浮気相手と結婚・再婚を考えるとき:離婚の成立と周囲との関係で確かめること
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浮気相手との結婚を考えたとき、先に押さえたいのは3点です。どちらかに配偶者がいるあいだは婚姻届を出せず、結婚できるのは離婚が成立してからです(民法732条)。次に、結婚しても、過去の不貞を理由にした慰謝料の責任は時効が来るまで残ります。最後に、子どもがいるなら、養育費や親子交流の取り決めは結婚の前に済んでいる必要があります。この記事では、離婚の成立の前後で何を確かめるかを順に整理します。
結婚できるのは、いつから?離婚成立と婚姻届の順番
配偶者のある人は、重ねて婚姻できません(民法732条)。浮気相手と結婚するには、相手(自分も既婚なら自分も)の離婚が先に成立している必要があります。婚姻は戸籍法の定めにより届け出ることで効力が生じます(739条)。「離婚の話が進んでいる」だけでは、婚姻届を出せる状態ではありません。
順番は、次のとおりです。
- 離婚が成立する(協議離婚なら離婚届の受理、調停・裁判なら成立や確定)
- 婚姻届を出す(当事者双方と成年の証人2人以上の署名が要ります。739条2項)
昔あった女性だけの再婚禁止期間(100日)は、民法733条の削除により、2024年4月1日からなくなっています。古い解説にある「離婚から100日は結婚できない」は、今は当てはまりません。
離婚がまだ成立していない相手との結婚の見通しは、相手の言葉でなく手続きの進み具合で見ます。調停や裁判まで進む場合の期間の目安と、待つあいだに起きうることは不倫相手の離婚を待つ前に確かめたいことにまとめています。自分も既婚の場合は、自分の離婚も同じ手順で必要です。2つの家庭が関わる場合の整理はダブル不倫が発覚したら起きることを先に読んでください。
結婚しても残る責任:慰謝料の請求と時効
結婚して家庭を作っても、それまでの不貞が消えるわけではありません。不法行為による損害賠償の請求権は、被害者が損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で時効にかかります(民法724条)。つまり、相手の元配偶者が損害と加害者(あなた)を知ってから3年のあいだは、請求を受ける立場が続きます。
ここで混ぜやすいのが、2種類の慰謝料です。
| 種類 | 何に対する慰謝料か | 浮気相手に請求できるか |
|---|---|---|
| 不貞行為そのもの | 不貞で受けた精神的な苦痛 | 故意・過失があれば責任が問われうる |
| 離婚に伴う慰謝料 | 離婚せざるをえなくなったこと | 特段の事情がない限り請求できない(最高裁平成31年2月19日判決) |
最高裁は平成31年の判決で、不貞の相手方は、夫婦を離婚させることを意図して婚姻関係に不当な干渉をするなど、離婚のやむなきに至らしめたと評価すべき特段の事情がない限り、離婚に伴う慰謝料の責任を負わないとしました。ただし判決は、不貞行為を理由とする責任は別だとしています。「離婚した後なら請求されない」と読むのは誤りです。
結婚を急いだ事情が「特段の事情」にあたるかどうかは、事案ごとの判断です。この記事では当てはめません。書面が届いたときの動き方は不倫の慰謝料を請求されたらすることに、慰謝料の仕組みの全体は不倫の慰謝料とはにあります。
子どもがいるとき:養育費・親子交流・連れ子との関係
離婚する側に子どもがいるなら、結婚の前に「離婚時の取り決め」がどうなっているかを聞いておきます。民法766条は、協議離婚のとき、子の監護をすべき者、父または母と子との交流、子の監護に要する費用の分担などを協議で定めるとしています。その際は子の利益を最も優先します。養育費は条文上「子の監護に要する費用の分担」にあたります。
確かめる項目は次の4つです。
- 親権者は誰か、双方か一方か(819条。協議離婚では協議で定める)
- 養育費の金額と支払期間が、書面で決まっているか
- 子と別居する親との親子交流の方法が決まっているか
- 2026年4月1日以後に離婚する場合、養育費の取り決めがなくても、法定養育費が請求できる仕組み(766条の3)があること。施行日より前に離婚した人には使えません(法務省の改正の説明)。数字や経過措置は離婚の法改正2026年4月施行の変更点で確かめてください
結婚しても、親が子を扶養する責務は変わりません。民法817条の12は、父母が子の人格を尊重し、子が自己と同程度の生活を維持できるよう扶養する責務を定め、婚姻関係の有無にかかわらず互いに協力することも求めています。再婚を理由に養育費がどう扱われるかは再婚したら養育費はどうなるかで、場面を分けて読めます。
連れ子がいる相手と結婚する場合、婚姻届だけでは法律上の親子になりません。親子になるには養子縁組が要ります。配偶者のある人が未成年者を養子にするときは配偶者とともにするのが原則で、配偶者の嫡出である子を養子にする場合は例外とされています(795条)。また、未成年者を養子にするには原則として家庭裁判所の許可が要ります。ただし自分または配偶者の直系卑属を養子とする場合は許可が不要です(798条)。縁組をするかどうかは、子どもの年齢と気持ち、実の親との関係を見て、急がずに決めます。
周囲との関係で確かめること:結婚の前の確認表
条文で決まらない部分は、結婚の前に二人で言葉にしておくほうが、あとで揉めにくくなります。
| 確かめること | 具体的な問い |
|---|---|
| 相手の元配偶者 | 慰謝料の請求や連絡が来る可能性を、二人でどう受け止めているか。連絡が来たら返事の前に何をするか(不倫相手の妻や夫から連絡が来たとき) |
| 子ども | 会う頻度、いつ・誰が伝えるか。子どもの気持ちを聞く場をどこで持つか |
| お金 | 養育費・慰謝料などの支払いが生活費に与える影響 |
| 住まい | 離婚した家に誰が残るか。新居の名義と費用 |
| 仕事 | 職場に知られていないか、同じ職場なら異動の見込み(職場不倫の行き先) |
| 自分の家族・友人 | 結婚を伝える範囲と時期 |
「再婚して後悔した」という悩みの多くは、結婚そのものでなく、こうした取り決めを後回しにしたことから起きます。関係の始まりが不倫だったことを、結婚する二人がどう受け止めるかも、遠回りでも話しておく項目です。
不倫そのものを今後どうするかで迷っているなら、結婚の前にもう一度不倫を終わらせる手順と相談先を読み、関係を続ける・終えるの両方を並べて考えてください。
迷ったときの相談先
離婚の成立前後の法的な判断(慰謝料の見込み、親権、養育費の取り決めの書面)は、個別の事情で結論が変わります。弁護士に相談するときは、不貞の時期、相手の離婚の進み具合、子どもの年齢、書面が届いているかを時系列で持参します。費用が心配なときの入口は、法テラスのサポートダイヤル(番号と時間は浮気・不倫の相談先一覧を見てください)です。
よくある質問
Q. 相手の離婚が成立していれば、元の配偶者から慰謝料を請求されることはありませんか?
離婚が成立したことと、慰謝料の請求がなくなることは別です。不貞行為そのものを理由とする請求は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で時効にかかります(民法724条)。離婚後や結婚後に届くこともあるので、結婚の時期より前の経緯を整理し、書面が届いたら弁護士に確かめてください。
Q. 浮気相手と再婚した後に、後悔することはありますか?
後悔するかどうかは人によって違い、数字で言えることはありません。確かめられるのは、結婚前の取り決め(子ども・お金・住まい)が済んでいるか、二人のあいだで関係の始まりをどう受け止めているかです。下の確認表で、答えが空欄の項目から先に埋めてください。
Q. 再婚相手の連れ子は、結婚するとすぐに自分の子になりますか?
婚姻届を出しただけでは、連れ子との間に法律上の親子関係はできません。親子になるには養子縁組が必要で、配偶者の子(配偶者の直系卑属)を未成年のうちに養子にする場合は、家庭裁判所の許可は要りません(民法798条)。ただし子の実親との関係や養育費の取り決めに響くことがあるため、縁組の前に確かめてください。
出典・参考にした公的な情報
- 民法 第724条・第732条・第733条・第739条・第766条・第766条の3・第768条・第795条・第798条・第817条の12・第819条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 最高裁判所 平成31年2月19日 第三小法廷判決(不貞の相手方に対する離婚に伴う慰謝料)(裁判所)
- 民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について(法務省)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。