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養育費はいつまで?20歳・大学卒業など終わりの決め方

この記事のもくじ
  1. 結論:終わりは取り決めで決まる(早見表)
  2. 成年年齢18歳との関係:自動的に18歳までにはならない
  3. 20歳か、大学卒業か:書き分けの考え方
  4. 取り決めと実態がずれたとき:変更の道筋
  5. 書面に残すときのチェックリスト

養育費の終わりの時期は、法律が一律に決めておらず、父母の取り決めで決まります。成年年齢が18歳になっても、養育費が自動的に18歳で終わるわけではありません。法務省は、養育費は子が経済的に未成熟な間支払われるもので、大学に進学している間は卒業まで支払義務を負うことも多いと説明しています。新しく取り決めるときは、「20歳まで」「大学卒業まで」「22歳に達した後の3月まで」のように、終わりを日付で特定できる形で書くのが大切です。

結論:終わりは取り決めで決まる(早見表)

民法766条1項は、離婚するときに子の監護に要する費用の分担を協議で定めると規定していますが、条文に「何歳まで」とは書かれていません。そのため、終わりは父母の合意、あるいは調停・審判の内容で決まります。主な書き方と、それぞれの特徴は次のとおりです。

比較表:養育費の終わりの書き方(一般的な形の例)
書き方の例 終わりが特定できるか 注意する点
「成年に達するまで」 成年年齢の変更後は、読み方で争いになりうる 法務省は終期を明確に定めることが望ましいとしている
「満20歳に達する月まで」 日付で特定できる 大学に進学する場合は、20歳で終わるかどうかを別に決めておく
「満18歳に達した後の最初の3月まで」 高校卒業の時期で特定できる 進学する場合の延長を、別の条項で書く
「満22歳に達した後の最初の3月まで」 大学等の卒業の時期をおおむね含む。法務省が例に挙げている書き方 進学しない場合の短縮を書くかを決める
「大学を卒業する月まで」 卒業の月が出来事で決まる 浪人・留年・大学院・進学しなかった場合の扱いを書かないと争いになりやすい

どれを選ぶかは、子の進学の見通し、父母の収入、支払う側の負担で変わります。表のとおりに決める必要はなく、どの書き方でも、あとで読んだ人が同じ日付を思い浮かべられるかを確かめます。

成年年齢18歳との関係:自動的に18歳までにはならない

民法4条は、2022年4月1日から、成年を18歳と定めています。法務省の案内(平成30年10月4日付)は、成年年齢の引下げと養育費の関係を次のように整理しています。

  • 「子が成年に達するまで養育費を支払う」という取り決めがあっても、成年年齢が引き下げられたことで、支払期間が当然に18歳までになるわけではありません。養育費は子が経済的に未成熟な間支払われるものだからです。
  • 取り決めをした時点で成年年齢が20歳だったことから、引下げ後も従前どおり20歳まで支払義務を負うと考えられています。
  • 新たに取り決めをする場合は、「22歳に達した後の3月まで」のように、終期を明確に定めることが望ましいとされています。

2026年4月1日に始まった法定養育費の終わりは、これとは別の扱いです。養育費を取り決めずに離婚した場合の法定養育費は、父母が養育費を定めた日、養育費の審判が確定した日、子が成年(18歳)に達した日のいずれか早い日までです(民法766条の3)。取り決めまでのつなぎの制度なので、「18歳まで受け取れる」と読むのではなく、取り決めの前提にとどめます。数字と経過措置は離婚の法改正2026年4月施行:共同親権・法定養育費・財産分与の変更点を見てください。

20歳か、大学卒業か:書き分けの考え方

「大学卒業まで」を書面に入れるかどうかは、進学の見通しと、費用の負担の双方で決まります。厚生労働省の令和3年度全国ひとり親世帯等調査(令和3年11月1日時点、推計値)には、判断の材料になる数字が3つあります。

  • 母子世帯の母が子の最終進学目標を「大学・大学院」とする割合は50.1%です。
  • 母子世帯の子の高校卒業後の進路は、「大学」が41.4%、大学・短大・専修学校・各種学校を含む大学等への進学率が66.5%です。
  • 父子世帯では、高校卒業後の進路は「就労」が36.1%と最も高く、大学等への進学率は57.9%です。

養育費の終わりを書く時点では、子が小さく、進学先が決まっていないことが多いものです。そこで、書き方は次の2つの形が考えられます。

  1. 進学先が決まっていない前提で、日付を長めに決める。 「22歳に達した後の最初の3月まで」と決め、進学しなかったときの短縮を別に書く。
  2. 進学の有無で場合分けする。 「大学等に進学したときは22歳に達した後の最初の3月まで、進学しなかったときは18歳に達した後の最初の3月まで」と書く。

文例(一般的な形の例):「乙は甲に対し、養育費として、令和○年○月から、子が満22歳に達した後の最初の3月まで、毎月末日限り、子1人につき金○万円を支払う。ただし、子が大学等に進学しなかった場合は、満18歳に達した後の最初の3月までとする。」

ここでの「甲」「乙」は父母の呼び名で、実際の書面は、個別の事情に合わせて弁護士や公証役場で整えてください。額の決め方は養育費算定表の使い方:表の選び方・収入の読み取り・幅の扱いの手順に、決まった額の分布は養育費の相場の調べ方:算定表と司法統計で見る金額の分布にあります。

取り決めと実態がずれたとき:変更の道筋

子の進学先が変わった、就職した、親の収入が大きく変わったなど、取り決めと実態がずれる場面があります。裁判所の養育費請求調停のページは、再婚や子の進学など事情の変更があった場合は、養育費の額の変更(増額・減額)を求める調停や審判を申し立てられると案内しています。日本公証人連合会も、離婚後に事情が変われば養育費の額や支払方法を協議で変更でき、まとまらなければ調停を申し立てられると案内し、「一切解決済み」といった条項にも将来の変更を一切認めない効果まではないとしています。

終わりの日が来る前に、延長するか、早めるかを話し合う場面もあります。自分の判断で払うのをやめると、取り決めの内容によっては未払いとして扱われます。まず相手に連絡して合意書を作り、まとまらなければ調停を使う順番が基本です。調停の流れは養育費調停の流れ:申立て・費用・決まらないときの審判で説明しています。

書面に残すときのチェックリスト

終わりの時期を決めたら、次の5点を書面に入れます。

  • 終わりの日(「満22歳に達した後の最初の3月」のように、日付が特定できる形)
  • 進学しなかった場合・就職した場合など、場合分けの有無
  • 留年・浪人・大学院に進んだ場合の扱い
  • 月額とは別に、入学金・授業料など特別な費用をどう分けるか
  • 事情が変わったときは、協議し、まとまらなければ調停で見直すこと

書面は、払われなくなったときに強制執行へ進める形(公正証書で強制執行認諾の文言を入れる、または調停調書にする)にしておくと、後の手続が短くなります。作り方は養育費を公正証書にする手順:強制執行できる文言と費用で説明しています。養育費の全体像は養育費とは?決め方・算定表・2026年からの法定養育費までに、払われなくなったときの手段は養育費を払わない相手には:先取特権・強制執行と相談先の使い分けにあります。

よくある質問

Q. 子が大学に進学しなかった場合、「大学卒業まで」と書いた養育費はどうなりますか?

書いた文言と、進学しなかった場合の定めがあるかで変わります。「大学卒業まで」とだけ書いてあると、進学しなかったときの終わりが読み取れず、争いになりやすくなります。取り決めを作る段階で、「大学等に進学しなかったときは、満18歳に達した後の最初の3月まで」のように、場合分けをして書いておくのが一般的な備えです。すでに書面がある場合は、作成した場所の窓口か弁護士に確かめてください。

Q. 成年年齢が18歳になりました。20歳までと決めた養育費は、18歳までに短くなりますか?

法務省は、成年年齢が引き下げられても、養育費の支払期間が当然に18歳までになるわけではないと説明しています。引下げ前に「成年に達するまで」と取り決めた場合は、当時の成年年齢が20歳だったことから、従前どおり20歳まで支払義務を負うと考えられるとしています。ただし個別の争いは、最終的には家庭裁判所の判断になります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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