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不倫の示談の進め方:話し合いで決める項目と合意の残し方

この記事のもくじ
  1. 不倫の示談とは:成立すると何が変わるか
  2. 示談の進め方:最初の連絡から合意まで6つの手順
  3. 不倫の示談で決める項目
  4. 合意の残し方:示談書にするか、公正証書にするか
  5. 交渉を誰に頼むか:自分で・弁護士・認定司法書士

不倫の示談とは、慰謝料などをめぐる争いを、裁判ではなく当事者どうしの話し合いで終わらせる約束です。法律上は民法695条の「和解」にあたり、当事者が互いに譲歩して争いをやめることを約束した時点で効力が生じます。示談で決めるのは、示談金の額と支払方法、接触しない約束、口外しない約束、求償権の扱い、これ以外に請求しないという清算が中心で、決めた内容は合意書(示談書)に残します。交渉そのものを人に任せたいなら弁護士、請求額が140万円以下なら認定司法書士も代理できます。

不倫の示談とは:成立すると何が変わるか

示談が成立すると、合意した内容で争いが終わります。民法696条は、和解で権利があると認められた後に反対の証拠が出てきても、その権利は和解によって移転・消滅したものとすると定めています。つまり、署名した後で「もっと請求できたはず」「本当は払う必要がなかった」と分かっても、原則として示談の内容が優先されます。決める前に、何についての示談なのか、誰との間の示談なのかをはっきりさせておくことが、この手続きでいちばん大事な点です。

示談は裁判所を通さないので、早く・費用をかけずに終えられる一方、相手が約束を守らなかったときに、示談書だけでは直ちに強制執行はできません。強制執行までできる形にしたいなら、示談の内容を公正証書にして、金銭の支払いについて強制執行に服する旨の陳述を入れる方法があります(民事執行法22条5号)。

終わらせ方 進め方 守られなかったとき
口約束 話し合いだけ 約束の内容を示すのが難しい
示談書(当事者が署名) 話し合い→書面 調停や訴訟で支払いを求める
公正証書の示談書 話し合い→公証役場 金銭の支払いは強制執行できる
調停・訴訟 裁判所の手続き 調停調書・判決で強制執行できる

配偶者と不倫相手の両方が関わる不倫では、慰謝料は二人が連帯して負う形になるとされています(民法719条)。不倫相手とだけ示談する場合は、配偶者との関係がどうなるか、後で不倫相手から配偶者へ負担を求める「求償」が起きないかまで、示談の中で決めておくかを考えます。

示談の進め方:最初の連絡から合意まで6つの手順

示談は、次の順番で進めると漏れが少なくなります。

  1. 目的と相手を決める:お金を受け取りたいのか、関係を終わらせたいのか、謝罪がほしいのか。相手は不倫相手か、配偶者か、両方かを決めます。目的によって、譲れる条件と譲れない条件が変わります。
  2. 事実と証拠を整理する:いつから、どのような関係だったのか、それを示す証拠は何かを時系列にまとめます。証拠の手元の状況は、示談の条件を考える材料になります。
  3. 最初の連絡をする:請求する内容と回答の期限を書面で伝えます。送った日と内容を残したいときは、内容証明郵便を使う方法があります。
  4. 条件を話し合う:相手から減額や分割の希望が出ることが多い段階です。その場で答えず、持ち帰って考える時間を確保します。
  5. 合意した内容を書面にする:決めた項目を示談書にまとめ、双方が署名します。同じものを2通作り、各自が1通ずつ持つのが一般的です。
  6. 約束が守られているかを見届ける:一括払いなら入金の確認、分割払いなら毎回の入金の記録を残します。

話し合いでは、相手を追い詰める言い方に注意が要ります。「払わなければ会社や家族に知らせる」と迫ることは、脅迫(刑法222条)や恐喝(刑法249条)にあたるおそれがあると指摘されています。周囲に知らせることの危うさは不倫を周囲に知らせると名誉毀損になる?請求する側が気をつける線で整理しています。

不倫の示談で決める項目

示談の中身は、大きく3つのまとまりで決めます。話し合いの前に、自分の希望をこの3つで書き出しておくと進めやすくなります。

早見表:不倫の示談で決める3つのまとまり
  • お金:示談金の総額と、一括か分割か、支払日・振込先・遅れたときの扱い
  • 今後の約束:会わない・連絡しない範囲と期間、不倫や示談の内容を口外しない約束、不倫相手が配偶者に負担を求める(求償)かどうか
  • 終わらせ方:どの関係・期間についての示談か、この書面に定める以外に請求し合わない(清算)範囲

条項ごとの書き方と文例は不倫の示談書の書き方:入れる条項の例と作るときに気をつけることに一覧があります。

示談金の額には公的な基準表がなく、不倫の期間や婚姻関係への影響など個別の事情で考えられます。金額の考え方は浮気・不倫の慰謝料とは?請求できる場面・金額の決まり方・進め方の全体像を見てください。分割払いにするなら回数や遅れたときの扱いまで決める必要があり、慰謝料の分割払いの決め方:受け取る側・払う側と不払いに備える書面で詳しく扱っています。求償権の放棄を求められたときの考え方は求償権の放棄とは?示談で放棄を求められたときに確かめることにまとめています。

また、示談書の中で相手が「慰謝料を支払う義務がある」と認めると、時効の面でも意味があります。民法152条1項は、権利の承認があったときは時効がその時から新たに進行を始めると定めています。

合意の残し方:示談書にするか、公正証書にするか

合意した内容は、示談書にして双方が署名します。示談書の書き方と条項の例は、次の不倫の示談書の書き方:入れる条項の例と作るときに気をつけることで文例つきで示しています。

残し方 向いている場面 気をつけること
示談書(当事者が作る) 一括で支払いが済む、条件に争いがない 条項の書き方があいまいだと、後で解釈が割れる
示談書(行政書士・弁護士が作る) 書き方に不安がある 行政書士に頼めるのは合意済みの内容の書面化まで
公正証書 分割払い、相手の支払いに不安がある 相手が公証役場の手続きに応じることが前提

分割払いや支払いが先になる約束なら、公正証書にしておくと、支払いが止まったときに裁判を経ずに強制執行の手続きに進めます。流れと費用は不倫の示談書を公正証書にするメリットと公証役場での流れで整理しています。

交渉を誰に頼むか:自分で・弁護士・認定司法書士

示談の交渉は、自分で進めることも、人に頼むこともできます。ただし、報酬を受け取って相手との交渉を代わりに行えるのは、原則として弁護士です(弁護士法72条)。

頼む相手 できること 範囲の線
自分で進める 連絡・話し合い・示談書の作成 相手が弁護士を立てると、やり取りが専門的になりやすい
弁護士 交渉の代理、示談書の作成、調停・訴訟の代理 金額の上限はない
認定司法書士 交渉(裁判外の和解)の代理、簡易裁判所の訴訟の代理 紛争の目的の価額が140万円以下に限る(司法書士法3条1項7号・裁判所法33条1項1号)
行政書士 合意した内容の示談書の作成 相手との交渉はしない
探偵・カウンセラー 調査・気持ちの相談 示談の交渉は頼めない

相手が弁護士を立ててきた、条件で大きく対立している、離婚の話し合いと一緒に決めたい、という場合は、弁護士に頼む意味が大きくなります。司法書士と行政書士の違いは慰謝料請求は司法書士や行政書士にも頼める?できることの範囲の違いを参照してください。請求された側として示談に応じる人は、不倫の示談に請求された側が応じるとき:示談書で確かめる条項に、確かめる条項をまとめています。

弁護士に依頼するなら、選ぶときは、浮気・不倫の慰謝料の事件を扱っているか、着手金と報酬金の見積もり、示談がまとまらなかったときに調停や訴訟まで続けて頼めるかを最初の相談で確かめます。

よくある質問

Q. 示談書にサインした後で、金額が低すぎたと気づいたら変えられますか?

示談は互いに譲り合って争いをやめる約束なので、成立した後で「やはり足りない」と言っても、原則として蒸し返すことはできません(民法695条・696条)。相手が応じれば合意し直すことはできますが、応じる義務はありません。金額に迷いがあるうちは署名をせず、持ち帰って弁護士に見てもらう時間をとります。

Q. 不倫相手と直接会わずに示談を進めることはできますか?

できます。条件の提示も回答も、郵便やメールなど書面のやり取りで進められ、合意書は郵送で署名し合う形でも作れます。顔を合わせたくない、言い争いになりそうという場合は、弁護士に代理人として交渉を頼めば、相手とのやり取りはすべて弁護士を通すことになります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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