探偵・浮気調査の選び方と費用 / 制度解説

探偵業法で決まっていること:届出・標識・重要事項説明・秘密保持

この記事のもくじ
  1. 探偵業法の要点を条文ごとに一覧で見る
  2. 探偵業務の定義と届出(2条〜5条)
  3. 調査のやり方の線(6条・9条)
  4. 契約の書面と秘密保持(7条・8条・10条)
  5. 標識の掲示と2024年の改正(11条・12条)
  6. 違反したときの処分と罰則(13条〜21条)

探偵業法(正式名は「探偵業の業務の適正化に関する法律」)は、探偵業者に、公安委員会への届出、標識の掲示、契約前と契約後の書面の交付、違法な目的の調査をしないこと、秘密を守ることなどを義務づけた法律です。2007年(平成19年)6月に施行され、2024年4月には標識の制度に、2025年6月には罰則の刑の名前に改正が入っています。探偵に特別な調査の権限を与える法律ではなく、ほかの法律で禁じられたことは探偵もできません。

探偵業法の要点を条文ごとに一覧で見る

まず全体を表で見ておきます。依頼者の側から見て使い道がある条文には、使う場面を添えました。

条 決まっていること 依頼者が使う場面
1条 目的:業務の適正を図り、個人の権利利益を守る —
2条 探偵業務・探偵業・探偵業者の定義 探偵に頼める範囲を知る
3条 探偵業を営めない人(欠格事由) —
4条 営業所ごとに公安委員会へ届出 標識と書面の公安委員会を見る
5条 名義貸しの禁止 契約書・請求書の名義を見る
6条 ほかの法令で禁じられた行為はできない/生活の平穏を害さない 調査の方法を聞くとき
7条 依頼者から「違法な目的に使わない」書面を受け取る 契約時の署名
8条 契約前の重要事項説明の書面、契約後の書面 料金・期間・解約・資料の処分を確かめる
9条 違法な目的と知ったら調査しない/探偵業者以外に委託しない 委託の有無を聞く
10条 秘密を漏らさない/資料の不正利用を防ぐ 相談内容の扱いを聞く
11条 従業者への教育 —
12条 従業者名簿の備付け、標識の掲示(営業所・ウェブ) 業者選びで標識を見る

条文そのものは、e-Gov法令検索で「探偵業の業務の適正化に関する法律」と検索すると読めます。

探偵業務の定義と届出(2条〜5条)

2条1項は「探偵業務」を、他人の依頼を受けて、特定の人の所在や行動についての情報を集める目的で、面接による聞込み、尾行、張込みなどの方法で実地に調べ、その結果を依頼者に報告する業務と定めています。この業務を営業として行えば、「探偵」「興信所」「調査会社」など名乗り方に関係なく探偵業にあたります。報道機関の依頼で報道のために行うものは除かれます。定義に入っているのは調べることと報告することまでで、相手との交渉は含まれません(探偵ができること・できないこと)。慰謝料の請求や示談の代理のような法律事務は、弁護士でない人が報酬を得る目的で扱うことを弁護士法72条が禁じています。探偵業の届出をしていても、この線は変わりません。

4条は、探偵業を営もうとする人に、営業所ごとに、その所在地の公安委員会へ届出書を出すよう求めています。施行規則では、開始の届出は営業を始めようとする日の前日まで、所轄の警察署長を経由して出します。届出であって許可ではないので、公安委員会が業者の質を審査して認める仕組みではありません。3条は欠格事由として、破産して復権していない人、暴力団員や暴力団員でなくなって5年を経ていない人などを挙げています。5条は、自分の名義で他人に探偵業を営ませる名義貸しを禁じています。

調査のやり方の線(6条・9条)

6条は、探偵業者とその従業者に対し、探偵業法があるからといって、ほかの法令で禁止・制限されている行為ができるようになるわけではないことに留意し、人の生活の平穏を害するなど個人の権利利益を侵害しないよう求めています。どの行為がどの法律に触れうるかは、それぞれの法律で決まります。個人で証拠を集めるときの線は浮気の証拠集めで違法になりうることで扱っています。

9条1項は、調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為に使われることを知ったときは、その調査をしてはならないと定めています。9条2項は、探偵業務を探偵業者以外の者に委託することを禁じています。下請けに出すなら、相手も届出をした探偵業者でなければなりません。

契約の書面と秘密保持(7条・8条・10条)

7条により、探偵業者は契約を結ぼうとするとき、依頼者から「調査の結果を犯罪行為や違法な差別的取扱いなどに使わない」という書面を受け取ります。8条は、業者から依頼者へ渡す書面を2種類定めています。

探偵業法8条の2つの書面
契約前(8条1項:書面を渡して説明) 契約後(8条2項:遅滞なく交付)
業者の名称・住所・代表者 業者の名称・住所・代表者
届出をした公安委員会の名称 契約を担当した人の氏名・契約年月日
個人情報保護法などの法令を守ること 調査の内容・期間・方法
10条(秘密の保持など)の事項 報告の方法・期限
提供できる探偵業務の内容 委託の定めがあればその内容
委託に関する事項 支払う金銭の額・支払の時期と方法
支払う金銭の概算額・支払時期 解除の定めがあればその内容
契約の解除に関する事項 資料の処分の定めがあればその内容
資料の処分に関する事項 —

料金について、契約前の書面は「概算額」、契約後の書面は「額」と書き分けられています。延長や経費がどう扱われるかは、この2つを見比べて確かめます(探偵の追加料金でもめないために)。各項目をどう読むかは探偵と契約する前のチェックリストにまとめています。

10条1項は、探偵業者の業務に従事する人に、正当な理由なく業務上知った人の秘密を漏らさないよう求め、従事しなくなった後も同じとしています。10条2項は、調査で作ったり手に入れたりした文書・写真・電子データなどの資料について、不正・不当に使われないための措置をとるよう求めています。資料をいつどう処分するかは、8条の書面の項目です。

標識の掲示と2024年の改正(11条・12条)

11条は従業者への教育を、12条1項は営業所ごとの従業者名簿の備付けを求めています。名簿を依頼者が見られるという決まりはありません。

12条2項は、届出をしたことを示す標識を、営業所の見やすい場所に掲げ、あわせてウェブサイトで公開するよう定めています。この形になったのは2024年4月1日の改正からで、それまでは公安委員会が交付する届出証明書を営業所に掲げる決まりでした。ウェブでの公開は、常時使用する従業者が5人以下の場合と、自社のウェブサイトを持たない場合は求められません(施行規則6条)。12条3項は、探偵業者でない者が標識や似た標識を掲げることを禁じています。「届出証明書の番号を確かめる」という古い案内は、今の制度とは合いません。

違反したときの処分と罰則(13条〜21条)

公安委員会は、必要な範囲で報告を求めたり、警察職員に立入検査をさせたりできます(13条)。法律に違反して業務の適正な運営が害されるおそれがあれば指示(14条)、著しく害されるおそれがあれば営業所ごとに6か月以内の営業停止、欠格事由に当たる人には営業の廃止を命じられます(15条)。警察庁の案内では、営業停止や廃止の命令などを受けた業者は、各都道府県警察または公安委員会のサイトで処分の日から3年間公表されます。

違反の例 罰則(2025年6月1日からの現行条文)
営業停止・廃止の命令に違反(17条) 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
無届の営業・名義貸し・指示に違反(18条) 6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金
8条の書面を渡さない・記載を欠く・うそを書く、名簿の不備など(19条) 30万円以下の罰金
探偵業者でない者が標識を掲げる(20条) 20万円以下の罰金

刑の名前は、2025年6月1日施行の改正で「懲役」から「拘禁刑」に変わりました。警察庁の概要のページの罰則の表は「懲役」の表記のままなので、条文はe-Govの現行版で確かめてください。

依頼者がこの法律をいちばん使う場面は、業者を選ぶときと契約の書面を読むときです。8つの確認点にまとめた探偵の選び方と、浮気調査の流れ全体を整理した浮気調査とはもあわせて読んでください。

よくある質問

Q. 探偵になるには資格や許可が要りますか?

探偵業法は、探偵業を始める前日までに営業所の所在地の公安委員会に届け出る仕組みで、国家資格や許可の制度ではありません。ただし、破産して復権していない人や暴力団員など、3条の欠格事由に当たる人は探偵業を営めません。

Q. 探偵業法の条文はどこで読めますか?

デジタル庁が運営するe-Gov法令検索で「探偵業の業務の適正化に関する法律」と検索すると、現行の条文を読めます。手続きの細かな決まりは、同じe-Gov法令検索の施行規則に書かれています。警察庁のウェブサイトには、法律の概要と行政処分の公表の決まりがまとまっています。

Q. 探偵業法に違反している業者を見つけたら、どこに伝えればよいですか?

探偵業者に報告や立入検査を求めて監督するのは、営業所のある都道府県の公安委員会です(13条)。その都道府県警察のウェブサイトにある探偵業の案内ページで、担当の窓口を確かめられます。どこに伝えればよいか迷うときは、[浮気・不倫の相談先一覧](/uwaki-soudan-madoguchi/)から警察の相談窓口を探せます。契約のお金のもめごとは、消費者ホットライン188でも相談できます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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