浮気相手にどう対応する?連絡する前に決めておく目的と避けたい行動
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浮気相手にどう対応するかは、連絡するかどうかを決める前に「何のために向き合うのか」を一つに絞ることから始まります。目的はおおむね、関係をやめさせる、慰謝料を求める、事実を確かめる、の3つで、目的によって連絡が要るか、誰に働きかけるのが近道か、どんな手段を使うかが変わります。連絡しないことも立派な選び方です。反対に、家に押しかける、職場やSNSで知らせる、「払わないとばらす」と迫る、といった行動は、目的を遠ざけるうえに、自分が責任を問われる側になりかねません。
浮気相手への対応は「目的」から決める
浮気が分かると、相手に何か言わずにはいられない気持ちになります。けれども、目的がはっきりしないまま連絡すると、言いたいことを言った後に何も残らず、かえって不利な材料を相手に渡すことがあります。まず、自分がいちばん望むことを次の表から選んでください。
| 目的 | 働きかける相手 | 浮気相手への連絡 | 次に読む |
|---|---|---|---|
| 関係をやめさせたい | まず配偶者。必要なら浮気相手にも | 配偶者が断れば、なくても進む | 浮気相手と別れさせるには |
| 慰謝料を求めたい | 浮気相手(配偶者への請求とは別に考える) | 自分でする前に弁護士に相談 | 不倫相手に慰謝料を請求するときの考え方 |
| 事実を確かめたい | 配偶者と手元の記録 | 浮気相手に聞くのは最後の手段 | 浮気の問い詰め方 |
| 二度と近づいてほしくない | 浮気相手 | 書面で約束を残す方法がある | 浮気相手に誓約書を書いてもらうとき |
| 気持ちをぶつけたい | ― | 連絡はいったん止める | 浮気相手に制裁したい気持ちへ |
目的を一文で書き出してみると、連絡が本当に必要かどうかが見えてきます。たとえば「関係をやめさせたい」なら、配偶者が浮気相手に別れを告げ、そのやりとりを見せてもらうだけで足りることも多いはずです。気持ちをぶつけたいという目的は、相手への連絡ではなく、自分のケアや相談の場で扱うほうが安全です。
法律では浮気相手はどんな立場にあるか
対応がぶれないように、浮気相手の法律上の位置づけを大まかに押さえておきます。個別の事情でどうなるかは弁護士が判断することなので、ここでは仕組みだけを示します。
- 浮気相手にも責任が生じうる:最高裁の昭和54年3月30日の判決は、夫婦の一方と肉体関係を持った第三者は、故意または過失がある限り、誘惑したかどうか、自然な愛情によるかどうかにかかわらず、もう一方の配偶者の精神的苦痛を慰謝する義務があるとしています。根拠は不法行為の定め(民法709条・710条)です。
- 配偶者と浮気相手は連帯して責任を負う:民法719条1項は、数人が共同で不法行為をしたときは各自が連帯して賠償すると定めています。不貞行為が共同の不法行為にあたる場合、配偶者への請求と浮気相手への請求は関係し合うので、片方とだけ話を進める前に整理が必要です。
- 「夫婦は終わっていると聞いた」と言われることがある:平成8年3月26日の最高裁判決は、関係を持った当時すでに婚姻関係が破綻していたときは、特段の事情のない限り第三者は責任を負わないとしています。2026年6月5日の最高裁判決は、不貞相手の過失を考えるとき、相手が破綻していると信じたか、そう信じる相当の理由があったかまで検討する必要があるとしました。この判決は「聞いていたから責任がない」とも「聞いていても責任がある」とも言っておらず、結論は事情しだいです。見聞きした経緯は記録して弁護士に伝えてください。詳しくは不倫相手に慰謝料を請求するときの考え方と不倫相手の「知らなかった」という主張で扱います。
- 「離婚させられたこと」の慰謝料は別:平成31年2月19日の最高裁判決は、浮気相手に離婚に伴う慰謝料を求めることは、離婚させる意図で夫婦に不当な干渉をしたといった特段の事情がない限りできないとしました。不貞行為そのものを理由とする責任は別に扱われます。
- 期限がある:慰謝料を求める権利は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で時効にかかります(民法724条)。
条文と判例の関係をもう少し詳しく知りたいときは、不貞行為の慰謝料の仕組みを読んでください。結婚していない恋人どうしの浮気は、夫婦の場合とは考え方が異なるので、彼氏や彼女の浮気で慰謝料は請求できる?を見てください。
浮気相手に連絡する前に確かめる5つのこと
連絡すると決めた場合も、送る前に次の5つを確かめてください。どれかが曖昧なら、まだ連絡の時期ではありません。
- 目的が一つに絞れているか:「やめてほしい」と「お金を払ってほしい」を同じ文面に混ぜると、相手は身構え、話がこじれやすくなります。
- 相手が誰か、間違いはないか:名前や連絡先の思い込みで別人に送ると、その人に対して自分が責任を負うことになりかねません。
- 配偶者との話し合いを先に済ませたか:配偶者がまだ関係を認めていない段階で浮気相手に連絡すると、二人が口裏を合わせる時間を与えることがあります。
- 安全に問題はないか:相手やその家族が感情的になったとき、自分の住所や勤務先が知られていないか。相手も既婚者なら、その配偶者の反応も考えておきます。
- 記録を残す準備ができているか:送った文面と返事を、日時が分かる形で残せるか。
浮気相手が友人や知人だったときの考え方は浮気相手が友達・知人だったときに、相手も既婚者だったときは浮気相手も既婚者だったときにまとめています。連絡の具体的な手順と文面の確かめ方は、次の記事浮気相手に連絡するときの注意:送る前に確かめる文面と記録の残し方で扱います。
避けたい行動と、自分が責められる側になる理由
浮気相手への怒りが強いと、思い知らせたい行動に出たくなります。けれども、相手が浮気をしたことは、こちらが何をしてもよい理由にはなりません。
| 避けたい行動 | 関わる法律 | その後に起こりうること |
|---|---|---|
| 浮気相手の家に行き、帰ってほしいと言われても居座る | 刑法130条(住居侵入・不退去) | 警察を呼ばれ、話し合いどころではなくなる |
| 職場の人やSNSで不倫の事実を広める | 刑法230条(名誉毀損)。事実でも成り立ちうる | 逆に慰謝料を求められ、請求の話し合いで不利になる |
| 「払わないと家族にばらす」と迫る | 刑法222条(脅迫)、払わせれば249条(恐喝) | 正当な請求のはずが、方法の問題にすり替わる |
| 誓約書を書くまで帰さない | 刑法223条(強要) | 書かせた書面の効力を争われる |
| 拒まれても何度も電話やメッセージを送る | ストーカー規制法2条1項は目的を要件にしており、当てはまるかは事情による | 相手が警察に相談することがある |
どの行為がどの罪に当たるかは、目的ややり方で決まり、ここで当てはめることはしません。大事なのは、こうした行動をとると、浮気をされた側だったはずの自分が、責任を問われる側に立たされうるということです。職場に知らせたい気持ちについては浮気相手の職場に連絡したいときで、ほかの線引きは浮気が発覚したらすることの避けたい行動の表でも整理しています。
| 手順 | 確かめること | 迷ったときの行き先 |
|---|---|---|
| 1. 目的を一文で書く | やめさせる・慰謝料・事実確認・接近の禁止のどれか | 気持ちをぶつけたいだけなら連絡を止める |
| 2. 配偶者と話す | 配偶者が関係を断つか、どう断るか | 認めないときは記録の整理へ |
| 3. 連絡の要否を決める | 配偶者を通すか、自分で連絡するか、弁護士を通すか | 慰謝料が目的なら弁護士へ |
| 4. 連絡するなら準備 | 文面・手段・記録・安全 | 直接会うなら場所と同席者を決める |
連絡したあと・相手から連絡が来たとき
連絡した後に返事がない、話がこじれた、という場合も、続けて送るのは控えます。返事を待つ期限を自分の中で決め、過ぎたら次の手(配偶者との話し合い、弁護士への相談)に切り替えます。直接会って話したいと考えたら、場所や同席者、録音の準備を整えてからにしてください。準備の項目は浮気相手と直接会う前ににあります。
反対に、浮気相手やその配偶者から連絡が来た、脅すような言葉を受けた、というときは、こちらから言い返す前に記録を残します。身の危険を感じる、「会社にばらす」と言われた、という場合は、話し合いより先に警察などへの相談を考えてください。連絡先と使い分けは不倫で脅迫されたとき:110番と#9110の使い分けと最初にすることにまとめています。
よくある質問
Q. 浮気相手には連絡せず、配偶者との問題として済ませてもいいですか?
構いません。浮気相手に連絡しないことも、対応の一つの選び方です。関係を断つのは配偶者自身の行動なので、配偶者に断り方を決めさせ、そのやりとりを見せてもらう形でも目的は果たせます。後から慰謝料を考える可能性があるなら、連絡しない場合でも記録だけは残しておいてください。
Q. 浮気相手に開き直られたり、逆に責められたりしたらどうすればいいですか?
その場で言い返すほど、話は感情のぶつけ合いになり、言葉が強くなった側が不利になることがあります。相手の言葉はそのまま記録し、こちらからは「これ以上は直接話さない」と短く伝えてやりとりを止めます。請求や約束の話を進めたいなら、弁護士を通す段階だと考えてください。
Q. 浮気相手が「妊娠した」と言っていると聞きました。対応は変わりますか?
妊娠が関わると、認知や養育費など子どもの側の仕組みが加わり、考えることが大きく変わります。まず事実を確かめることが先で、浮気相手に直接問いただすより、配偶者と話し、必要なら弁護士に相談してください。確かめ方と仕組みは[旦那の浮気相手が妊娠したら](/aite-ninshin/)で整理しています。
出典・参考にした公的な情報
- 民法 第709条・第710条・第719条・第724条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 最高裁判所 昭和54年3月30日 第二小法廷判決(昭和51年(オ)第328号)(裁判所)
- 最高裁判所 平成8年3月26日 第三小法廷判決(平成5年(オ)第281号)(裁判所)
- 最高裁判所 令和8年6月5日 第二小法廷判決(令和7年(受)第933号)(裁判所)
- 最高裁判所 平成31年2月19日 第三小法廷判決(平成29年(受)第1456号)(裁判所)
- 刑法 第130条・第222条・第223条・第230条・第249条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- ストーカー行為等の規制等に関する法律 第2条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。