浮気相手と別れさせるには:別れさせ業者を使わない理由と夫婦でできること
この記事のもくじ
浮気相手と配偶者を別れさせる決まった方法は、残念ながらありません。関係を終わらせるかどうかを最後に決めるのは配偶者本人で、外から強制する手段は法律上も用意されていないからです。**あなたにできるのは「配偶者に終わらせると決めてもらい、その約束を形にして見届けること」**です。別れさせ工作をうたう業者に頼む方法は、探偵業法の線を越えるおそれや、逆に弱みを握られる危うさがあるので使わないでください。この記事では、夫婦の側で進められる手順と、業者を避ける理由を順に整理します。
浮気相手と別れさせるには、まず配偶者に終わらせると決めてもらう
不倫の関係は、配偶者と不倫相手の2人の間にあります。あなたが不倫相手に何を言っても、配偶者が連絡を続ければ関係は切れません。反対に、配偶者がはっきり終わらせて連絡を断てば、不倫相手が別れを嫌がっても関係は続けにくくなります。働きかける相手は、まず配偶者です。
進め方は次の5段階です。
- 自分の望みを決めておく:やり直したいのか、離婚も考えているのか、まだ決められないのか。どれでも構いませんが、決まっていないなら「今は関係を終わらせることだけ求める」と範囲を絞ります。
- 求める行動を具体的にする:「別れて」だけでは、何をすれば別れたことになるのかが人によって違います。別れの連絡を送る、連絡先とトーク履歴を削除してブロックする、会う約束をすべて取り消す、などを挙げます。
- 別れの連絡は配偶者自身に送ってもらう:あなたが代わりに送ると、相手の怒りや反発があなたに向きます。送る前に文面をあなたが見る、送った画面を見せてもらう、と決めておきます。
- 期限を決める:「今週末までに」のように日付を区切ります。期限を過ぎても動かないこと自体が、次の判断の材料になります。
- 書面に残す:話し合いで決めたことを誓約書にまとめます(3つ目の見出しで扱います)。
文例(配偶者に求めるとき):「あの人との関係を終わらせてほしい。今週中に、あなたから別れの連絡を送って、その画面を見せてほしい。連絡先も消して、会う予定は全部取り消して」
文例(配偶者が不倫相手に送る別れの連絡):「妻に知られました。関係は今日で終わりにします。今後は個人的な連絡はしません。こちらからの連絡先も削除します」
別れの文面には、相手を責める言葉や、あなたの怒りを代わりに伝える言葉を入れないほうが安全です。「妻が怒っていて何をするか分からない」といった言い回しは、脅しと受け取られて相手の態度を硬くします。
別れさせ業者(別れさせ工作)を使わない理由
ネットには「浮気相手と別れさせます」「工作員が相手に近づきます」とうたう業者があります。気持ちが追い詰められているときほど頼みたくなりますが、次の理由から選択肢に入れないでください。
| 業者のうたい文句の例 | 法律の線・起こりうること |
|---|---|
| 探偵だから工作もできる | 探偵業法2条1項の探偵業務は、聞込み・尾行・張込みなどの実地の調査と、その結果の報告です。相手の気持ちに働きかけて別れさせることは、この定義に入っていません |
| どんな方法でも成功させる | 探偵業法6条は、この法律があっても他の法令で禁じられた行為ができるようにはならないこと、人の生活の平穏を害するなど個人の権利利益を侵害しないことを求めています |
| 相手との話もこちらでつける | 報酬を得る目的で他人の法律事件について交渉などをすることは、弁護士法72条が弁護士以外に禁じています |
| 秘密は守るので安心 | 警察庁は探偵業法ができた背景として、調査対象者の秘密を使った恐喝などをする悪質な業者がいたことを挙げています。依頼すれば、あなたの家庭の事情もその業者に渡ります |
ほかにも、工作の中で不倫相手に何らかの損害が生じれば、依頼した側が民法709条の損害賠償を求められるおそれがあります。高額の着手金を払ったのに何も報告がない、解約を申し出たら高い違約金を求められた、といったお金のトラブルも起きがちです。契約で困ったときは、近くの消費生活センターにつながる消費者ホットライン188が相談先になります。番号と受付の一覧は浮気・不倫の相談先一覧にまとめています。
浮気の事実を確かめたいだけなら、届出をした探偵業者に調査と報告を頼む道があります。何を頼めて何を頼めないかは探偵ができること・できないこと、届出や標識の見方は探偵業法で決まっていることで整理しています。
| 手段 | 担い手 | できること |
|---|---|---|
| 関係を終わらせる・連絡を断つ | 配偶者本人 | 別れの連絡、連絡先の削除、会わない |
| 約束を書面にする | 夫婦(作成を専門職に頼むこともできる) | 誓約書・念書 |
| 不倫相手に接触しないよう求める、慰謝料とあわせて取り決める | 弁護士 | 代理での請求・示談 |
| 関係が続いているかを調べる | 届出をした探偵業者 | 調査と報告まで |
| 第三者を入れて話し合う | 家庭裁判所(円満調停)・カウンセラー | 話し合いの場と助言 |
| 別れさせ工作 | — | 使わない |
夫婦でできること:誓約書と、約束の確かめ方を決める
配偶者が「終わらせる」と言ったら、その約束を誓約書にまとめます。口約束は、時間がたつと「そこまでは言っていない」となりやすいからです。入れる項目の例は次のとおりです。
- 不倫相手と個人的な連絡を取らない・会わない
- 仕事などで連絡が避けられないときは、用件だけにして、あったことをあなたに伝える
- 連絡先・写真・やりとりの履歴を削除した日
- 約束を破ったときにどうするか(話し合いの場を持つ、別居を考える など)
違約金の額や「破ったら離婚する」といった条項は、内容によって効力が問題になることがあります。書き方の型は浮気・不倫の誓約書の書き方、効力が問題になる場面は浮気の誓約書に効力はあるかで詳しく扱っています。
不倫相手からも接触しない約束を書面でもらう方法がありますが、無理に書かせると、刑法223条の強要(脅したり暴行したりして義務のないことをさせる行為)が問題になりかねません。項目の例と注意は浮気相手に誓約書を書いてもらうときを読んでから進めてください。
約束が守られているかの確かめ方も、この時点で決めておきます。「週に一度、気になったことを話す時間をとる」「帰りが遅くなる日は先に連絡する」など、配偶者が自分から見せる形にすると、あなたが一人で監視し続ける苦しさを減らせます。夫婦だけで話すと毎回けんかになるなら、家庭裁判所の夫婦関係調整調停(円満)が使えます。円満な関係を回復するための話し合いの場で、離婚するか迷っている段階でも申し立てられます。選び方は夫婦で話し合いができないときにまとめました。
不倫相手に直接やめてほしいと伝えたいとき
配偶者が動いてくれない、あるいは不倫相手のほうから連絡が続いている、という場合もあります。そのときの選択肢は3つです。
| 方法 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 配偶者を通じて伝える | 配偶者が終わらせる気でいる | 伝えた日時と内容を記録してもらう |
| 弁護士から書面で求める | 慰謝料の請求も考えている/直接話したくない | 費用がかかる。相談の前に経緯を時系列でまとめる |
| 自分で短く連絡する | 相手の連絡先が分かり、危険がない | 感情的な言葉や要求を書かない。送った文面を保存する |
自分で連絡するなら、送る前の確認点を浮気相手に連絡するときの注意で確かめてください。どの方法でも避けたいのは、相手の職場・家族・SNSに知らせて圧力をかけることです。刑法230条は、公然と事実を示して人の名誉を傷つけることを、その事実が本当かどうかにかかわらず罰の対象にしています。「別れないなら会社に言う」と告げると、222条の脅迫が問題になるおそれもあります。怒りが強くて抑えにくいときは、浮気相手に制裁したい気持ちへで、法律で認められる手段と加害側になる線を確かめてください。
別れたか分からない・関係が続いていると分かったとき
「別れた」と言われても、不安が消えないのは自然なことです。ただ、配偶者のスマホに無断でログインする、車にGPSを付けるといった確かめ方には、禁じる法律がある行為が含まれます。線引きは浮気の証拠集めで違法になりうることで確かめてから動いてください。
関係が続いていると分かった場合、それは「別れさせる方法が足りなかった」のではなく、配偶者が約束を守らなかったという事実です。次は、別れさせ方を工夫するより、自分がどうするかを考える段階に移ります。
- 約束を破った日時・内容を記録に残す
- 誓約書で決めていた「破ったときの取り決め」を確かめる
- やり直すか、別居や離婚を考えるかを、時間をかけて考える
- 慰謝料を考えるなら、記録を持って弁護士に相談する
不倫相手から妊娠を告げられたなど、別れ話が新しい問題に変わることもあります。その場合の整理は旦那の浮気相手が妊娠したらに続けてまとめています。
よくある質問
Q. 浮気相手に慰謝料を請求すれば、別れさせることにつながりますか?
慰謝料の請求は受けた精神的な損害の賠償を求めるもので、関係をやめさせる手段そのものではありません。ただ、請求の話し合いや示談の中で「今後は連絡を取らない」といった約束をあわせて取り決めることはあります。請求するか、どんな約束を入れるかは、事情を弁護士に伝えて決めてください。
Q. 別れさせ工作の業者に払ったお金は取り戻せますか?
戻るかどうかは契約の中身と、業者が実際に何をしたかで決まり、このサイトでは見込みを示せません。民法90条は公の秩序や善良の風俗に反する法律行為を無効と定めていますが、その契約が当たるかは個別の判断です。先に、契約書・領収書・振込の記録・広告の画面・業者とのやりとりを消さずに保存し、消費者ホットライン188(最寄りの消費生活センターにつながります)か弁護士に持っていってください。
Q. 夫が「もう別れた」と言いますが、信じてよいのでしょうか?
言葉だけで判断せず、別れの連絡をいつどんな文面で送ったか、連絡先を消したかなど、事前に決めた約束が守られているかで見ていきます。疑いが残るなら、勝手にスマホを見るのではなく、確かめ方そのものを夫婦で取り決め直すのが安全です。
出典・参考にした公的な情報
- 探偵業の業務の適正化に関する法律 第2条・第6条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 探偵業の業務の適正化に関する法律の概要(警察庁)
- 弁護士法 第72条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 民法 第90条(公序良俗)・第709条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 刑法 第222条(脅迫)・第223条(強要)・第230条(名誉毀損)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 夫婦関係調整調停(円満)(裁判所)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。