別居後の生活費として、婚姻費用の分担をお願いします。金額と支払日について、○月○日までに話し合いたいです。収入が分かる資料も用意します。」

  1. 話し合いが進まなければ、申立てを早める。 調停や審判で決まるまでには時間がかかります。令和7年(2025年)の司法統計(第16表)では、婚姻関係事件57,491件のうち、申立てから終局までが6月以内のものが約58.0%、1年以内が約87.1%でした(筆者の計算)。なお、婚姻関係事件には離婚や円満調整も含まれ、婚姻費用だけの数字ではありません。

調停当日から成立・不成立まで

調停は、裁判官1人と、民間から選ばれた調停委員2人以上で構成される調停委員会が進めます。話し合いは非公開です。

局面 起きること 根拠・案内
呼出し 期日の通知が届く。正当な理由なく出頭しないと5万円以下の過料に処される定めがある 家事事件手続法51条
話し合い 資産・収入・支出などを聴かれ、解決案の提示や助言がある 裁判所の手続ページ
情報開示 家庭裁判所は収入や資産の情報の開示を命じることができる。正当な理由なく開示しない場合は10万円以下の過料 家事事件手続法152条の2(2026年4月新設)、258条3項
成立 調停調書が作られ、確定判決と同じ効力を持つ 家事事件手続法268条
不成立 審判手続に移る。審判に不服なら2週間以内に即時抗告 家事事件手続法272条4項・86条

申立書の書き方や、調停での主張の組み立てを任せたいときは、弁護士に頼む選択肢があります。

調停の成立で作られる調停調書は、払われないときの強制執行の根拠になります。決まった額が払われない場合の手続は婚姻費用を払わない相手には:取り決めの形別に使える手段と子の分の先取特権にまとめました。浮気をした側から請求されている場合の考え方は浮気した側から婚姻費用を請求されたら?有責配偶者の請求と子の分の考え方を読んでください。調停での主張の組み立てや、請求額の見込みが気になるときは、弁護士に相談する選択肢があります。仕組みの全体像は婚姻費用とは?別居中の生活費を請求する仕組みと決め方、離婚全体のお金は浮気が原因の離婚とお金に整理してあります。

よくある質問

Q. 弁護士に頼まなくても、婚姻費用の調停は申し立てられますか?

申し立てられます。裁判所の家事事件Q&Aは、弁護士に依頼することもできるが必須ではなく、依頼しなくても調停の手続はできると説明しています。申立書の書式と記載例は裁判所のサイトにあり、書き方や必要書類は家庭裁判所の手続案内(法律相談ではなく手続の説明の窓口)で聞けます。

Q. 相手に住所を知られたくないときはどうなりますか?

申立書の写しは原則として相手方に送られます(家事事件手続法256条)。相手に住所や氏名を知られると社会生活に著しい支障が出るおそれがあるときは、裁判所に秘匿を申し立てる制度があり、認められないこともあります。暴力や脅しの不安があるときは、申立ての前に[浮気・不倫の相談先一覧](/uwaki-soudan-madoguchi/)の窓口に相談してください。

Q. 相手が調停に来なかったらどうなりますか?

調停は双方の出席と協力が前提で、相手方が出席しない場合は不成立として終了する、と裁判所のQ&Aは説明しています。婚姻費用の調停は、不成立になると審判手続に移るため、相手が欠席を続けても手続が止まるわけではありません。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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