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離婚後の生活費の見通し:収入・手当・支出の表の作り方

この記事のもくじ
  1. 表の作り方:まず「手当なし」で収支を見る
  2. 収入欄に入れる手当:額・支給月・所得の見方
  3. 仮の数字で試算する:年収で手当がどう変わるか
  4. 足りないとき:公的な支援の調べ方

離婚後の生活が成り立つかは、「毎月入るお金」「毎月出るお金」「入金が偶数月・奇数月にまとまるお金」の3つを、1枚の表に並べると見えてきます。シングルマザーとして離婚する場合も、父子家庭になる場合も、手順は同じです。この記事では、表の作り方、手当の入れ方、足りないときの調べ先を順に説明します。数字は計算例の仮の値で、ご自分の数字は窓口と書類で入れ替えてください。

表の作り方:まず「手当なし」で収支を見る

最初は、手当や養育費を入れずに、自分の働いた収入だけで暮らせるかを見ます。手当は所得で変わり、養育費は払われない場合もあるためです。収入欄と支出欄を、次の形で作ります。

作業表:離婚後の月の収支
区分 項目 月額(円) 入る・出る時期
収入 給与などの手取り 毎月
収入 児童扶養手当(月額に換算) 1・3・5・7・9・11月に2か月分
収入 児童手当(月額に換算) 2・4・6・8・10・12月に2か月分
収入 養育費(取り決めがある場合のみ) 取り決めの日
支出 家賃・住宅ローン 毎月
支出 食費・日用品・光熱・通信 毎月
支出 国民健康保険・国民年金(扶養を外れた場合) 毎月または年払い
支出 子どもの教育・保育・習い事 月・年
支出 予備費(病気・急な出費) 月に1万円程度でも置く

支出は、通帳とカードの明細を直近3か月分見て、実際に使った額を書きます。家計簿をつけていない場合でも、通信費や保険料のような固定費から始めれば書けます。収入より先に支出を書くと、離婚後に本当に必要な額が見えます。

収入欄に入れる手当:額・支給月・所得の見方

収入欄に入れる公的な手当は、主に次の2つです。

  • 児童扶養手当:こども家庭庁の資料では、令和8年度の月額は全部支給が48,050円、一部支給が48,040円から11,340円までです(資料上は見込額)。児童が2人目以降の場合は、1人につき加算されます。支給は1月・3月・5月・7月・9月・11月の年6回で、それぞれ前月までの2か月分が支払われます(児童扶養手当法7条)。
  • 児童手当:3歳未満が月15,000円、3歳以上高校生年代までが月10,000円、第3子以降は月30,000円です。支給は偶数月で、前月までの2か月分です。

扶養から外れる場合の国民健康保険・国民年金の手続は離婚後の健康保険と年金の切り替え:扶養から外れるときの手続きで確かめます。

児童扶養手当は所得で金額が変わります。資料の例では、親1人・子1人の世帯で、給与収入が190万円までなら全部支給、385万円までなら一部支給の目安です。扶養親族の数で変わるので、詳しい対象と所得の見方は児童扶養手当とは?離婚後に受け取れる条件と申請の流れで確かめます。受け取る養育費は、その8割に当たる額が手当の所得に加えられる点も、収入欄を埋めるときに覚えておいてください。

養育費は、取り決めがあって実際に払われている場合だけ入れます。取り決めがなく、2026年4月1日以後に離婚した場合に生じる法定養育費の仕組みは法定養育費とは?2026年4月以後の離婚で取り決めがない場合の仕組みにあります。金額の決め方は養育費とは?決め方・算定表・2026年からの法定養育費までで調べてください。

仮の数字で試算する:年収で手当がどう変わるか

児童扶養手当は、収入が増えるにつれて減りますが、手当を加えた総収入は増えていくように設計されている、とこども家庭庁の資料は説明しています。資料の令和8年度(2026年4月から)の例(手当を受ける親と子1人の家庭)を、表にしました。

給与などの収入(年・額面) 児童扶養手当の月額 年額の目安
190万円まで 48,050円 約58万円
230万円 40,650円 約49万円
280万円 31,410円 約38万円
320万円 24,010円 約29万円
385万円 11,340円 約14万円

この表を使った試算が、次の例です。筆者の仮定で、母と3歳以上の子1人の家庭、給与の年収(額面)が230万円、手取りが月150,000円とします。

  • 給与の手取り:150,000円
  • 支出(家賃60,000円、食費40,000円、光熱・通信20,000円、日用品・交通10,000円、保険・年金・税20,000円):合計150,000円

手当を入れる前の収支は、150,000円-150,000円で0円です。ここに手当を足すと、次のようになります(筆者の計算)。

手当の状態 追加される月額 月の収支
手当なし 0円 0円
児童手当のみ 10,000円 10,000円
児童手当+児童扶養手当(年収230万円の例) 10,000円+40,650円=50,650円 50,650円

手当のあるなしで、月の余裕が0円から約5万円まで変わります。ただし資料の金額は、養育費を受け取っていれば、その8割が所得に加わって変わることがあり、扶養親族の数でも変わります。つまり、自分がどの金額の欄に入るかを、離婚前に窓口で試算してもらうことが見通しの前提です。収入が上がると手当は減っても、手当を加えた総収入は増える設計なので、表は年収を変えた2〜3通りで作ると比べやすくなります。子どもが成長すると教育費が増えるため、予備費と貯蓄の欄を置いておくと、数年後の見通しも立てやすくなります。

収入のない専業主婦(主夫)の場合は、働き始めるまでの期間をどう乗り切るかが課題です。その場合は専業主婦が離婚を準備するとき:収入・住まい・手当の見通しの立て方で、準備の順序を確かめてください。

足りないとき:公的な支援の調べ方

試算して足りないときは、収入を増やす方法と、支出を減らす方法に分けて調べます。

  • 仕事の収入を増やす:母子家庭自立支援給付金と父子家庭自立支援給付金に、自立支援教育訓練給付金(対象講座の経費の60%、受講前の講座指定が必要)と、高等職業訓練促進給付金があります。実施していない自治体もあるため、住所地の窓口で確かめます。
  • 国民年金の保険料を軽くする:収入が減ったときは、保険料の免除や納付猶予を申請できます。日本年金機構によると、申請は納付期限から2年を経過していない期間まで遡れます。審査には本人のほか、世帯主や配偶者の所得も入るため、実家の親と同じ世帯の場合は、その所得も見られます。
  • 住まいの費用を軽くする:公営住宅や住宅支援資金貸付などの支援があります。調べ方は離婚後の住まい探し:公営住宅やひとり親向けの支援の調べ方にまとめました。
  • 一時的な資金を借りる:母子父子寡婦福祉資金は12種類あり、利子は無利子または年1.0%です。貸付なので返済が必要です。

手当・給付金・貸付の全体はひとり親家庭の支援制度一覧:手当・医療費・住まい・仕事に分野別に並べています。将来の年金を分ける方法は年金分割とは?合意分割と3号分割の違いと手続きの流れ・請求期限にあり、離婚で決めるお金の全体は浮気が原因の離婚とお金:婚姻費用・養育費・財産分与・慰謝料の全体像で確かめられます。表ができたら、手当の窓口と弁護士への相談を、数字を持って行くと話が進みます。

よくある質問

Q. 手当や養育費は、毎月同じ額が入りますか?

入る間隔が違います。児童手当は偶数月(2・4・6・8・10・12月)に2か月分、児童扶養手当は1・3・5・7・9・11月に2か月分まとめて支払われます。表を作るときは、2か月分の額を2で割って月額にそろえ、入金のない月に資金がショートしないか別に確かめます。

Q. 離婚前に、生活費の見通しを立てておくべきですか?

離婚を決める前に立てておくほうが安全です。別居中の生活費の請求(婚姻費用)や、離婚で決めるお金の取り決めの内容によって、収入欄の数字が変わるためです。専業主婦で収入がない人は、働き始める時期と手当の開始月を含めた表で確かめてください。

Q. 国民年金や国民健康保険が払えるか心配です。

国民年金は、収入が減ったときに保険料の免除や納付猶予を申請でき、未納のままにするより障害年金などの面で安全です。国民健康保険の保険料は市区町村で金額が違うので、住所地の窓口で、離婚後の世帯の所得で試算してもらいます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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