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慰謝料に税金はかかる?受け取る側・払う側の扱いと国税庁の説明

この記事のもくじ
  1. 受け取った慰謝料が非課税になる理由
  2. 贈与税がかかる2つの例外:財産分与が多すぎる場合と税逃れの離婚
  3. 払う側の税金:現金で払う場合と不動産で払う場合
  4. 受け取る側が不動産をもらうとき・養育費とまとめるときの注意

受け取った慰謝料には、原則として税金はかかりません。国税庁は、心身に加えられた損害について受け取る慰謝料などは所得税が非課税だと説明しており(タックスアンサー1700番)、離婚で相手から財産をもらう場合も、通常は贈与税がかからないとしています(4414番)。ただし、財産分与として多すぎる部分や、税を免れるための離婚と認められる場合は贈与税がかかります。払う側は、現金ではなく土地や建物で払うときに税金の問題が出やすいので、名義を移す前に税務署か税理士に確かめてください。

受け取った慰謝料が非課税になる理由

国税庁のタックスアンサー1700番(令和8年4月1日現在法令等)は、交通事故などで受け取る損害賠償金は原則として非課税で、心身に加えられた損害について受け取る慰謝料もこれに含まれると説明しています。根拠は所得税法9条などです。不倫の慰謝料は、精神的な苦痛という心身の損害を賠償するもので、この一般原則の中で考えられます。

ただし、このページの例は事故の負傷が中心で、不倫の慰謝料を名指しした説明ではありません。「慰謝料」という名前がついていれば何でも非課税、という意味ではなく、何の支払いなのかという中身で見られます。

贈与税の面では、贈与税は個人から贈与で財産を取得したときにかかる税金です(4402番)。慰謝料は損害を賠償する義務に基づく支払いで、もらう側に見返りのない「贈与」とは性質が違います。

早見表:受け取るものと税金の考え方
受け取るもの 国税庁の説明 税金がかかりうる場面
不倫・離婚の慰謝料(現金) 心身の損害の賠償は所得税が非課税(1700番) 名目は慰謝料でも中身が贈与と見られる場合
財産分与(現金・不動産) 原則として贈与税はかからない(4414番) 多すぎる部分、税を免れるための離婚
養育費(毎月の支払い) 必要な都度直接充てる生活費・教育費は非課税(4405番) 預金や投資に回した場合など
不動産を受け取った 受け取った日の時価で取得したとみなされる(3114番) 将来その不動産を売るとき

贈与税がかかる2つの例外:財産分与が多すぎる場合と税逃れの離婚

離婚の場面では、慰謝料と財産分与が一緒に話し合われ、合計額で決めることもよくあります。国税庁の4414番は、離婚で財産をもらっても通常は贈与税がかからないとしたうえで、次の2つを例外として挙げています(根拠は相続税法基本通達9-8)。

  1. 分与された財産の額が多すぎる場合:婚姻中の夫婦の協力で得た財産の額やその他すべての事情を考えてもなお多すぎるときは、その多すぎる部分に贈与税がかかる
  2. 離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合:離婚でもらった財産のすべてに贈与税がかかる

1の「多すぎる」には、何割を超えたらという数字の線は示されていません。個別の事情で判断されるので、金額の大きい取り決めをするときは、合意する前に税務署に相談するか、税理士に見てもらうと安心です。

贈与税がかかる場合は、受け取った人が、受け取った翌年の2月1日から3月15日までに申告と納税をします。暦年課税では1年間にもらった財産の合計から基礎控除110万円を差し引いた残りにかかります(4402番)。

取り決めの書面で名目を分けておく

慰謝料・財産分与・養育費は、税金の扱いがそれぞれ違います。合計だけを書いた書面だと、後で何の支払いだったかを説明しにくくなります。示談書や離婚協議書では、次のように名目ごとに分けて書いておくと整理しやすくなります。

書き分けの例:「甲は乙に対し、本件不貞行為による慰謝料として金○円、財産分与として金○円を支払う。」「甲は乙に対し、子の養育費として、毎月末日限り金○円を支払う。」

書面の作り方は不倫の示談書の書き方:入れる条項の例、財産分与そのものの税金は財産分与に税金はかかる?不動産を渡す側・受け取る側の扱いで扱っています。

払う側の税金:現金で払う場合と不動産で払う場合

払う側については、国税庁の上の各ページは現金で慰謝料を払うことについて個別の説明をしていません。税金の問題が出やすいのは、現金以外の資産で払う場合です。

国税庁の3114番(令和8年4月1日現在法令等)は、財産分与を土地や建物で行うと、渡した側に譲渡所得の課税が生じると説明しています。収入金額は渡した時点の時価です。国税庁のこのページが説明しているのは財産分与の場合で、国税庁の同ページに、慰謝料の支払いに土地や建物を充てる場合の説明はありません。ただ、資産を手放して支払いに代える点は同じなので、譲渡所得の問題になりうると考えて準備しておくのが安全です。買った時より値上がりした土地や建物では、払う側に思わぬ税金がかかることがあります。

不動産で払う・受け取る前に確かめたいことを並べます。

  • 渡す不動産の今の時価(査定や固定資産税の評価の資料)
  • 買った時の価格と時期(売買契約書・登記事項証明書)
  • 住宅ローンの残りと、名義を移せるか(金融機関の同意)
  • 慰謝料・財産分与のどちらとして渡すのか(書面の名目)
  • 税務署の電話相談か税理士に、上の資料を見せて確かめる

居住用の家を売ったときの特例が使えるかなど、細かな判断は個別の税務相談になります。サイトでは条件を当てはめた判断はしないので、資料を持って税務署か税理士に確かめてください。

受け取る側が不動産をもらうとき・養育費とまとめるときの注意

受け取る側にも、不動産をもらうときの注意があります。3114番は、分与を受けた人は分与を受けた日の時価で取得したことになり、後で売るときの長期・短期の判定も分与を受けた日から数えると説明しています。将来その家を売る可能性があるなら、受け取った日と、その時の時価が分かる資料を保管しておきます。

もう一つは、養育費とまとめる場合です。国税庁の4405番は、扶養義務者から生活費や教育費に充てるために受け取る財産のうち、必要な都度直接充てるものは贈与税がかからないとし、生活費などの名目でも預金や株式・不動産の購入に充てた場合は贈与税がかかるとしています。養育費の一括払いを提案されたときの考え方は養育費の一括払いを提案されたら:受け取る側の利点・注意点と税金を参考にしてください。

慰謝料を配偶者と不倫相手の両方から受け取る場合の考え方は、配偶者と不倫相手の両方に慰謝料を請求できる?で扱っています。支払いが止まったときの強制執行は前の記事決まった慰謝料が支払われないとき:強制執行の仕組みと必要な書面で、受け取る額を合意で決める次の段階は次の記事不倫の示談の進め方:話し合いで決める項目と合意の残し方で整理します。

よくある質問

Q. 不倫相手から受け取った示談金にも税金はかかりませんか?

名前が「示談金」「解決金」でも、心身に加えられた損害の賠償として受け取るものなら、国税庁が非課税と説明する慰謝料と同じ考え方になります。非課税かどうかは何の支払いかという中身で考えるので、示談書に何の支払いかを書いておくと説明しやすくなります。名目と中身が食い違いそうなときは、示談書の案を持って税務署に確かめてください。

Q. 慰謝料を受け取ったら確定申告は必要ですか?

所得税が非課税になる慰謝料は、所得税の計算で収入に入れません。ほかに申告が必要な所得がなければ、慰謝料を受け取ったことだけを理由に申告する仕組みではありません。財産分与の多すぎる部分など贈与税がかかる場合は、贈与税の申告が別に必要になり、受け取った翌年の2月1日から3月15日までが期間です。

Q. 分割で受け取る慰謝料も非課税ですか?

国税庁の1700番は受け取り方で区別していないので、一括か分割かで非課税の考え方が変わるとは書かれていません。気をつけたいのは、慰謝料と養育費をまとめて「毎月○円」と決めてしまう場合です。養育費は別の扱い(4405番)があるので、取り決めでは名目ごとに金額を分けておくと後で整理しやすくなります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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