浮気をした側が受けるカウンセリング:繰り返さないために話すこと
この記事のもくじ
浮気をした側も、配偶者と一緒でなく自分一人で、カウンセリングを受けることができます。目的は許してもらうことではなく、なぜ自分が浮気をしたのか、どんなときに同じことが起きやすいのかを第三者と一緒に言葉にして、繰り返さないための手立てを持つことです。相談先は公的な相談窓口・医療機関・民間のカウンセリングの3つから選び、初回には「起きたこと」「自分のきっかけ」「これからの約束」を話せるよう準備します。この記事では、探し方と話すとよいことを順に整理します。
浮気をした側が一人でカウンセリングを受ける意味
浮気が発覚した後、した側は謝罪や説明に追われ、自分の中で何が起きていたのかを落ち着いて考える時間を持てないまま過ごしがちです。配偶者に理由を聞かれても、整理できていない言葉は言い訳に聞こえ、相手をさらに傷つけてしまいます。一人で受けるカウンセリングは、その整理を配偶者の前ではない場所で進めるための時間です。
| 一人で受けるカウンセリングでできること | ここではしないこと |
|---|---|
| 浮気に至った気持ちや状況を言葉にする | 浮気を正当化する理由を一緒に探す |
| 同じことが起きやすい場面を見つけ、避ける工夫を考える | 配偶者を説得する方法を教わる |
| 罪悪感・不安・落ち込みとの付き合い方を考える | 慰謝料や離婚の条件を決める |
| 配偶者への説明や、夫婦で話す準備をする | 配偶者や不倫相手と代わりに話をつけてもらう |
謝罪の言葉の選び方や、相手の反応への向き合い方は浮気を後悔しているとき:言葉と行動の謝り方と、許されなかった場合の備えで扱っています。カウンセリングは、その謝罪を「その場しのぎ」で終わらせないための次の段階と考えると位置づけやすくなります。
相談先の探し方:公的な窓口・医療機関・民間のカウンセリング
相談先には大きく3つの入口があります。どこから始めてもよく、合わなければ変えて構いません。
| 入口 | 例 | 向いている状態 | 予約の前に確かめること |
|---|---|---|---|
| 公的な相談窓口 | 精神保健福祉センター、保健所、市区町村の心の健康相談 | まず誰かに話したい、どこへ行けばよいか分からない | 継続して面接を受けられるか、紹介先があるか |
| 医療機関 | 心療内科・精神科(心理職がいるところ) | 眠れない、食べられない、仕事に行けない日が続く | 診察とは別にカウンセリングの枠があるか、費用が保険か自費か |
| 民間のカウンセリング | カウンセリングルーム、オンラインの相談 | 浮気をした側の相談を継続して話したい、夜や休日に受けたい | 浮気をした側の相談を受けているか、料金と秘密の扱い |
都道府県が置く精神保健福祉センターは、心の健康の相談のうち複雑なものや難しいものに応じることが法律で決められています(精神保健福祉法6条)。保健所や市区町村の相談も含め、こうした相談は精神障害の有無や程度にかかわらず行うとされているので(同法46条・47条)、診断がなくても利用できます。
民間のカウンセリングを選ぶときは、料金表のほかに、浮気をした側の相談を受け付けているかを問い合わせの段階で聞きます。された側の支援を中心にしている相談先もあるため、先に伝えておくと、初回で話がかみ合わないことを避けられます。
問い合わせの例:「配偶者に浮気が分かり、自分がなぜそうしたのかを考えたくて、一人で相談したいと考えています。浮気をした側の相談も受けていますか。1回の時間と料金、オンラインで受けられるか、面接の記録の扱いも教えてください」
公認心理師には法律上の秘密保持の義務がありますが(後述)、民間の相談では、守秘の決まりが相談先ごとの規約にとどまることもあります。初回の前に、記録をどう保管するか、配偶者や第三者から問い合わせがあっても通っている事実を答えないかを聞いておくと、後から困りにくくなります。
資格の見方は短く押さえておきます。公認心理師は国家資格で、登録を受けた人だけが名乗れ、名称の中に「心理師」という文字を使えるのも公認心理師だけです(公認心理師法44条)。公認心理師には業務で知った秘密を漏らしてはならない義務があり(同法41条)、相談する人に主治医がいる場合はその指示を受けることになっています(同法42条2項)。一方で、公認心理師でなければカウンセリングをしてはいけない決まりはなく、民間の資格や肩書きで活動する人もいます。資格の違いの詳しい見方は夫婦カウンセラーの資格の見方:公認心理師・臨床心理士などの違いにまとめています。
繰り返さないために話すこと:5つのテーマ
初回から全部を話す必要はありません。ただ、次の5つを紙に書き出して持っていくと、何回かの面接で扱う順番をカウンセラーと決めやすくなります。
- 起きたことの事実。 いつ始まり、どのくらい続き、どう終わったか(または終わっていないか)。配偶者に話した内容と違う点があれば、それも書きます。
- 始まったときの自分の状態。 仕事の負担、家庭での孤独感、自分を認めてほしい気持ち、退屈、お酒の場など、そのころの生活と気持ちを並べます。浮気の理由を配偶者のせいにするためではなく、自分が弱くなる条件を知るためです。
- やめられなかった理由。 相手に悪いと思った、刺激が欲しかった、終わらせ方が分からなかった、など。不倫相手との関係がまだ続いているなら、正直にそう伝えます。終わらせる段取りは不倫をやめたいのにやめられないとき:終わらせる5段階と状況別の分かれ道で扱っています。
- 嘘や隠しごとの癖。 スマホの扱い、予定のごまかし、お金の使い方。浮気そのものと同じように、この部分も配偶者の信頼を傷つけているからです。
- これからの約束と、守れなかったときの行動。 不倫相手から連絡が来たら、気持ちが揺れたら、何をするか。約束を守れなかった場面を想定して、そのとき誰に何を話すかまで決めておきます。
話していくうちに、子どものころの家族関係や、以前の交際でのことに話が広がることもあります。それは浮気の言い訳を探すことではなく、同じ選択を繰り返す背景を知る作業です。話したくないことは「今は話せない」と言ってよく、話す順番は自分で決められます。
配偶者への伝え方と、夫婦カウンセリングへのつなぎ方
一人で受けているカウンセリングのことを、配偶者にどう伝えるかも、早めに考えておきたい点です。黙って通うと、予約の連絡や支払いの記録から知られたときに、新たな隠しごととして受け取られかねません。
伝え方の例:「自分がなぜあんなことをしたのか、一人で考えるだけでは整理できないので、カウンセリングを受けることにしました。話した中身を全部伝えることはできないかもしれないけれど、通っていることは隠さずに話します」
配偶者が話し合える状態になったら、夫婦で受けるカウンセリングに進むこともできます。一人のカウンセリングで整理したことは、夫婦の場で自分の言葉で説明する材料になります。ただし、された側の気持ちが追いついていない時期に夫婦での面接を急がせると、相手には「早く終わらせたい」と映ることがあります。夫婦で受けるかどうか、いつ受けるかは、配偶者の意向を聞いてから決めます。夫婦で受ける場合の流れは夫婦カウンセリングとは?受ける流れ・相談先の種類・選ぶときの確認点、決めたルールの例は浮気の再発防止に夫婦で決めることが使えます。
カウンセリングでは扱えないこと:お金と法律の話は別の相談先へ
浮気をした側が抱える心配には、気持ちの問題と、お金や法律の問題が混ざっています。カウンセラーは前者の相手で、後者の判断や交渉はしません。報酬を得て他人の法律事件の交渉や和解などを業として扱うことは、弁護士法72条により、法律に特別の定めがある場合を除いて弁護士以外には認められていないためです。
| 心配ごと | 相談する先 |
|---|---|
| なぜ浮気をしたのか、繰り返さないためにどうするか | カウンセラー・公的な心の相談 |
| 眠れない、仕事に行けない、気分が落ち込み続ける | 心療内科・精神科 |
| 配偶者や不倫相手の配偶者から慰謝料を請求された | 弁護士 |
| 離婚を求められた、条件の話し合いが始まった | 弁護士 |
| 勤務先での処分が心配 | 就業規則の確認と、労働の相談窓口・弁護士 |
慰謝料を請求する書面が届いた場合は、カウンセリングで気持ちを整えることと並行して、請求への対応を早めに始めます。無視もその場での支払いもせずに進める順番は、次の記事不倫の慰謝料を請求されたらすること:無視しない・すぐ払わない理由と順番で扱います。気持ちの整理と法律の手当てを別々の相談先に分けておくと、どちらも中途半端にならずに進められます。
よくある質問
Q. 浮気をした側がカウンセリングに通っていることは、配偶者に話したほうがいいですか?
隠す理由がなければ、通い始める前か、通い始めてすぐに伝えるほうが、新しい秘密を作らずに済みます。予約や支払いの記録から後で知られると、また隠しごとをしていたと受け取られかねません。伝えるときは「自分がなぜ浮気をしたのかを第三者と考えたい」と目的を添え、話した中身まで報告する約束はしなくて構いません。
Q. 配偶者から「カウンセリングに行くなら許す」と言われました。条件として通うのは意味がありますか?
意味はありますが、「許してもらうための手続き」として通うと、自分の中の問題に向き合いにくくなります。初回に、配偶者から勧められたことと、自分としては何を考えたいのかを分けて伝えてください。通った回数や出席の事実を配偶者に示すかどうかは、カウンセラーと相談して決められます。
Q. 罪悪感で仕事も手につかず、消えてしまいたいと思うことがあります。
そのつらさは、浮気をした側であっても、話してよいものです。消えたい・死にたい気持ちがあるときは、カウンセリングの予約を待たずに、#いのちSOS(0120-061-338、24時間)など、今すぐ話せる窓口に連絡してください。ほかの番号は[浮気や不倫で死にたいほどつらいときの相談先](/uwaki-tsurai-kokoro-sodan/)にまとめています。
出典・参考にした公的な情報
- 公認心理師法 第2条・第41条・第42条・第44条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 公認心理師(厚生労働省)
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 第6条・第46条・第47条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 弁護士法 第72条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。