浮気調査アプリを使う前に:相手の端末に入れることの危うさ
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浮気調査アプリのうち、相手のスマホに無断で入れて位置やメッセージ、通話の情報を送らせるタイプは、使う前に立ち止まってください。 使う人の意図に反して動くプログラムを人のスマホで動かすことは刑法168条の2の問題になりえ、相手の承諾なしに位置情報を取ることはストーカー規制法が、相手のIDとパスワードでアカウントに入ることは不正アクセス禁止法が、それぞれ規制しています。どれにも夫婦を除く定めはありません。一方、お互いに納得して使う位置共有や、自分のスマホで記録をつけるアプリは別の話です。この記事では、アプリを3種類に分けて線を示し、アプリに頼らずに浮気を確かめる方法を紹介します。
自分のスマホや持ち物が見張られているかもしれない人は、調べ方の話より先に、警察へ相談してください。窓口の使い分けは不倫で脅迫されたとき:110番と#9110の使い分けと最初にすることにあります。
浮気調査アプリは3種類:問題になるのは「相手の端末に無断で」入れるもの
「浮気調査アプリ」と呼ばれるものは、使い方で大きく3つに分かれます。危うさが集中しているのは、1つ目です。
| 型 | 使い方の例 | 関係する法律 | 判断の目安 |
|---|---|---|---|
| 相手の端末に入れる監視アプリ | 相手のスマホに入れ、位置・メッセージ・通話・写真を自分に送らせる。アイコンを隠す | 刑法168条の2・168条の3、ストーカー規制法2条3項、内容によって不正アクセス禁止法 | 相手の承諾がなければ使わない |
| 合意して使う位置共有 | 夫婦で話し合い、お互いの位置を見られるように設定する | 合意がある限り別の話。相手が共有をやめた後に取り続けると問題になりうる | 共有を始める・やめるを相手と決める |
| 自分の端末だけで使う記録アプリ | メモ、カレンダー、家計簿、写真の整理で、自分が見聞きしたことを残す | 自分の端末と自分の記録なので、この記事の問題は生じにくい | すすめられる使い方 |
GPSアプリという呼び方もよく使われますが、問題は「GPSかどうか」ではなく、相手の承諾があるか、相手の端末で相手の意図に反して動くかです。合意して使う共有の扱いは位置情報の共有アプリと浮気:合意して使う場合と無断で使う場合の違いで詳しく説明しています。
相手のスマホに監視アプリを入れることが問題になりうる法律
相手の端末に監視アプリを入れる行為には、少なくとも3つの法律が関わります。
- 刑法168条の2・168条の3(不正指令電磁的記録):使う人がコンピュータを使うときに、その意図に沿う動作をさせない、又は意図に反する動作をさせる不正な指令を与えるプログラムを、正当な理由なく人のコンピュータで動かすこと(供用)は、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象です(168条の2第2項。未遂も罰せられます)。人のコンピュータで動かす目的で、そうしたプログラムを手に入れたり保管したりすることも、2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金の対象です(168条の3)。
- ストーカー規制法(位置情報無承諾取得等):恋愛感情その他の好意の感情、又はそれが満たされなかったことへの怨恨の感情を満たす目的で、相手の承諾なしに、相手が持つ機器の位置情報を取ることなどが規制されています(2条3項)。政府広報オンライン(2026年3月)と警察庁の資料は、規制の対象となる行為の例として、相手のスマホに無断でインストールした位置情報アプリで位置情報を取ることを挙げています。目的の要件があるため、どの場合も当たるとは言えませんが、配偶者を外す定めもありません。
- 不正アクセス禁止法:アプリの設定やクラウドの確認のために、相手のIDやパスワードを入力してアカウントに入ると、不正アクセス行為(2条4項・3条)の問題になります。ログインに使うつもりでパスワードを盗み見て控えることも、4条で禁じられています。
ストーカー規制法の行為を繰り返せば「ストーカー行為」として1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象になり(18条)、2025年12月30日からは、相手の申出がなくても警察が職権で警告できるようになっています(4条)。また、配偶者からの暴力で裁判所の保護命令が出ている場合は、承諾なしに位置情報を取ることや機器を取り付けることも、命令で禁じられる行為に含まれます(DV防止法10条2項)。
刑事の責任とは別に、勝手に相手の私生活をのぞいたことは、プライバシーの侵害として損害賠償を求められる理由にもなりえます。罪になるかどうかは事情で決まり、最後は捜査機関と裁判所が判断しますが、相手のスマホに無断で入れる時点で、こうした線に正面から近づくことは知っておいてください。証拠集めの線の全体は浮気の証拠集めで違法になりうること:スマホ・GPS・侵入の線引きにまとめています。
「バレないアプリ」ほど危うい理由
「浮気調査 アプリ バレない」という検索が多いのは、相手に気づかれずに情報を集めたいからでしょう。けれども、気づかれないように作られていることそのものが、法律の上では不利な方向に働きます。
刑法168条の2の中心にあるのは「使う人の意図に反する動作」です。アイコンを隠す、通知を出さない、本人の知らないうちに位置やメッセージを外に送る、という動きは、まさに持ち主の意図に反する動作の典型と言えます。見守りアプリなどの市販のアプリがいつもこれに当たるわけではありませんが、持ち主に知らせず動くよう設定して使えば、話は変わってきます。
現実の面でも、隠しきれるとは限りません。政府広報オンラインは、多くのスマホに不審なトラッカーを見つけて知らせる機能がある(機種によって異なる)と案内しています。相手が気づいて警察に相談すれば、浮気を確かめるどころか、自分が警告や捜査の対象になり、話し合いの主導権も失います。
アプリを使わずにできること
相手の端末に触れずに、浮気を確かめる手段はあります。
- 自分のスマホで記録をつける:帰宅時刻、外出の予定、本人の説明、気になった出来事を、日時つきでメモやカレンダーに残す。書き方は浮気の記録ノートの付け方:日時・行動・やりとりを書く型と見本を参考にする
- 家計の記録を見直す:夫婦で共有している口座やカードの明細を、家計の管理として確かめる
- 位置の共有は話し合って始める:「お互いに安心したいから」と提案し、相手が同意した範囲で使う。やめたいと言われたら止める
- 事実を確かめる調査は、届出をした探偵業者に相談する:探偵業者でも、相手のスマホにアプリを入れることはできません。尾行・張込みなどで調べる仕組みと費用は浮気調査とは:探偵に頼む流れ・費用の仕組み・選ぶときの確認点で確かめる
- 慰謝料や離婚まで考えているなら、弁護士に先に相談する:何が足りないかを聞いてから動くと、無理な方法に手を出さずに済む
文例(位置共有を提案するとき):「最近、帰りの時間が読めなくて不安になることが多いの。お互いの居場所が分かるように、位置の共有を一緒に設定しない?嫌なら無理にとは言わないし、やめたくなったらいつでもやめていいから。」
GPS機器や盗聴器、カメラなど、アプリ以外の道具の危うさは次の浮気調査の道具を買う前に:GPS・盗聴器・カメラで問題になる点で扱います。探偵の調査と個人の調査で何が違うかは、ひとつ前の浮気調査は違法か:探偵の調査と個人の調査で問題になる点の違いにまとめています。
自分のスマホが見張られているかもしれない人へ
逆に、自分のスマホに見覚えのないアプリが入っている、パートナーが知るはずのない居場所ややりとりを知っている、という不安からこの記事にたどり着いた人もいるかもしれません。
警察庁の不正アクセス対策のページは、アカウントに勝手に入られた疑いがあるときの手順として、サービスの提供会社への連絡、パスワードの変更(同じパスワードを使っている他のサービスも)、ログイン履歴を画面保存や印刷で残すこと、警察署やサイバー犯罪の相談窓口への相談を挙げています。持ち物から紛失防止タグなどを見つけた場合は、自宅に持ち帰らずに交番や警察署に相談するよう、政府広報オンラインが呼びかけています。
相手に暴力や強い支配がある場合、アプリを急に消すと相手の態度が変わることもあるので、消す前に相談先と一緒に、身の安全と記録の残し方を考えてください。警察への相談の仕方は#9110とは:浮気・不倫のトラブルで警察に相談できることに、暴力がある場合の窓口は浮気を問い詰めたら暴力を受けた:DVの相談窓口と安全のための準備にあります。
よくある質問
Q. 夫婦なら、相手のスマホに浮気調査アプリを入れても許されますか?
夫婦であることを理由に外す定めは、刑法168条の2にも、ストーカー規制法の位置情報の規定にも、不正アクセス禁止法にもありません。どの法律でも問題になるのは、相手の承諾がないことや、相手の意図に反して動くことです。夫婦だから大丈夫、とは考えないでください。
Q. 家族で使っている位置情報の共有アプリも、問題になりますか?
お互いに納得して始めた共有と、無断で位置を取ることは分けて考えます。ただ、政府広報オンラインは、交際中に入れた位置情報共有アプリから、相手が共有を拒んだ後も無断で位置を取り続ける行為を、ストーカー規制法の規制対象の例に挙げています。相手が共有をやめたいと言ったら、そこで止めるのが線です。
Q. もう相手のスマホにアプリを入れてしまいました。どうすればよいですか?
まず、それ以上データを取るのをやめてください。そのうえで、いつ、どのアプリを、どうやって入れ、何を見たかを紙にまとめ、弁護士に相談して、アプリや手に入れたデータをどう扱うかを決めます。慌てて自分だけで消したり、手に入れた内容を相手に突きつけたりすると、話し合いも自分の立場も難しくなります。
出典・参考にした公的な情報
- 刑法 第168条の2・第168条の3(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- ストーカー行為等の規制等に関する法律 第2条・第3条・第4条・第18条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- ストーカー規制法の規制対象となる行為と相談先(政府広報オンライン、2026年3月)(内閣府政府広報室)
- ストーカー規制法の規制対象行為(警察庁)(警察庁)
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第2条・第3条・第4条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 不正アクセス対策(警察庁)(警察庁)
- 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律 第10条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。