離婚後の手続き一覧:戸籍・氏・保険・年金・手当の順番
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離婚後の手続きは、期限の短い順に「戸籍の届出(調停・裁判の離婚は10日以内)→住民票・国民健康保険・国民年金(14日以内)→児童手当・児童扶養手当の申請→氏の届出(3か月以内)→年金分割・財産分与の請求(5年または2年)」と進めます。協議離婚か調停・裁判の離婚かで最初の手続きが変わるので、まず自分の離婚の形を確かめてください。この記事は、離婚の日を起点にした期限つきのチェックリストです。
期限つき一覧:離婚日から数える手続き
離婚の日を起点に、いつまでに何をするかを並べました。浮気が原因の離婚でも、手続きの種類と期限は変わりません。
| 手続き | 期限 | 出す先 |
|---|---|---|
| 離婚の届出(調停・裁判の場合) | 成立・確定の日から10日以内 | 市区町村役場 |
| 住民票の転居届・転入届 | 住所を変えた日から14日以内 | 新しい住所の市区町村 |
| 国民健康保険の加入(扶養から外れた場合) | 外れた日から14日以内 | 住所地の市区町村 |
| 国民年金の第3号から第1号への変更 | 事実があった日から14日以内 | 住所地の市区町村 |
| 児童手当・児童扶養手当の申請 | 遅れた月の分は原則受けられない | 住所地の市区町村 |
| 婚氏続称(結婚していたときの氏を使う)の届出 | 離婚の日から3か月以内 | 市区町村役場 |
| 年金分割の請求 | 離婚の翌日から5年以内(2026年3月31日以前の離婚は2年以内) | 年金事務所 |
| 財産分与を求める家庭裁判所への請求 | 離婚の時から5年以内(2026年3月31日以前の離婚は2年以内) | 家庭裁判所 |
数え方にも違いがあります。裁判所の案内は、調停離婚の届出期間は成立の日を1日目と数えると書いています。14日・3か月・5年のどこから数えるかは、手続きごとに「離婚の日」「事実があった日」「離婚の翌日」と違うため、迷ったら窓口で確かめてください。
戸籍と氏:最初の10日と3か月
最初に済ませるのは離婚の届出です。協議離婚は、離婚届が受理された日に離婚が成立します(民法764条・739条)。離婚届の書き方と出し方は離婚届の書き方と出し方:証人・親権の欄で注意することにまとめています。
調停で離婚が成立した場合は、調停成立の日が離婚の日ですが、そのままでは戸籍に載りません。裁判所の案内では、成立の日から10日以内に、調停調書の謄本を添えて市区町村役場に離婚届を出します。届出の義務があるのは申立人で、申立人が期間内に出さないときは相手方も届け出られます。この離婚届には、相手の署名や証人は要りません。正当な理由なく期間を過ぎると過料の制裁を受けることがある、とも案内されています。裁判で離婚が確定した場合も、戸籍法77条・63条が確定の日から10日以内の届出を定めています。
氏と戸籍は、次のように分かれます。
- 婚姻で氏を改めた人は、原則として婚姻前の氏に戻り、婚姻前の戸籍に戻ります。自分が筆頭者の新しい戸籍を作ることもできます(戸籍法19条)
- 結婚していたときの氏を使い続けたいなら、離婚の日から3か月以内に婚氏続称の届出をします。離婚届と同時でもかまいません(民法767条2項・戸籍法77条の2)
- 続称の届出をすると新しい戸籍が作られ、後から婚姻前の氏に戻すには家庭裁判所の氏の変更許可が要ります。選ぶ前に、仕事の名義や銀行・カードの名義変更の手間も考えてください
子どもの戸籍は、親が旧姓に戻っても動きません。離婚時の筆頭者の戸籍に残るので、筆頭者でない親が子どもを自分の戸籍に入れるには、子の住所地の家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立て、許可後に入籍届を出します。収入印紙は子1人につき800円分と郵便切手で、子が15歳未満なら法定代理人が申し立て、共同親権の場合は原則として父母が連名で申し立てます。詳しい流れは離婚後の子供の苗字はどうなる?変えるときの家庭裁判所の手続きで扱います。
住まい・健康保険・年金:14日以内の手続き
引っ越しをするなら、住所を変えた日から14日以内に、同じ市区町村内の引っ越しは転居届、別の市区町村への引っ越しは転入届を出します(住民基本台帳法22条・23条)。相手に新しい住所を知られると危険がある場合は、手続きの前に窓口の確認が先です。暴力や脅しが差し迫っているときは110番、その他の窓口は浮気・不倫の相談先一覧から選んでください。
健康保険は、配偶者の扶養に入っていた人が対象です。離婚すると扶養から外れ、日本年金機構の案内では、扶養を外す届出は被保険者である元配偶者が事業主を通じて出し、保険証にあたる資格確認書も返します。外れた人は、自分の勤務先の健康保険に入るか、国民健康保険に14日以内に加入します(国民健康保険法施行規則3条)。元配偶者が届け出ない場合は、加入先の健康保険の窓口や年金事務所に相談します。
国民年金は、配偶者の扶養に入っていた第3号被保険者が、離婚で第1号被保険者に変わる手続きです。国民年金法施行規則6条の2は、事実があった日から14日以内に市区町村長へ届書を出すと定めています。保険料の支払いが難しいときは、未納のままにせず、免除や納付猶予を申請します。日本年金機構によると、申請は納付期限から2年を経過していない期間まで遡れます。
保険と年金の切り替えは離婚後の健康保険と年金の切り替え:扶養から外れるときの手続きで、年金分割は年金分割とは?合意分割と3号分割の違いと手続きの流れ・請求期限で順を追って説明します。
子どもの手当と学校:申請が遅れると取り戻せない
離婚後に子どもを育てる人は、児童手当と児童扶養手当の申請が遅れると、その分を受け取れないことがあるので急ぎます。
児童手当は、離婚協議中で別居している場合は、子どもと同居している人に優先して支給されるとこども家庭庁が案内しています。申請は現住所の市区町村で、申請した月の翌月分からが原則です。遅れた月の分は原則受けられません。受給者が変わるときは、元の受給者側の手続きも関わるので、窓口で別居や離婚の事情を伝えてください。
児童扶養手当は、父母が婚姻を解消した児童などを養育する人に支給されます(児童扶養手当法4条)。支給は認定請求をした日の属する月の翌月分から始まり(同法7条)、請求が遅れても遡って支払われる仕組みではありません。令和8年度は全部支給で月額48,050円(こども家庭庁の資料では見込額)と載っていますが、額は年度ごとに見直され、所得制限もあります。受け取っている養育費の8割相当額が所得に加えられる点も押さえてください。
学校と保育所の手続きは、住所や氏が変わるかどうかで必要な書類が変わります。転校の手続きは離婚・別居で子供が転校するとき:手続きと学校への伝え方で整理しています。手当や住まいの支援は自治体ごとに内容が違うため、ひとり親家庭の支援制度一覧:手当・医療費・住まい・仕事で調べる項目を確かめ、住所地の窓口に問い合わせます。
お金の取り決めの期限:離婚の日をカレンダーに書く
最後に、すぐに出す書類はなくても期限が決まっているものを、離婚日の記録とセットで管理します。
- 財産分与:家庭裁判所に求められるのは離婚の時から5年です。2026年3月31日以前に離婚した場合は2年です(民法768条2項、裁判所の財産分与請求調停のページ)
- 年金分割:請求は離婚の翌日から5年以内です。2026年4月1日より前に離婚した場合は2年以内です(日本年金機構)。分割の割合を決めるための情報通知書は、離婚前でも年金事務所に請求できます
- 慰謝料:不法行為の損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年で時効にかかります(民法724条)。いつから数えるかは事情で変わるので、早めに弁護士へ確かめてください
- 養育費:取り決めがないまま離婚したときの法定養育費(子1人あたり月2万円)は、2026年4月1日以後の離婚だけが対象です。改正の全体は離婚の法改正2026年4月施行でまとめています
離婚協議書や公正証書でこれらを決めておけば、後の手続きが減ります。協議書をだれに頼むかは離婚協議書は行政書士と弁護士のどちらに頼む?できることの違いで比べ、離婚全体の流れは浮気・不倫が原因の離婚:準備・話し合い・調停の流れと決めることから確かめられます。離婚の方法そのものを選ぶ段階なら、次の離婚の方法は4種類:協議・調停・審判・裁判の流れと選び方が入口になります。
よくある質問
Q. 離婚届を出した日と、離婚が成立した日は同じですか?
協議離婚は、離婚届が受理された日に離婚の効力が生じます。調停離婚は調停が成立した日、裁判離婚は判決が確定した日が離婚の日で、役所の戸籍に載せるにはその後に届出が要ります。調停離婚の届出は、成立の日を1日目と数えて10日以内です。
Q. 離婚したら子どもの名字と戸籍も自動で変わりますか?
変わりません。裁判所の案内では、子どもの戸籍は親権者が一方でも双方でも、離婚時の筆頭者の戸籍に残ります。自分の戸籍に入れたいときは、家庭裁判所で子の氏の変更許可を受けてから、市区町村に入籍届を出します。
Q. 手続きが多すぎて順番が分かりません。何から始めればいいですか?
期限が短いものから進めます。戸籍の届出(10日)、住民票・国民健康保険・国民年金(14日)、児童手当と児童扶養手当の申請、氏の届出(3か月)の順に並べ、年金分割と財産分与の5年・2年は離婚日に印をつけて別に管理してください。
出典・参考にした公的な情報
- 調停離婚が成立した方へ(令和8年4月版)(裁判所)
- 戸籍法 第19条・第63条・第76条・第77条・第77条の2(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 民法 第724条・第767条・第768条・第791条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 住民基本台帳法 第22条・第23条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 国民年金法施行規則 第6条の2(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 国民健康保険法施行規則 第3条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 財産分与請求調停(裁判所)
- 児童扶養手当法 第4条・第7条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 児童扶養手当について(こども家庭庁)
- 児童手当制度のご案内(こども家庭庁)
- 離婚時の年金分割(日本年金機構)
- 従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き(日本年金機構)
- 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度(日本年金機構)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。