相談先と安全の窓口 / 悩み整理

モラハラ夫と浮気が重なるとき:記録の残し方と安全のための相談先

この記事のもくじ
  1. モラハラは、法律ではどう扱われるか
  2. 浮気とモラハラが重なると、何が起きやすいか
  3. 記録の残し方
  4. 相談先の選び方

夫の浮気が分かったあと、責めたのはこちらなのに「お前のせいだ」と言われる。話し合おうとすると怒鳴られる、無視される、生活費を渡されない。そうした日が続いているなら、浮気の問題とは別に、あなたが受けている言動そのものを整理する必要があります。いま身の危険を感じるなら110番。暴力や脅しがあるなら**DV相談+(0120-279-889)が24時間使えます。眠れない、消えたいほどつらいときは、#いのちSOS(0120-061-338)**が24時間受けています。

窓口の全体は浮気・不倫の相談先一覧:悩み別の窓口と番号・受付時間の早見表で確認できます。身体的な暴力もあるなら、先に浮気を問い詰めたら暴力を受けた:DVの相談窓口と安全のための準備を読んでください。

モラハラは、法律ではどう扱われるか

「モラハラ」は一般に使われる言葉で、法律の用語ではありません。法律で近い位置にあるのが、DV防止法1条の「配偶者からの暴力」です。この定義には、身体への暴力のほかに、これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動が入ります。内閣府のQ&Aは、これをいわゆる精神的暴力や性的暴力などと説明し、刑法上の脅迫に当たる言動も含まれるとしています。

つまり、精神的な暴力もDVに含まれうるということです。ただし、相談できることと、裁判所の命令を出してもらえることは、別の話です。

場面の例 DV防止法上の位置づけ 使いやすい窓口
人格を否定する言葉を毎日浴びせられる 精神的暴力として相談の対象になりうる DV相談+、配偶者暴力相談支援センター
無視される、家族や友人との連絡を制限される 同上。内容と程度で変わる 同上、自治体の女性相談
「殺す」「会社にばらす」と告げられる 脅迫に当たる言動を含みうる。保護命令の前提になる場合がある 110番、#9110、DV相談+
物を壊す、壁を殴るなど、暴力をほのめかす 内容によっては脅迫や精神的暴力 DV相談+、警察
生活費を渡されない DV防止法の当てはめとは別に、夫婦の生活費の分担(婚姻費用)の問題 家庭裁判所、弁護士

保護命令は、殴る蹴るなどの身体に対する暴力、または生命・身体・自由・名誉・財産に害を加える旨の脅迫を受けた人が、さらに重大な危害を受けるおそれが大きいときに申し立てられます(DV防止法10条)。暴言や無視だけでは、この前提を満たしません。詳しい要件と流れは保護命令とは?配偶者からの暴力で申し立てる手続きと相談先にあります。

浮気とモラハラが重なると、何が起きやすいか

浮気とモラハラが同じ家庭にあるとき、悩みは二重になります。

  • 浮気を責めた側が、逆に「責められる側」にされる
  • 浮気の証拠を集めようとすると、監視や束縛が強まる
  • 離婚を口にすると、さらに怒鳴られる、生活費を止められる
  • 「自分が悪いのかもしれない」と、判断の軸が揺らぐ

浮気の有無と、あなたが日々受けている言動は、別々に評価されます。浮気は民法770条1項1号の「不貞な行為」や慰謝料の話に、モラハラは「婚姻を継続し難い重大な事由」(同項4号)や、DV防止法の相談の話につながります。どちらも、一人で判断せず、記録を持って相談するのが現実的です。

記録の残し方

モラハラは、一回ごとには小さく見えて、続くことで重くなります。そのため、後から「続いていた」と伝えられる記録が役に立ちます。

  1. 日付・時刻・場所・言われたこと・されたことを書く。 言葉は、思い出せる限りそのまま書きます。
  2. 自分への影響も短く添える。 眠れなかった、食べられなかった、仕事を休んだなど。受診したら、医療機関名と日付を残します。
  3. メッセージやメールは削除しない。 画面を撮り、日時と相手の表示が写るようにします。
  4. 録音は、危険が増さないときだけ。 相手に気づかれて怒りを買うおそれがあるなら、無理に録りません。録音の可否と使い方は、相談先に聞いてから決めます。
  5. お金の動きを控える。 生活費を渡されない日が続くなら、受け取った額・日付、家計の状況をメモします。
  6. 保管場所に気をつける。 相手がスマホやパソコンを見られるなら、家に置かない形(信頼できる人や窓口に相談したうえでの預け方)を考えます。

記録の書き方の例です。

10月8日 22時ごろ 台所。浮気のことを聞いたら「うるさい、黙れ」と大声で言われ、食器を床に投げられた。子どもは隣の部屋にいた。翌朝まで口をきいてもらえなかった。

ここで気をつけたいのは、相手のスマホに無断で入る、位置情報を取る、といった方法で浮気の証拠を集めないことです。禁じる法律があり、見つかったときの危険も大きくなります(浮気の証拠集めで違法になりうること:スマホ・GPS・侵入の線引き)。モラハラの記録は、自分が受けたことを書くものなので、相手の端末に触れる必要はありません。

相談先の選び方

状況 先に考える窓口
暴力や脅しがある、今夜が不安 110番、DV相談+(電話24時間)
地元で支援の選択肢を知りたい #8008(配偶者暴力相談支援センター)
暴力まではないが、家庭の悩みを聞いてほしい 自治体の女性相談・家庭相談(自治体の女性相談・家庭相談でできること:浮気や離婚の悩みを話す前に)
つらさで眠れない、消えたい #いのちSOS、よりそいホットライン(0120-279-338)
離婚・生活費・慰謝料を弁護士に相談したい 弁護士会、法テラス(弁護士会の法律相談センターの使い方:予約・費用・離婚相談の流れ)

生活費を渡されないときは、民法752条・760条が、夫婦は互いに協力して扶助し、婚姻から生じる費用を分担すると定めています。別居していても、分担を求める調停(婚姻費用の分担請求)を家庭裁判所に申し立てられます。申立ての手数料は収入印紙1,200円と連絡用の郵便切手です(郵便切手の額は裁判所ごとに異なります)。

記録を持って相談に行くまで
  1. 安全を確保する(危険があれば110番)
  2. 日付・言葉・影響を、記録として残す
  3. 窓口で「いまの状況でできること」を聞く(離婚は決めなくてよい)
  4. 必要なら弁護士に、離婚・生活費・慰謝料の進め方を相談する

離婚するかどうかは、安全と生活の見通しが立ってから決めても遅くありません。話し合いがこじれるときは、家庭裁判所の夫婦関係調整調停(離婚)を使う方法もあり、DVがある場合の配慮はDVがあるときの離婚調停:顔を合わせない工夫と安全のための申出に書いています。子どもがいる家庭で、子どもの前で配偶者への暴言や暴力があるときは、子供の前での夫婦喧嘩が続くとき:子供を守るための相談先も読んでください。

よくある質問

Q. モラハラだけでも離婚できますか?

夫婦が話し合って合意すれば、協議離婚はできます(民法763条)。合意できず裁判で離婚を求める場合は、民法770条1項が挙げる理由のどれに当たるかが問われます。モラハラが婚姻を継続し難い重大な事由に当たるかは、内容や期間などの事情で判断が分かれるため、記録を持って弁護士に確かめてください。

Q. モラハラを理由に保護命令は出ますか?

暴言や無視だけでは、保護命令の申立ての前提を満たしません。前提は、身体に対する暴力、または生命・身体・自由・名誉・財産に害を加えると告げる脅迫を受けたことです。「殺す」「家から出られなくする」などの脅しがあれば、前提に入る可能性があります。発令するかは裁判所が判断します。

Q. 離婚するかどうか決めていなくても相談してよいですか?

相談できます。配偶者暴力相談支援センターや自治体の女性相談は、離婚を決めた人だけが使う窓口ではありません。気持ちを整理する段階の相談もできます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

浮気を問い詰めたら暴力を受けた:DVの相談窓口と安全のための準備

保護命令とは?配偶者からの暴力で申し立てる手続きと相談先

浮気・不倫の相談先一覧:悩み別の窓口と番号・受付時間の早見表

自治体の女性相談・家庭相談でできること:浮気や離婚の悩みを話す前に