浮気・不倫が原因の離婚 / 比較

離婚の弁護士の選び方:浮気が原因の事件で確かめる5つのこと

この記事のもくじ
  1. 弁護士に頼めることと、探せる窓口
  2. 確かめる5つのこと
  3. 相談の前に用意しておくもの
  4. 費用が心配なときと、弁護士を紹介するという業者

離婚の弁護士を選ぶときは、取扱い分野・説明・費用・連絡・相性の5点を、相談の場で自分の目と耳で確かめるのが基本です。「おすすめ」の順位表は、事件の種類・地域・相談する人の状況で答えが変わるため、このサイトでは作りません。浮気が原因の離婚では、離婚そのものに加えて、慰謝料・親権・財産分与・年金分割が同時に動くことが多く、そのぶん確かめる点がはっきりしています。

弁護士に頼めることと、探せる窓口

離婚について、弁護士にしかできない仕事があります。家庭裁判所の手続では、弁護士でなければ手続代理人になれないのが原則です(家事事件手続法22条。家庭裁判所の許可を受けた場合の例外があります)。相手との条件の交渉の代理も、報酬を得て行うのは原則として弁護士の仕事です(弁護士法72条。認定司法書士など、法律が一定の範囲で認めている例外はあります)。一方で、離婚調停は弁護士に依頼しなくても手続を進められると、裁判所は案内しています。頼むかどうか自体の判断は離婚に弁護士は必要か:自分で進められる場合と頼んだ方がよい場合で扱っています。

探す窓口は主に3つあります。

窓口 特徴 先に確かめること
弁護士会の法律相談センター 弁護士会が運営する相談窓口。初回の相談に使える 相談料と予約方法(弁護士会ごとに違う)。くわしくは弁護士会の法律相談センターの使い方
法テラス 収入や資産などの条件を満たす人の無料法律相談と、弁護士費用の立替えの入口 条件と、立替金は返す必要があること。法テラスで離婚の相談をするには
事務所への直接の相談 ホームページなどから申し込む。初回相談料は事務所ごと 相談料の有無と時間、離婚の取扱いの説明

日弁連には、現在登録されている弁護士の基本情報を見られる「弁護士検索」と、取扱分野などの項目から弁護士を絞り込める「ひまわりサーチ」があります。ひまわりサーチは任意登録で、掲載内容は弁護士の自己申告にもとづき、日弁連と弁護士会はその内容に責任を負わないと明記されています。登録の有無の確認には弁護士検索、候補を絞るにはひまわりサーチと使い分けられます。

確かめる5つのこと

比較表:浮気が原因の離婚で、弁護士に確かめる5点
確かめる点 相談の場で聞くこと 気をつけたい答え方
1 取扱い分野 離婚、慰謝料、親権、財産分与の事件を扱っているか。調停と訴訟の両方を受けるか 離婚をほとんど扱っていないのに受けると言われる
2 説明 事件の見通し、進め方、期間の考え方を説明してくれるか 結果を請け合う言い方をされる
3 費用 着手金・報酬金・実費・日当の項目と、概算を書面でもらえるか 総額が分からないまま契約を勧められる
4 連絡 担当者は誰か、連絡の手段と返信の目安、進行の報告の頻度 担当が代わっても引き継ぎの説明がない
5 相性 気持ちや事情を、遮らずに聞いてもらえるか。質問しやすいか 話すことを急かされる、否定される

1 取扱い分野

浮気が原因の離婚では、離婚の条件と並んで、配偶者や不倫相手への慰謝料の話が出ます。依頼したい範囲に慰謝料の請求が含まれるのか、不倫相手への請求は別の契約になるのか、を最初に聞いてください。弁護士の「浮気に強い」「専門」といった言葉は事務所の自己申告なので、言葉ではなく、離婚事件を日常的に扱っているかと、手続の進め方を具体的に話せるかを見ます。

2 説明

弁護士職務基本規程29条は、受任するときに、事件の見通し、処理の方法、弁護士報酬と費用を依頼者に適切に説明することを求めています。さらに、依頼者に有利な結果になることを請け合ったり、保証したりしてはならないと定めています。結果を断言する弁護士より、見通しの根拠と不確かな点を分けて話す弁護士のほうが、規程に沿った説明と言えます。聞き方の例は次のとおりです。

文例:「慰謝料と財産分与の見通しを、分かっている点と分からない点に分けて教えてください。調停で終わる場合と、訴訟に進む場合とで、期間と費用の目安はどう変わりますか。」

3 費用

弁護士費用は個々の弁護士が基準を定め、標準的な価格はないと日弁連が説明しています。そのため、相談のときに項目ごとの金額と支払う時期を聞いて、書面で比べるのがいちばん確かめやすい方法です。着手金・報酬金・実費の意味と、見積もりの比べ方は離婚の弁護士費用の内訳:着手金・報酬金・実費と見積もりの比べ方で整理しています。弁護士職務基本規程30条は、受任するとき、弁護士報酬に関する事項を含む委任契約書を作ることを原則としています。

4 連絡

事件が始まると、期日の日程、相手からの書面、和解の提案など、連絡が続きます。誰が窓口になるか、メールか電話か、返信の目安はどのくらいか、進行を報告してもらえるか、を最初に聞いておきます。弁護士職務基本規程36条は、必要に応じて経過を報告し、依頼者と協議しながら進めることを求めています。

5 相性

最後は、話しやすさです。浮気の事情は、人に話しにくい内容を含みます。事実を整理しながら聞いてもらえるか、自分の希望(離婚したいのか、続けるか迷うのか)を急かさず受け止めてもらえるかを見てください。1か所で決めず、2〜3か所で話を聞いて比べるほうが、違いが分かります。

相談の前に用意しておくもの

初回の相談を無駄にしないために、次のものを持っていくと、見通しの説明が具体的になります。

  1. 結婚した日、別居した日、浮気が分かった日を並べた時系列のメモ
  2. 浮気を示す資料(入手方法に問題がないもの)
  3. 家計の一覧(収入、預貯金、住宅ローン、保険)
  4. 子どもの年齢と、日常の世話の担い手
  5. 聞きたいことの箇条書き(慰謝料の請求先、親権、離婚後の住まい)

準備の詳細は弁護士に相談する前の準備:時系列メモと持ち物・聞くことの一覧にあります。相談する時期は離婚で弁護士に相談するタイミング:浮気発覚・別居前・調停前の3時点で比べられます。離婚全体の流れは浮気・不倫が原因の離婚:準備・話し合い・調停の流れと決めることにあります。

費用が心配なときと、弁護士を紹介するという業者

費用が心配なときは、法テラスの相談と立替えの制度があります。法テラスは総合法律支援法に基づき、資力が十分でない人のために、弁護士費用などの立替えや法律相談を行います。立替えは、原則として返す必要があります。弁護士職務基本規程33条も、弁護士が法律扶助の制度を依頼者に説明するよう努めることを定めています。

なお、報酬を受け取って弁護士を紹介する業者や、法律相談を取り次ぐ仕組みは、弁護士法72条の「周旋」との関係が問題になります。窓口を選ぶときは、相談の相手が弁護士本人か、弁護士の登録番号と所属弁護士会を示しているかを確かめてください。登録の有無は日弁連の弁護士検索で調べられます。

よくある質問

Q. 離婚に強い弁護士かどうかは、どう見分ければよいですか?

「強い」「専門」という言葉は事務所の自己申告です。言葉より、離婚や慰謝料の事件を取り扱っているか、調停や訴訟でどう進めるかを具体的に説明できるかを、相談の場で聞いて確かめてください。日弁連のひまわりサーチの掲載内容も、弁護士本人の申告にもとづくものです。

Q. 初回の相談だけで、依頼するかどうか決めなくてもよいですか?

決めなくて構いません。相談と依頼は別で、依頼する場合は委任契約書で報酬や費用を確かめてから進めるのが基本です。いくつかの窓口で話を聞いてから決める人もいます。その場で契約を急がされたときは、持ち帰って検討してください。

Q. 相手が先に同じ事務所に相談していたら、どうなりますか?

弁護士法25条は、相手方の協議を受けて賛助した事件などについて、弁護士が職務を行うことを制限しています。受任できるかどうかは事務所が判断することなので、相談の申込みの時点で、相手の氏名と、不倫相手がいる場合はその氏名を事務所に伝えて、確かめてもらってください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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